Aussie Physio (オーストラリアの理学療法)

日本で理学療法士として働いた後

オーストラリアでPhysiotherapist (理学療法士)になるために渡豪

そんな日々の中での気づき

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腰痛に伴った下肢症状は臨床上とても頻繁に遭遇する所見であると思います。今日はその下肢症状に対する病態の理解として、文献などの知見を踏まえて考えていきたいと思います 。

 

まず、腰痛に伴った下肢症状と聞くと、椎間板ヘルニアや狭窄症などによる神経根症状ではといった考えが頭の中に浮かぶ かと思います。

 

Schafer et al. (2009) 1らによって報告された分類分け(Classification)では、腰痛に関連する下肢痛は大きく分けて以下の4つに分類されています。

 

·      中枢感作 (Central Sensitization:CS) – 主に感覚的な感作症状

·      脱髄症状 (Denervation: D) – 中枢感作が認められず、脱髄症状が認められるもの

·      末梢感作 (Peripheral Sensitization: PS) –脱髄症状が認められず、神経幹(Nerve Trunk)の炎症によるもの

·      筋骨格系由来 (Musculoskeletal: M) – 神経組織に由来しないもの(椎間関節や椎間板など)の関連痛によるもの

 

これは、一見混同しがちな下肢症状を訴える患者さんの治療・マネジメント方針を決定する重要な要素となります。例えば、中枢感作の患者さんに対しては一般的に行われる関節モビライゼーション、筋・筋膜のリリース、マッサージなどを行うと、Wind up などと呼ばれる現象が起こり、刺激を加えれば加えるほど痛みが増加して行くという現象が見られます2

 

 そのため、従来の組織的なアプローチのみではなくCSに関与している要因に対してのアプローチが重要となってきます。以下の図 (FIGURE 1)は文献の中で紹介されているアルゴリズムです。

 

 

 

Schaferらの論文では、中枢感作 (Central Sensitization:CS)の決定要因としては Leeds Assessment of Neuropathic Syndromes and Signs (LANSS)と呼ばれるスクリーニングツールを使用することを勧めており、これで12ポイント以上の場合CSが存在するとしています。

 

ただし、LANSSはNeuropathic pain(神経障害性疼痛)をスクリーニングするためのものであり、CSは臨床上Neuropathic pain が存在しない患者さんにも認められます。

 

少し難しいのが、Neuropathic painとCSは何が違うのかというところですが、Neuropathic pain とは神経障害性の痛みであり、痛みの特性としては焼けるような痛み、電気が走るような痛み、かゆみなどとされており、神経の病変や外傷を伴うものとされています。そのため、CSがあるからといってNeuropathic painがあるとは限りません。逆に、Neuropathic painなどによる C繊維からの侵害受容刺激の断続的なインプットによりCSが引き起こされやすくなるともされています3

 

次に、脱髄症状の判断基準としては、上記のCSが認められず、神経学的検査(深部腱反射によって消失もしくは弱化、神経根領域の筋出力低下、デルマトーム領域の感覚異常)にて二つ以上陽性、AROMにて下肢痛再現、神経誘発テストにて陽性などがSchaferの分類では挙げられています。

 

ただ、2013年にNezariら 4によって発表されたシステマティックレビュー・メタアナリシスでは、椎間板ヘルニア患者の下肢症状に関して、感覚障害の神経学的検査では、Low Sensitivity (0.40; CI 0.38, 043) Moderate Specificity (0.59; CI 0.51, 0.67) 、筋出力低下ではLow Sensitivity (0.22; CI 0.21, 023)  High Specificity (0.79; CI 0.77, 0.80)、深部腱反射ではLow Sensitivity (0.25; CI 0.22, 028) High Specificity (0.75; CI 0.73, 0.78)と発表されています。

 

