と言っても、話はまだ始めの方である。
二十四時間半の船旅のあと、おがさわら丸は父島二見港に到着した。
船を降りると、まず小笠原の南国的な雰囲気を肺一杯に吸い込んだ。沖縄やソロモンとは違う、またハワイとも異なる独特の感があった。
埠頭には大勢の人が出迎えに来ていた。
宿屋やダイビングショップのスタッフたちであり、ぼくはこれから世話になる民宿のプラカードを探した。
同じ時期にこの民宿に入ったのは六人だった。すでに泊まっていた客は二人、翌日に母島から一人来た。
年齢は上は六十代から下は二十代と幅広かった。
会社の社長から獣医、医学生、そしてソロモン・ドルフィン・センターの代表まで、職業は様々だった。
利用した民宿(2002年)