またしても大きな岐路に立たされた。ヒカリの教育をどうするかを決めなければならなかった。
結論から言ってしまうと、ヒカリを日本の幼稚園に入れることにした。発展途上国ソロモンよりも先進国日本の方が質の高い教育が得られるだろうと考えたからだ。
もちろんその背後には運命による導きがあったわけだが、これによってぼくは葛藤にさいなまれることになった。
ソロモンにて事業を展開しつつ、ヒカリを日本の幼稚園に通わせることは両立できそうにもなかった。
家族を日本においてぼくだけがアダコアに滞在する手もあったが、そうしなかったのはモニカとヒカリと離ればなれになるべきではないと思ったからだ。
見ようによっては夢を優先するのか、家族を大切にするのかという二者択一を迫られているようなものだった。
そしてぼくは夢を封印し、家族を選ぶことにした。
ヒカリとモニカ(アダコア―2004年)