皆様、大変お待たせいたしました。


 私の今年の9月20日のブログ、そしてミクシィなどでは9月22日に「肉腫」(サルコーマ)関係のコミュニティで呼びかけさせていただきましたが、この度『サルコーマセンターを設立する会』を正式に発足させることにいたしました。


 呼びかけまでの経緯は、9月20日のブログもご覧いただきたいのですが、その後の経緯も含めお知らせさせていただきます。

 とても長くなることと思いますが、どうか最後までお読みください。


 まずは皆さんは、「がん=癌」と思っていらっしゃいませんか?

 ただ、平仮名で書いたか、漢字で書いたかの違いだと思っていらっしゃいませんか?


 実は、違います!

 これには、とても重要な意味があります。


 「がん」とは、悪性腫瘍全般のことを指します。

 その中には、血液のものを別として、「癌」「肉腫」と2種類が存在します。

 「癌」とは、いわゆる胃癌、肺癌といわれるようなもので、英語では“cancer”と言われ、主にリンパで転移します。

 「肉腫」とは、英語で“sarcoma”と言われ、主に血液で転移します。


 なので、「がん」の中には、「癌」と「肉腫」があるわけです。

 しかしながら、「肉腫」は、「がん」の1%といわれており、その「肉腫」も50もの種類に分かれ、それぞれの「肉腫」は、発症が、10万人に1人だったり、1000万人に1人だったりの、希少な病気です。

 その希少性から(患者が少ないことから)、一般的に「がん=癌」という認識があり、「肉腫」は「忘れられた」存在となっている訳です。

 なので、世界的に、「肉腫」は「忘れられたガン」本来なら「がん」と平仮名であるべきですが、「がん=ガン」とされており、日本語に最初に訳された方が、語呂の関係でカタカナを使用しましたので、このフレーズのみカタカナで表記させていただきます)と呼ばれているのです。


 よって、「癌」は「がん」の一種ではありますが、「がん=癌」ではないわけです。

 「肉腫」も「癌」と同様、「がん」の一種なのです。


 ちなみに私は、「肉腫」の中でも、平滑筋と呼ばれるものに腫瘍ができる「平滑筋肉腫」もっと詳しく言うと、後腹膜という場所に腫瘍ができる「後腹膜平滑筋肉腫」の患者です。

 最初の手術から、3年半が経ち、その間に5度の手術を経験しました(詳細は、著書『いのちのダンス~舞姫の選択~』をご覧ください)

 「平滑筋肉腫」(だけではなくほとんどの)「肉腫」は、患者が少ないため、製薬会社も薬の開発に腰がひけ、研究者も専門医もほとんどおらず、海外で開発された薬の認可も治験も遅れ、患者が転移した場所によって全国の病院を転々としており、まさしく「がん難民」の状態です。

 私の「平滑筋肉腫」には、「標準治療」がなく、有効な抗がん剤も分子標的薬もなく、腫瘍ができては取る、できては取るの、繰り返ししかありません。


 私は、この闘病生活を、自称「世界一明るいがん患者」として、「明るく楽しく建設的に!」「今をいきいきと生きる!」をモットーに、日々を大切に生きてきました。

 しかしながら、それとともに、「肉腫」のおかれている環境をなんとか改善できないものかと、思案に暮れていました。

 そこで、まずは「肉腫」を「忘れられたガン」でなくすために、それまで3年間親にも秘密にしていた「私自身が肉腫患者であること」を、日本テレビのモクスペ『5年後、私は生きていますか?』のドキュメンタリーでカミングアウトし、前述の『いのちのダンス~舞姫の選択~』を出版した訳です。

 おかげさまで、皆さんに、以前よりは「肉腫」というものを知っていただくことができました。


 では、次にどう行動すればいいか?

 まずは、ありがたいことに反響が大きく、その御礼も兼ねて、私の日々をお知らせするため、この「ブログ」を始めさせていただきました。

 そして、カミングアウト以降、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・講演会・・・と、いろんな機会をいただき、そこで、「私の思い」を訴え続けさせていただきました。

 

 そんな中、「がん患者」が集う、「リレー・フォー・ライフ」(以下、RFL)からも出演依頼がありました。

 同時に再発もわかり5度目の手術を余儀なくされ、その結果「RFLin新横浜」(2008年9月14日15日開催)には出演させていただきました。

 「肉腫患者」の私がRFLに出演するということは、「肉腫」が「がん」であるということを、他の「がん患者」の方々に認知していただく良い機会ですし、そこに行けば、なかなか出会うことができない私以外の「肉腫患者」の仲間の方々と出会うことができ、何か新たな行動が起こせるかもしれない!との、強い期待がありました。

 そして、『吉野ゆりえの「みんなでダンス」&トーク』というコーナーを開催させていただきました。


 私は、これまでの活動の中で、「肉腫患者のためには、まずどうするのか一番いいのか?」と、いつも自分に問いかけてきました。

 「特定疾患」認定(いわゆる難病指定)を求めて、厚生労働省にも伺いました。

 答えは、「肉腫」は「がん」の一種であるから、どんなに患者が少なくても、発症の原因がわからなくても、確立された治療法がなくても、治療がこの先ずっと必要であっても、「特定疾患」には認定できないとのことでした。

 ならば、「肉腫」が「がん」なら「がん」らしく対応していただきたい!というのが、私の主張です。

 日本では、「肉腫」は「癌」同様、「がん対策」をしていただいているのだろうか?