これがどういうことを示しているかというと、神経学的検査では陰性(Low Sensitivityということは、偽陰性になる可能性が高い)であっても椎間板ヘルニアによる神経根障害(この文献では手術やMRIなどによる構造的な確認と比較して)を持ち合わせている可能性があるが、もしこれらのテストで陽性であればその下肢症状が椎間板ヘルニアからのものである可能性が高い(High Specificityとはその症状が存在する場合にTrue Positiveである場合が高い)ということです。

 

他の文献では、頸部神経根症状に関連する上肢痛に対する評価として、同様に上肢のデルマトーム領域の感覚障害、マイオトーム領域の筋力低下・筋萎縮、一側における深部腱反射の消失の3つを持ち合わせることによって神経根症状由来によるものとしています5

 

これらの要素がない、もしくは脱髄症状というには上記の神経学的検査によって全ての条件を満たしていない場合には、Schaferらは末梢神経感作(Peripheral Nerve Sensitization)としており、これは機械的刺激に対する感受性が過敏になっている状態を示しています。

 

そのため、SLR(坐骨神経)やProne Knee Bend test(大腿神経)などのNeural Tissue Provocation Test(神経誘発テスト)によって痛みや症状が再現されたり、Nerve Trunk Palpation(神経幹の触診)による痛みの再現など、普段では痛みとして感じられない刺激で痛みを感じてしまう状態を示しています。

 

そのため、SLRが陽性の人が全てヘルニアを有しているわけではないということは、PNSを理解することによってその一因として説明することができます(もちろんこれが全てではありませんが)。

 

最後に、PNSも陰性である場合には、腰痛に伴った下肢痛は椎間関節、筋・筋膜性などの筋骨格系由来による関連痛によるものではないかという考えに至ります。もちろん、これら全ての症状が、常に患者さんの中で明確に分かれて存在しているわけではなく、これらのことが混在していることによって判断が難しい場合もあると思いますが、これらの考え方を知っていることによって適切なマネジメントが行いやすくなると思います。

 

これらの鑑別診断についてはオーストラリアの理学療法士も難渋することが多く、僕もまだまだ勉強していかなければならないと感じていますが、こういったことを少しでももっと勉強したい方は、7月に日本でお話をさせて頂く機会を得ましたので

ここからお申し込み下さい。今まで僕が学んできたことをみなさんにシェアさせていただければと思います。

 

こういった情報が少しでもお役に立てれば幸いです。今日も読んでいただきありがとうございました。

 

 

文献

 

1.         Schafer A, Hall TM, Ludtke K, Mallwitz J, Briffa NK. Interrater reliability of a new classification system for patients with neural low back-related leg pain. J Man Manip Ther. 2009; 17(2):109-17.  DOI:10.1179/106698109790824730.

2.         Staud R, Vierck CJ, Cannon RL, Mauderli AP, Price DD. Abnormal sensitization and temporal summation of second pain (wind-up) in patients with fibromyalgia syndrome. Pain. 2001; 91(1-2):165-75. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11240089.

3.         Woolf CJ. Central sensitization: implications for the diagnosis and treatment of pain. Pain. 2011; 152(3 Suppl):S2-15.  DOI:10.1016/j.pain.2010.09.030.

4.         Al Nezari NH, Schneiders AG, Hendrick PA. Neurological examination of the peripheral nervous system to diagnose lumbar spinal disc herniation with suspected radiculopathy: a systematic review and meta-analysis. Spine J. 2013; 13(6):657-74.  DOI:10.1016/j.spinee.2013.02.007.

5.         Tampin B, Briffa NK, Hall T, Lee G, Slater H. Inter-therapist agreement in classifying patients with cervical radiculopathy and patients with non-specific neck-arm pain. Man Ther. 2012; 17(5):445-50.  DOI:10.1016/j.math.2012.05.001.

 

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今回の記事は結構長いですのでお時間があるときにでも!

