臨床って… | Aussie Physio (オーストラリアの理学療法)

Aussie Physio (オーストラリアの理学療法)

日本で理学療法士として働いた後

オーストラリアでPhysiotherapist (理学療法士)になるために渡豪

そんな日々の中での気づき

臨床って…

きっとたくさんのバリエーションがこの文章に続くと思います。

楽しい。難しい。疲れる。わからない。などなど

最近の自分は、臨床って…難しいです。

患者さんを良くしたいっていう一心で働いている日々ですが理学療法士としてできることには限界がある、(例えば、Red Flagを有する患者さんに対して、理学療法以外でのマネジメントが必要であるとされています。)とオーストラリアの筋骨格系の患者さんを診る際に習うことがあります。

(…ここで諦めたくないんですが、正直自分の実力ではまだまだこの教えを覆せません。)


中でも、Red Flag(例えば中枢神経系の症状、筋のスパスティシティーなど)まではいきませんが、特に面白いと同時に、難しいなと感じるのは神経系の症状を訴えてくる患者さんです。


下肢や上肢のしびれ、放散痛など、明らかに神経系に関する症状の場合、単純な筋や関節の固さや
トリガーポイントに比べると、症状の改善に時間を要します。今の段階で感じてるのは、自分の評価の妥当性の低さがその要因の一つだと感じています。


例えば、若い男性で、徐々に座骨神経領域と腰部にに疼痛、感覚異常などを感じて来院された患者さ
んで、問診時に急性な受傷機転(重い物を持ち上げたなど)を訴えない場合、過度の外傷ストレスに
よる発症というよりは、姿勢や生活習慣、どのように体を使っているかなどによるものが大きいよう
に思われます。

そのため、画像所見(MRIやCTスキャン)なしで、これが腰椎椎間板ヘルニアによる神経根圧迫症状なのか、梨状筋の固さによる座骨神経の圧迫が原因なのか、それともFacet joints の退行性変化による圧迫なのかなど、まだまだ動作や各々の評価からの判断でtissue specific (特異性の解剖学的要因)を見極められていないように感じます。関節の問題と筋の問題についても、疼痛を訴えるさいにどちらが優位なのか、それらの見極めもまだまだ100%ではありません。


他にも、もし中枢感作や末梢感作が確認された場合、例えば上肢のNeurodynamics testにて、橈骨神経、尺骨神経、正中神経などのテストが陽性、または下肢の座骨神経がSLR やSlump testで陽性と判断された場合、それらの伸張性や可動性のエクササイズを行い、同時に神経根が通過するレベルの椎間関節に徒手療法としてトラクションなどをかけてあげたとしても、短期の効果は見られたとしても、長期の効果がみられにくいことなどを経験しています。きっと長期効果を期待するには、生活習慣や姿勢の細かい指導などがより重要になってくると感じていますが、それらを加味したとしてもまだまだ望んでいる効果が得られているという域に達していません。


こうやって書いていくと、自分にどんな分野の勉強が必要なのかみえてきますね(自己満足ですいません)。


オーストラリアで働き始めて半年、まだまだたくさん学ぶことがありますが少しずつでも目の前の患者さんを改善し、貢献していけるよう頑張ります。