 答えは・・・残念ながら、NO!です。

 「肉腫患者」の人数の把握やデータの収集すらできていない・・・


 「特定疾患」には認定されない・・・それならば・・・

 「肉腫」の先進国であるアメリカには存在する『サルコーマセンター』を日本に設立できないだろうか?

 患者の人数が少なくても、『サルコーマセンター』に患者やそのデータを集結させ、そこで研究者や専門医が治療法や治療薬を研究開発し(研究者や専門医も育成)、身体中どこにでも転移してしまう可能性のある一人の「肉腫患者」に対し、いろいろな科の「肉腫専門医」がカンファレンスを開いて、手術・治療にあたる・・・そんな、「肉腫患者」にとって、「夢」「希望」「勇気」を持つことができる場所『サルコーマセンター』を日本に作りたい!

 こんな思いが、私の中でどんどん高まりました。


 そんな中、9月15日、出演させていただいた「RFLin新横浜」の私のコーナーで、「がん患者」さん、そして「肉腫患者」さんの前で、『サルコーマセンターを設立する会』の発足を呼びかけさせていただきました。

 すると、GISTERS(GIST患者さんの会)の方々をはじめ、そこに参加してくださった「肉腫患者」さんやそのご家族の方々が、泣きながら拍手してくださいました。

 なぜなら、それが、それぞれの「肉腫患者」の「悲願」だったからです。


 そこで、当日私に賛同してくださった方々で、『サルコーマセンターを設立する会』準備委員会を作り、私の5度目の手術を経て、この10月11月とミーティングを重ねてきました。

 それは、皆さんに「はっきりとした方向性」を打ち出すためでした。

 「すべての肉腫患者さんが、肉腫は治るという希望を持つことができ、勇気を持って肉腫に立ち向かい、自分そして家族の輝かしい未来を勝ち取るために」・・・日本に『サルコーマセンターを設立する』というスローガンのもと、『サルコーマセンターを設立する会』を正式に発足させます。

 「すべての肉(29)腫患者さんに、良い風が吹く(29)ことによって、福(29)が来ますように!」笑・・・すみません、こんなことにこだわったのは私です)

 2月9日を日本における『肉腫の日』とし、来年2009年2月9日『サルコーマセンターを設立する会』を正式に発足させる予定とします。


 全国の「肉腫患者」の皆さん、そしてご家族の皆さん、私たちは一人ではありません!

 たとえ一人の力は小さくても、たとえ患者が少なくても、その小さな一人一人の力が集まれば、必ずや大きな力となります!

 それだけではありません! 「肉腫患者」さんでも、そのご家族の皆さんでも、かつ、他の「がん患者」さんでもない、しかし、私たちのまわりにいる「心ある」たくさんの方々をも巻き込んだ、巨大な力となることを私は信じています!


 皆さん、『サルコーマセンターを設立する』ため、一緒に立ち上がりましょう!


         『サルコーマセンターを設立する会』発起人 吉野ゆりえ

                           


 まずは、「肉腫患者」さん、そのご家族の方(遺族の方も含む)を募ります。

 それぞれの「肉腫」の患者会の方とも連携を取りたいと思っています。 是非とも、代表の方(でなくとも)ご連絡ください。

 また、上記の方以外でも、この活動に強く賛同してスタッフとして参加してくださる方も、ご連絡お待ちしています。

 お手数ですが、アメブロ会員の方はそのままメッセージを、またアメブロ会員でない方はこのブログから会員となり(難しくはありません)、メッセージを送っていただけますでしょうか?

 コメントでは、個々にお返事ができませんので、ご了承ください。

 (もちろん、応援のコメントは受け付けていますので、どしどしお送りください。)

 

 メッセージを送っていただく際は、下記の項目の書き込みをお願いいたします。

 1、本名またはハンドル名

 2、区分 A、肉腫患者本人 B、肉腫患者家族(遺族も含む) C、肉腫以外のがん患者 D、その他(医療関係者、友人、その他)

 3、性別、年齢(差し支えなければ)

 4、メッセージ(1行でも結構です)

 後ほど、『サルコーマセンターを設立する会』準備委員会の者から、連絡をさせていただきます。

 ご連絡お待ちしています。