 

大学院が始まって約4週間が経過しました。

 

今年はAdvanced Musculoskeletal Science Assessment (AMSA)とAdvanced Physiotherapy Clinics (APC)という科目を1学期目で履修しています。

 

APCでは文字通りクリニックで実際の患者さんの治療・マネジメントをするということになりますが、4月の後半までスタートしないので現在はAMSAのみです。

 

この科目はクリニカルリーズニングから始まり、現在は頸部、腰部の評価を学んでいるところです。

 

カーティン大学の学士で一通り習ったことを復習しながらといった感じなので、今のところは手技的に目新しいことはあまりありませんが、特に面白いなと思ったことはクリニカルリーズニングの授業でした。

 

僕らが患者さんを目の前にして、診断名を出す際に行われる臨床思考過程のことを言いますが、僕が臨床上あまり深く意識せずにやっていた事を再度整理することができましたので 紹介させてもらいます。

 

クリニカルリーズニングの方法にはいくつかありますが、中でもInductive (帰納的)Hypothetic-deductive (推論的) Reasoningというものがとても興味深かったです。もしクリニカルリーズニングに興味のある方は英語ですが、Mark A Jonesnによって書かれたこちらの記事をご覧ください。

 

 

Inductive (帰納的) Reasoning

 

言葉だけ聞くと少しわかりにくいですが、前者のInductive クリニカルリーズニングの場合、今まで見てきた患者さんの中から似たようなストーリーを聞くと、おそらく診断名はこれではないかという推測に達するものを言います。

 

例えば、16歳女性、バスケットボールの練習中に膝が Knee in Toe out で着地。

その瞬間に激しい痛みと、極度の腫脹が膝の周りに出現。この情報を問診の際に得た時点で、Pattern Recognition と呼ばれる以前に見たことがある、もしくはどこかで学習したことがあるというパターンの識別が行われます。この症例でいえば、“ACL外傷”なのではないかと身体的評価を行う前に推測を立てることになります。

 

これは、経験した症例数が増えれば増えるほどパターンの識別が容易になり、問診から推測される診断名を確認・否定するための、身体的(理学療法)評価も必要なものに絞って行うというような流れになります。トップダウン式というような考え方になりますが、こちらの方法では不必要な評価を省くことができるため、時間短縮できますが、もしパターン識別が間違っていた場合に、リーズニングのエラーが起こりやすいといった可能性があります。

 

 

Hypothetic-deductive (推論的) Reasoning

 

こちらは、いわゆるボトムアップ式です。膝に関する様々な評価を行い、それらの結果から統合して診断名が何か考える、という過程になります。先ほどのInductive との違いは、評価をする際により多くの評価項目を網羅するため時間がかかる、多くの評価項目がImpairment として挙げられる場合に、何がその患者さんの主訴に関連していて、何が関連していないのか不明確になる可能性がある、などが挙げられます。

 

経験値の高いフィジオセラピストは、これらのInductiveと Hypothetic-deductiveのリーズニングを、患者さんの状況に合わせて変化させているとのことでした。例えば、先ほどのようなACL損傷のように受傷機転が明確で、何が問題か明確な場合にはInductive リーズニングを行いますが、以前見たことがない、もしくはパターン識別にそぐわないケースでは、リーズニングのエラーを防ぐためにHypothetic-deductiveリーズニングにスイッチすると説明されていました。

 

自分が働き始めたばかりの頃は、診断ミスを起こさないようにHypothetic-deductiveリーズニングを行なっていましたが、症例数を重ねることによってパターンの識別ができるようになり、今では多くのケースでInductive リーズニングを行なっています。

 

 

ただ、自分が疑問に思っていたのはどのようにしてリーズニングのミスが起こってしまうのか。

 

きっと理由はひとつではないのですが、昨日腰痛の治療・マネジメントでも世界的に有名なピーターオサリバンの授業があり、様々な面白い知見を知ることができました。

 

