映画『白ゆき姫殺人事件』☆人間不信に陥りそう… | 『鍵のかかってない0号室』へようこそ!

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アート、音楽・映画・舞台・ドラマ、アクセサリー、フィギュア等々、ありとあらゆるジャンルにわたり、自分の「好き」について、思うがまま綴ってまいります。 時には自作の詩や物語、イラストなどもアップします。

湊かなえ原作 中村義洋監督作品

 『白ゆき姫殺人事件』

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井上真央 綾野剛 主演 のサスペンスです。

映画の紹介文は
「うわさ話や妄想がいつの間にか本当の話になっていく…
 誰もが呑み込まれる“ゴシップエンターテインメント”」


原作を読まずに観たので、最初
「なぜ白雪姫のがひらがななんだろう?」って思ったのですが、
事件の舞台となった会社の看板商品の名前
「白ゆき石鹸」になぞらえた名前なのですね。

〈ストーリー〉

化粧品会社の美人OL・三木典子(菜々緒)がメッタ刺しにされた上、燃やされて黒こげになって発見されるところから物語は始まる。

テレビワイドショー制作会社の契約ディレクターの赤星(綾野剛)のもとに、知人の狩野里沙子(蓮佛美佐子)から事件の情報が寄せられると、ネットで注目を浴びたい赤星はその内容をTwitterでつぶやき、注目を集めるようになる。

調子づいた赤星は、ワイドショーの特集を組むべく取材を始め、殺された典子の同僚で、
狩野が「犯人ではないか」という、地味なOL城野美姫(井上真央)について関係者に聞き回る。
そこで得た情報や個人的な感想を逐一Twitterでつぶやく赤星。
やがてそれに答えるように、ネットでは美姫の実名や出身校が暴露されて行く。

赤星がワイドショーで放送した内容は、美姫を犯人と決めつけたようなつくりになっていたが、それをみた大学時代の友人が番組に抗議文を送り、番組の内容が事実と反すること、赤星がそうした内容をTwitterでつぶやいていたことが上司の知るところとなる。

思いがけず殺人犯として世間から注目される存在となってしまった美姫…
果たして彼女は本当に典子を殺した「魔女」なのか?


…とまあ、ネット社会の怖さ、マスコミの無責任な報道、群集心理の愚かさ
といった現代の病理を描いた「エンターテインメント」なのですが…

誇張はされていますが、
「あ~、あるあるある。こういうこと。」
「あ~、いるいるいる。こういうヤツ。」
って思わず苦笑いしながら観てしまいました


誰もが冤罪を作り出す「加害者」になり得、誰もがその毒牙にかかって「被害者」になり得るSNSの怖さ、危うさが満載の映画です。

それにしてもね、あんなに可愛い井上真央ちゃんが、地味で暗くて「ちょっと変な感じ」の女性を見事に演じていて…女優ってスゴいなと思いました。
菜々緒チャンは、なんというかパブリックイメージ通りの役どころで、ちょっと気の毒と言えば気の毒な感じだったかなぁ

菜々緒チャン演じる典子は、「本当にここまでイヤな女が世の中におるんかい!(突如変な関西弁でスミマセン)」って感じで、まぁ遅かれ早かれいつか誰かに殺される運命だったんでしょう。

毎度のことながら、綾野剛さんは役によって毎回全然違う人間になりきってしまうのがスゴい。今回の「赤星」のダメダメぶりは、もう見事としか言いようがありません。私には絶対許せないタイプの人間のクズ男でした


とにかく!赤星を筆頭に、美姫に関して証言する関係者が、また誰も彼もイヤなやつばかりで、見ていてムカムカしっぱなし


同じ場面を証言しているのに、証言者によって細かい部分が微妙に違っているという演出もうまいな~と感心しました。
人間てそんな風に自分中心に、あくまでも自分に都合良いように記憶をねじ曲げているんでしょうね。

事件は物語の終盤で思いがけず大きく方向が変わります。立場の大逆転もあり、ここでもまた「ネット」の怖さと、それに振り回される人間の愚かさを思い知ることになります


どんな結末かは是非DVDを観て楽しんで下さい。
スカッとするとは言えませんが、若干の救いもあり、たぶん後味はそんなに悪くないと思います。

主役の2人はもちろんですが、脇を固める役者もいずれ劣らぬ実力者ばかり。
見応え有りの映画です。


DVD とブルーレイは9月3日発売です。

今宵のBGMは  


    中森明菜  の  『十戒』


おやすみなさい






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