裏モノ好きな私はコイツを差し置いては裏モノは語れない。
マツヤ商会の原人7である。
マツヤ商会といえば広島に本社があるスロットメーカー。
日電協非加盟メーカーなので、特許の許諾が降りず、小役構成が当時としては少々歪な形態を取っている。
ちなみに特許としては
1リールで払い出しが確定する役がまず特許で、上記の画像を見ていただければお判り頂けるように全て最低2リール以上で払い出しが確定する役構成となっている。
更にウェイトにも特許が絡んでくる。
通常、ウェイトと言えば前ゲーム終了時から4.1秒以内にレバーが叩かれると4.1秒間が経過するまでリールが停止し、4.1秒を越えるとリールが回転を始めるのだが、このウェイト中はリールが停止している、というのも特許である。
以上の事から当時の日電協非加盟メーカーはリール停止の代わりにスルースタート(4.1秒が経過するまで徐々にリールスピードを上げていく)方法が取られていた。
さてこの原人7だが、広島、山口以外では見た事がないので全国的にはかなりマイナーな機種に入るかも知れない。
そもそもがマツヤ商会が広島のメーカーなので致し方ないのかも知れない。
ネットで調べても原人7の情報はあまり出てこない。
マツヤ商会と言えば、ピンクホエール、Dゾーン、ラスタJ、パタッキー等、出せばほとんどが裏モノだった事も印象強い。
裏モノ好きな私としてはマツヤ商会の機種を見れば片っ端から打っていたのだけれども、この原人7は一層こと打ち込んだ。
ゲーム性が秀逸で、いわゆるチェリー連バージョンなのだけれども、まずチェリー(足跡)が落ちたところからカウントスタート。
以下5G以内に何回チェリーが落ちるか、がキモで、5回落ちれば確定、4回で激アツ(笑)3回でもそこそこ期待が持てる、といった具合だ。
例えばチェリー×2→ハズレ→チェリー×2みたいなパターンもあるので一度チェリ連が途切れたからと言って油断は出来ない。
そして更に5Gの吸い込みゲームを経てBBが成立する、といった塩梅だ。
この5G吸い込みがいい味を出していて入ってるか入っていないか、連チャンするか否か、この間色々考えるんですよ。
5連すれば安堵しながら回せるし4連なら「ガセらないよな?」と少し不安になりながらも気持ちはもう連チャン気分だし、3連だと少々厳し目だが入れば旨い、入れ!入れ!右上足跡来い!なんて考えながら消化するわけです。
沖ドキの32G間に似てるでしょ?
さて、リーチ目の右上足跡。
今見てもこのセンスは頭ぶっ飛んでる。
なんで右上足跡をこんなに強烈にしたのか。
右上足跡に行き着く思考が全く以って難解だし、ある種の可笑しささえ感じてしまう。
連チャンはBBオンリーでRBは小役扱い。
ハズシもばっちり効いたので400〜枚程度は取れた。
連チャン性はそこまで激しいものではなかったがハズシと後述する小技を駆使する事で中々他人よりは優位に立てた機種であったが当時の私はスロットを覚えて間もない頃であったから7を揃えるだけで精一杯。
リプレイハズシ?なにそれ美味しいの?
とは言え、当時から探究心だけはあったのか、1枚がけ攻略を編み出す。
編み出す、というと全部私が考えたみたいだが、常連のオッサンに教えてもらった小技の幅を広げただけである。
この台、前述したようにチェリー集中が5G続いた後、吸い込みゲームが5Gある。
実はこの吸い込みゲームは1枚がけでも特に問題はなく、6G目にはきちんとBBが成立する。
つまりこの吸い込みGを毎回1枚がけで消化する事で毎回2
×5G、10枚づつ得をする寸法になる。
1日にBB50回以上も当たり前だったのでこの10枚は大きい。
実際に教えてもらったのは
「チェリー連4回以上したら1枚がけでしばらく回すと良い」
程度だったのだが、打っていればチェリー集中ゲーム→吸い込みゲーム→成立ゲームといったフローは容易に把握出来た。
しかし、よくよく考えるとこの小技を教えてくれたオッサンはチェリー連4回の時点で1枚がけに切り替えるというのが読み取れるし、その方法でも問題なくボーナスは成立しているわけだ。
もしかしたらチェリー集中ゲームも1枚がけで構わないのではないか。
勝手に妄想した内部のボーナス成立フローはこんな感じである。
BBに当選するorガセチェリー集中に当選する。
チェリー集中5Gへ
種ありの場合は吸い込み5Gへ
種ナシの場合は通常ゲームへ
(種アリの場合は)BBを放出
極端な話、BB成立が察知出来れば最初から1枚がけでも構わないのではないか。
もしそれが可能であれば最大で20枚のコインを得する事になる。そうなればもう立派な攻略と言っても過言ではないだろう。
この妄想はドンピシャではないにしろ近しいものだった。
実際にはBBの成立ゲームは見抜けなかったのだが、この妄想を元に色々試していると思わぬ副産物が手に入ったのだ。
3枚がけでプレイ中、2連続でチェリーが成立した際に3連目を1枚がけでプレイしチェリーが成立していた場合は100%種有。
むしろチェリーが成立していなければ記憶の中では100%種ナシであった。
これはとても大きな発見で、オッサンに教えてもらった小技は実際に使ってみると分かるのだが、パッと聞いた感じでは10枚のコインを得しそうなのではあるけれども、高確率で種アリである4連続チェリーであってもガセはそこそこある。
その場合、吸い込みゲームだと思い込んで1枚がけで消化した分は実際には通常ゲームなのでほぼ丸損となる。
なぜなら通常ゲーム中の1枚がけの間は無抽選、もしくは超低確率でのボーナス抽選となっている事は想像に難くないからだ。
更にこの原人7のチェリー集中は種アリであってもこれまたそこそこの割合で3連続で終わってしまう。
3連続の場合はガセも多分に含まれているので1枚がけは前述した通常ゲーム1枚がけをより多く回す事になるため実用的ではない。
ところが種アリを完全に確定出来る、となると話は別。
種アリなら1枚がけで+16枚得するし、種ナシなら1枚損するだけで次ゲームから通常の抽選を受ける事が可能だ。
さすがに2連の時点で種アリと種ナシの比率が1:16なんて事はないのでどう安く見積もっても得しかしない打ち方であった。
と、ここまで書いておいてなんだが、歴代の裏モノの中でも原人7は死ぬほど負けている。
その頃、収支はつけていないので正確な数字は分からないが、給料の大半をこいつにぶち込んでいた事からも200万くらいは余裕で負けているだろうし、大方、負けの記憶というものは薄らぐものなので正直400万くらいは負けてるんじゃないかと思っている。
よくパチンコ好きな人に収支を聞くと
「トントンくらいかな」
って答える人いるけどこういう人は100%負けているようにね。
「勝ってる」
と答えている人が実際は負けているレベルだからさ。(収支をつけていない人に限るけれども)
負けている、と考えている人間は想像をはるかに超えるくらい負けていてもおかしくないんだな。
そうしてこれだけ必死に色々試して、クソ負けして攻略らしき事を発見した!と思っていたのだけれども、当時、原人を打っていた人で、少し裏モノの中身なんかに興味がある人らの中では当たり前の小技だったのをネットが普及してから知りました。
言えば、最初に教えてくれたオッサンが無知過ぎたとも言えるんですがね。
まあそもそも16枚得するだとか以前にバリ効きのリプレイハズシすらしていないわけですからお話になりませんわな。