中でも本当にそうだなと思うのは、僕ら医療者が慢性痛などの多くの問題を作り上げてしまっている可能性があるということ。これは、オーストラリアのクリニックで働いていてつくづく思うのですが、患者さんを取り巻く環境にいる人たち(家族、友人、そして僕たち医療者)が患者さんに与える情報がいかに予後を左右し得るのかということを感じています。

 

近年、エビデンスによると基質的な変化(例えば退行性変化や椎間板ヘルニア)などは、痛みとの関連性が低いと報告されてきています(こちらから)。しかし、僕たち医療者が例えば、この関節が硬いから、この筋肉が硬いからこうしなければいけないというような説明を患者さんにしたとします。そして、それらの説明をするために行う身体的評価では、自分の治療手技や診断名の推測に当てはめるための問題点を探します

 

英語では “We find what we look for ”という表現を使ったりしますが、例えば関節のマニピュレーションが得意なセラピストは、脊柱のアライメントのどこがずれていてという評価方法で自分のアプローチする点を探し、筋・筋膜に対してのアプローチではトリガーポイントや高密度化を探し、バイオメカニックスのアプローチでは全身のアライメントの不慮を探し・・・そして、おそらく必ずと言っていいほど僕らは自分らの“予測と見合った問題点”を見つけることができます。

 

勘違いして欲しくないのは、僕はこれらのアプローチを否定しているわけでは全くありません。僕もこれらのアプローチを使います。ただ、僕ら医療者が何かの手技を行うということは、少なからずそういったバイアスがかかってしまう可能性があり、それらのバイアスの元に患者さんに説明をすることが患者さんの状況を複雑化させてしまう可能性があるということです。

 

 

きっと、言ってることがよくわからないと思われるかもしれませんが、つい先日きた僕が担当した患者さんの例を紹介します。

 

 

27歳の男性、2006年(当時16歳)にクリケットの練習中に腰痛が発症しDr受診。MRIにて腰痛椎間板ヘルニアと診断される。当時、痺れや下肢症状はなく、腰痛のみであったが理学療法受診し、改善。時折腰に痛みが出るが、エクササイズなどに支障はなし。

 

2016年10月、ジムでの100kgのベンチプレスをしている際に腰に急激な痛みと違和感を感じた。下肢にも痺れが数日ほど出たが下肢症状改善するも腰痛が改善せずレントゲンにて腰椎分離症が見つかる。

 

その後、カイロプラクティック受診し、2ヶ月で20回の治療を受けるが、治療をする度に症状が悪化し、他のフィジオセラピスト受診。鍼治療、腹筋のコアトレーニング、姿勢の改善、ウェイトトレーニングなどの指導を受けるが痛みが改善せず。最終的にフィジオに6週間完全に休息するように伝えられ、仕事を休むも腰痛に改善は認められず。

 

その後、Neurosurgeon (神経系の外科医)を受診し、MRIを施工。グレード1の腰椎すべり症と診断されるも、手術の適応外であり再度フィジオを受診するようにと言われ、腰椎コルセットを2ヶ月間付けたまま休息することによって痛みが多少和らいだが、まだ改善しないために僕が働いているフィジオクリニックを受診しました。

 

これらのストーリーから察することができるのは、複雑な要因が絡み合って痛みが助長していることが見て取れるかと思います。 まずレントゲンやMRIによって基質的な変化が見つかっていることにより、患者さんの中では自分の腰は脆いものだという考えがあったこと。カイロプラクターによって脊柱のアライメントの不慮によって痛みが起こっていると教育され、フィジオによってコアスタビリティーが必要だと言われ、6週間活動を避けるように教育され、患者さんは神経外科医に手術をしてでも痛みが治るのであればお願いしたいと思っている状況まで追い詰められていました。

 

精神的にも本当に辛い時期だったようで、自分の腰が良くならない状況に鬱や不安になり、さらにそれらの要因が痛みの遅延につながっていました(慢性痛についての記事はこちらからご覧ください)。

