(童謡の「犬のお巡りさん」編曲?)

   迷子の迷子の子猫ちゃん


 君の心は、いつまでも気付かないふりで、
 その大きな心の傷を見ないふりでいるね。

 見てしまったら、ここから先に進めなくなるから?

 塞がれることのない大きな傷は、
 ずっとかさぶたも作れずに血を流してる。

 もし見てしまったら、
 気付いてしまったら、
 迷子の子猫が泣くように、
 ずっと泣き続けるんだろうね……

『痛いよう…。痛いよう…』

『お母さん!お母さん!
 私はここよ!
 私を見て!
 私を抱きしめて!
 私を愛してるって、言って!!』

 それは…今はあり得ないことだから、
 君を抱き締めてくれない手を待つことが、辛いから…。

 俺が抱き締めても、
 本当には代わりになれない事だから……

 いつまでも心は迷子のままの君だけど、
 君を見守っている人はいっぱい居るよ。

 だからね……
 辛い時は泣いていいよ。
 俺の腕の中は、
 君の為にいつでも空けているからね。

 だからおいで……。
 そんなに心が泣いている事に気付いて……。
 俺の腕の中で、少しでも心を軽くできるなら、
 いつでも泣いていいからね。

『お母さん!お母さん!
 私はここよ!
 私を見て!
 私を抱きしめて!
 私を愛してるって、言って!!』

 君が本当に幸せになる為に、
 俺は君を愛するから……。
 君の傷を…癒してあげたいんだ、心から……。

『愛してる。誰よりもきっと愛してる』

 迷子の子猫が泣き止むまで、
 ずっと抱き締めてあげるから……。


         fin

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最近ハマって読ませて頂いていた某様のお話。
読み出すと聴こえてくるのは、
クラッシックのピアノの音。
曲名を知らないモノもあるけれど、
優しく、切ないBGMになっています。
そのせいか、
……でもこの曲は日本の童謡のはず…(^^;)
私のボキャブラリーの無さが悲しい(T_T)

『迷子の子猫が泣いている』

そのイメージで出てきたのが、
今のキョコを心配する蓮様…です。
まだ本誌では表紙のみのお帰りでしたが、
「キョコの心を優しく包み込んであげて欲しい…」
そんなお願いを込めたショートでした。