教育原理の講義にて使用した資料。・・・仏思想家ルソ-の著書”エミ-ル”
この本は、教育論について書かれた本なのであるが、正論のすぐ後に、破壊的論述がなされ、
それが妙に面白く、読み手として惹きつけられてしまった。
例えば・・・
正論”死を防ぐことよりも、生きることが必要なのだ。生きる事、それは呼吸する事ではない。
活動することだ”
破壊的論述”百歳で葬られる人が、生まれてすぐ死んだのと同じようなこともある。
そんな人は、若いうちに墓場に行ったほうがましだったのだ。”
(私から一言・・・もうすぐ百歳になる祖母と、既に亡くなった弟に何と言えばよいの)
正論”世界で一番有能な先生によってよりも、分別のある平凡な父親によってこそ、
子供は立派に教育される。”
破壊的論述”しかし、用事が、つとめが、義務が・・・。ああ、義務。たしかに、いちばん軽い義務は父としての義務なのだ。”
正論”わたしたちがついて学ぶ最初の哲学の先生は、わたしたちの足、わたしたちの手、わたしたち
の目なのだ”
破壊的論述”そういうもののかわりに書物をもってくるのは、わたしたちに推論を教えることにはなら
ない”
(私から一言・・・あの~教育学を追求されたい方に、この本をオススメしたいのですが・・・)
というふうに・・・なるほどと思う文章表現に
”社会人は奴隷状態のうちに生まれ、生き、死んでいく。生まれると産衣にくるまれる。死ぬと棺桶に入れられる。人間の形をしている間は、社会制度にしばられている。”・・・とある。
教育哲学でもあり、格言ともとれる内容で、
何となく、とっつきにくさがあるような感じもするが、
読んでいくと、なかなか味がある、スルメ的一冊。
デュ-ク著”民主主義と教育”の内容に比べれば、比較的易く、”教育とはいかに”
を理論で学びたい方に、是非ともオススメしたい内容です。
引用及び参考文献・・エミ-ル/上巻、ルソ-著、岩波書店;出版