 

そのため、僕の役割としては患者さんを徒手的な手技で治療を行うというよりは、しっかりとした問診、身体的評価を行い、今まで患者さんが医療者に説明されてきた評価内容において、“何が患者さんの問題にとって関連があるのか、そして同時に何が関連がないのか”を一緒に探し、それを教育することが重要だと感じました。どうして何が関連がないのかを探すことが重要なのか。それは、きっと様々な問題点が陽性(例として関節が硬いや筋肉が硬い、SLR陽性などなど)として出てしまった場合、さらに患者さんに不安を与える要因となり得るからです。

 

そして問診の中で、患者さんのCore Belief (最も問題の原因となっていると自分が信じていること)を聞くと、腰痛の基質的な問題:分離症による痛みのため、腰を曲げたくない、または何かを持ち上げるのが億劫だということでした。

 

このBeliefを確認することは、おそらく慢性的な痛みを有している患者さんに対して最も重要な部分であると感じています。こちらがどのような素晴らしい手技を提供しようと、どのような説明をしようと、このBeliefが Maladaptive なもの(不適合)である場合、結果が出にくいことが予測されます。

 

先ほども述べましたが、近年のエビデンスにおいて基質的な変化と痛みには関連性が低いと出ています。それらの説明はもちろん大切ですが、この患者さんが実際に経験している痛みの機序がどの要因によって影響されているのか、それらの確認作業として身体的な評価を行っていきました。

 

この状況下では、先ほど述べたInductive とHypothetic-Deductive リーズニングの割合としては、個人的な意見としてはどちらかに偏ることはできないと思います。それは、すでに色々な医療職者を見てきているために、様々な説明をされてきている、その中で全ての評価(Hypothetic-deductiveの方法)を行うことは、さらなる混乱になる可能性もある(ここで難しいのが、先ほど述べた “We find what we look for” という考え方で、自分が得意としている手技を有する人は、その手技に沿ったクリニカルリーズニングを行うためにバイアスのかかった評価を行ってしまう可能性があります。その理由づけを患者さんに説明することによって、患者さんの中では痛みの要因が、またさらに組織的なもの (Tissue Dominant)からきているという考え方になる可能性があります。

 

ここで気づいていただきたいのが、今まで色々な組織的なものからくる説明を受けてきた患者さんにとって、さらにこれが“違う治療手技の考え方による違った組織的なものからくる痛みだ”という説明をすることのリスクを考える必要があります。そういった説明をされた場合に、患者さんの中では“じゃあより良い画像所見でその組織の損傷を見つけることが必要だ。”だったり、“その組織に沿った別の治療が必要だ“というような思考過程になることは、臨床上非常に多く経験します。

 

ここで、例えば痛みが組織的なものからだけではないとしたら。より一層患者さんのBelief というものに負の影響を与える要因となってしまいます。

 

そのため、評価として重要になってくることは、患者さんのBelief である脊椎分離症やすべり症などの画像所見による診断名が、どれほど臨床兆候として実際に患者さんの機能障害や神経的に影響を与えているのかを判断すること、そのことによって患者さんの Beliefによる不安というものを改善することにより、何かしらの改善が認められるのではないかと考えられました。

 

神経系の評価では神経根のレベルに沿った筋力の評価や、腱反射による神経系伝達機能の評価をし、神経系に障害がないことを確認しました。また、これらのことは理学療法適応内なのか、それとも医師などへの紹介状が必要なのかを判断する上でも重要となります。これらの神経系の評価は、下肢症状が出ている場合には重要ですが、今回は下肢症状の訴えはありませんでした。ただ、本人の以前の椎間板ヘルニアや分離症などの Beliefから、本人に再考してもらいたい意味で行いました。

 

