9月2日にDVDが発売予定の映画
『くちびるに歌を』
『手紙~拝啓十五の君へ~』の作者アンジェラ・アキが五島列島の中学校を訪ねるドキュメンタリーをもとに、中田永一さんが書き下ろした青春小説『くちびるに歌を』が原作の映画です。
〈主なキャスト〉
柏木ユリ … 新垣結衣
仲村ナズナ… 恒松裕里
桑原サトル… 下田翔大
松山ハルコ… 木村文乃
塚本哲男 … 桐谷健太
〈ストーリー〉
舞台は長崎・五島列島の中五島中学校。
産休に入る音楽教師の代理の臨時教師として故郷に戻った柏木ユリは、東京でピアニストとしてその名を馳せた美女である。
都会的なユリの姿に、生徒達は色めき立つが、ユリの生徒達への態度は極端なまでに冷たいものだった。
音楽教師でありながら頑にピアノの演奏を拒み、合唱部の顧問になりながらも練習風景を見ているだけで全く指導をしようとしないユリ。しかも、それまで女子部員だけだった合唱部に、入部を希望して来た男子生徒を何の相談もなく受け入れてしまった。全国合唱コンクールを目指して練習をしていた女子部員達は、ユリに対する不満を募らせていく。
そうしたユリの様子を生徒から聞いたユリの親友で産休中の松山ハルコは、
ユリに対し「生徒達に15年後の自分への手紙を書く宿題を出すように」と指示する。歌詞を理解し、より良い歌唱に繋げる事を目的とした宿題だったが、1人の男子部員の書いた「手紙」を読んだ事で、ユリの心に変化が生じていく。
とにかく景色が美しいのです。
いまそこにどんな匂いが満ちているのか、どんな風が吹いているのかが画面から伝わってくるような…
都会とは違う、ゆったりとした時間が感じられる風景です。
そして何よりユリを演じたガッキーが素晴らしい。
無表情・ぶっきらぼう…その美貌ゆえに「とっつきにくさ100%」の女性なのに、どこか寂しそうで何かを抱えていそうなことがちゃんと伝わって来ます。
映画の中盤で、ユリが何故「そういう風」になってしまったのか、その理由が明かされるのですが、それがあまりにも切なくてたまらない気持ちになります。
ただ私は、そこから抜け出せないユリに同情しつつも、「悲劇のヒロイン」になって自分の中に閉じこもり、投げやりになって人を傷つけてしまうユリに、子供じみた印象を持ったりもしました。
物語は、合唱部員の女子・ナズナと自閉症の兄を持つサトルの2人の日常と、それぞれが抱える苦悩を描きながら進んでいきます。
ユリはあることがきっかけで、生徒達と真剣に向き合うようになり、同時に自分自身とも対峙するようになります。
やがて共鳴し合うユリと生徒達…
そして、長崎での合唱コンクールの県大会の日を迎えます。
…正直、この映画を見る前は『くちびるに歌を』という題名にピンとこなかったのです。偏見ですが、「何だか昭和初期の映画の題名みたい」と感じてしまって、その題名から「さわやかな青春映画かな」くらいに考えていたのです。
ところが、かなり深い内容で、おまけに感動的で、涙もろい私は話の序盤から泣かされてしまいました。見終わった頃には泣き過ぎて頭が痛くなるくらいに
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(ちなみに今回は女性10名での試写でしたが、全員結構マジに泣いてしまいました。)
この映画、コンクールが見せ場なのではなく、コンクールが終了した後の数分がとにかく秀逸なのです。この数分間に全てのメッセージが凝縮されている感じです。
あわわ…このままいくとネタバレしてしまう
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とにかく!
この世に生まれて来たこと、生きていることの意味
すべてのことには意味があることをきちんと心に届けてくれる結びとなっているのです。
かつて15歳だった今は大人のみなさん、
自分が15歳だった頃の事、覚えていますか?
あの頃の自分に、今胸を張って向き合う事はできますか?
あの頃の自分にかけてあげたい言葉はなんですか?
今15歳のみなさん、
15年後の自分はどんな風に生きていると思いますか?
どんな大人になっていたいと思いますか?
たくさんの人達に観て、聴いて、感じて欲しい
愛おしい映画です。
この映画を観てからアンジェラ・アキの『手紙』を聴くと、今までよりももっと深いメッセージが伝わってくるような気がします。
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