魔剣 | 映画プログレ桜田淳子

映画プログレ桜田淳子

タイトルのテーマを中心に、好きなものを書き綴ります

闘志は全く無いが、襲ってくる殺気に反応して相手を瞬殺し、しかも自分は斬ったことを意識していないという、恐るべき魔剣・夢想剣。その使い手(大河内傳次郎)と、彼を仇と狙ううちに自らも夢想剣を会得してしまう若武者(中村扇雀=四代目坂田藤十郎)をめぐる物語。

 

 

「本能に従って無意識のうちに敵を斬ってしまう剣」というこの異色な設定は、相当な破壊力。故に、余分なエピソードがくっついていることによる焦点のボケや、魔剣の極意取得や色恋のプロセスにおける描写不足も、さほど気にならない。喪神状態を具現化している大河内傳次郎と、覚醒から喪神に至る中村扇雀の演技も良い。