神経系のテストにおいて陰性であること、 Motion Palpation Testと呼ばれるテストにおいて腰部の動きを確認したところ患者がリラックスした状態では痛みなく腰部の動きを出すことができること、Symptom Provocation Testにおいて若干の痛みはあるものの、同様の痛みが主に筋性の部位より再現されていることなどから、上記の診断名が原因で痛みが助長している可能性が低いことを再度本人に伝えました。

 

また、機能的な問題としてアイロンを5分ほどすると毎回腰部に痛みが生じることから、本人のアイロンをかけている様子を模倣してもらいました。そこで数分立位を保持していると腰部の痛みが再現されました。触診から、浅層の腰部脊柱起立筋に痛みが生じており、骨盤はほぼ正中位でそこから全く骨盤を動かすこと(脊柱起立筋を弛緩させること)ができませんでした。腹部の筋も全く弛緩することができず、どうしてそのようなストラテジーを取っているのか尋ねたところ2006年の椎間板ヘルニア以来10年以上腹部を固めてきていたようでした。当時はそれが腰痛を改善させるために必要な方法であったのかもしれませんが、現在の腰痛に対して効果的ではありませんでした。

 

また、今回の分離症という診断から、より一層腹部の筋を使って固めるというストラテジーが、痛みを慢性化させている一要因となっていました。また、上記したようにストレスであったり、睡眠障害などのイエローフラッグと呼ばれるものも考慮しなければなりません。ここでその詳細については書きませんが、慢性痛を有する患者さんに対してのクリニカルリーズニングでは、このように多方面での要因を統合し、それに対する治療・マネジメントが必要とされます。

 

僕もまだまだ学ぶことは沢山ありますが、このような情報が少しでもなんらかの役に立てれば幸いです。長い文章を最後まで読んで頂きありがとうございました。またこちらの大学院で学んだこと、臨床の経験などをシェアさせてもらえればと思います。

 

 

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つい先日、 オーストラリアスタディーツアーと題して6人の日本人理学療法士の方々(学生一名)がパースに来てくださいました。内容としては、パースにある  Sir Charles Gairdner病院見学と僕が実際に働いているクリニックの見学、そしてパース観光を楽しんでもらいました。

 

色々とお世話になっている岩田研二さんのブログにツアーの様子が載っていますので興味のある方は是非彼のブログをご覧ください。また来年も行う予定ですので、興味のある方は是非ご参加ください!

 

日本で様々な分野で活躍されている先生方、また学生さんながらも国際的な活動をされている方もいて本当に刺激的な時間を過ごさせてもらいました。僕がこちらで活動していることが、何らかの形で日本との理学療法士の方々への架け橋となれればいいなと強く思いました。

 

そんな充実した時間を過ごさせてもらった12月ですが、そろそろ2016年も終わりに近づいているということで、自分の中のこの一年の心境だったりを書いていこうかなと思います。

 

 

 

2016年の一年間は、自分にとっても色々なことがあった一年でした。以前のブログにも書いたように、本当に自分にとって大事だった人を傷つけてしまい、何を大事にしていけばいいのか迷った一年。今年は大学院を本来であれば終える予定であったのに、大学側が海外留学生を入れすぎてしまい、履修科目に登録ができず、一年間の Gap Year  (休学)となってしまった年。そんな中でも以前働いていた職場の上司が独立をするということで声をかけてもらい、一緒に新しいクリニックの立ち上げを手伝わせてもらうといった貴重な経験などをさせてもらいました。

 

 

また、9月には日本でご活躍されている福井勉先生のメルボルン講演会にお邪魔させて頂き、海外で自分のオリジナリティを出していくことの重要性、そしてそれを背負って戦う福井先生の姿に本当に胸が熱くなり、その夜一人で興奮して眠れなくなったのを覚えています。ただ言葉にするだけでなく、背中で語ってくれた福井先生のような素晴らしい理学療法士がいる日本をとても誇りに思いました。

 

 

そして、11月には自分の大事な友人であり、人生の先輩であり、お兄ちゃん的な存在の友人と旅行に行って来ました。詳しいことは書きませんが、今回の旅行には理由があり、もちろん一緒に観光ができたことも楽しかったですが、本当に意義があったのは、お互いの心境やこれからのことなどを沢山話せたことだと思います。彼は、僕が自分の存在が人に影響を与えていることに対してより自覚を持つようにとも教えてくれました。自分は自分だったし、特別な存在って思ってもいないけど、客観的に自分のことを見てくれている人がいること、そして自分がオーストラリアで働かせてもらっているということをもっと還元していければと強く思いました。

 

 

このように自分がオーストラリアで働かせてもらっているということで色々な出会いがあり、素晴らしい経験をさせてもらった Gap Yearとなりましたが、来年からは残りの修士課程も始まり、より多くのことを学ばせてもらう年になると思います。僕はオーストラリアで再度資格をとり、こっちで働いているということで一見自分のやりたいことがわかっているように見えるかもしれません。でも、僕も日々自分の中での心境の変化があり、何が正しいのか、何をしたいのか、これからどうなっていきたいのか、それが変わっているのも事実です。ただ、この一年を通じて思ったのが、自分が今こうやって生きて何かしら形を残していくことが出来ていることは、多くの人が望んでも叶えることが出来なかったことでもあると思うと、本当に一生懸命に生きることが大事で、小さなことでもいいから自分が存在したことの意義を感じて生きていければなと思いました。

 

 

まだ少し早いですが、皆さんにとっても実りのある一年であったことをお祈りしています。来年も素敵なことも、辛いことも全て意味のある年になるよう人生を楽しんでいきましょう。

 

 

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丸7年

昨日は自分が2009年に日本を発って丸7年でした。

7年前、まだ自分がどうなるかもわからずに、ただオーストラリアで理学療法士になりたいといった気持ちだけで飛び出していった24歳の冬。

つい先週まで日本に帰国していたこともあり、色々なことを感じた一年になりました。日本の理学療法のこと、自分の未来のこと、そして自分の家族のこと。

今回の帰国は、本当に色々な出会いがあり、今まで自分が行ってきたことを客観的に見ることができた良い機会になりました。当初の目的は、オーストラリアで理学療法士になること。その夢を叶えるために必死になった4年半でした。楽なことの方が少ない道のりでしたが、失ったものと同じくらい得たものもある人生の転機となった数年でした。

その夢を叶えた後は、理学療法士としての技術と知識をより伸ばしていくこと、そういった意味で大学院にも入学し、現在も継続しているところですが、今度はそれを終えるとどうしたらいいのだろう。正直そういった気持ちがでてきました。



僕には6年間近く付き合っている彼女がいました。大学院に進学するかどうかを考えている時も、もちろん自分の知識と技術の向上のためといった理由はありましたが、その人は国外から来ていたため、その人の国で働くとなると将来的にオーストラリアの修士などの資格があると仕事も見つかりやすいだろうし、色んな面でプラスになるだろうと思って進学したのですが、実はそれがその人にとっては本当に嫌だったようで。。。

仕事と大学院の両立ということもあってやはり平日などはあまり時間を過ごしてあげることができず、結局すれ違いになってしまい別れてしまいました。その時、自分はなんでそういったことを犠牲にしてまでこんなに勉強しているんだろう、と正直思ってしまいました。ただ、やはり臨床にいると、オーストラリアでも日本人の自分を患者さんが必要としてくれる、そういったことが本当に支えになって、やっぱり自分はこの仕事が大好きなんだなぁって思うと、進学して良かったし、今はその人とのタイミングじゃなかったんだと思います。

どうしてこういった話をするかというと、オーストラリアで理学療法士になるといった目的はもちろん一番最初にありましたが、やっぱり僕らも人間で、何か目標を達成しようとしてる中で色んな人との出会いがあり、今後僕のようにオーストラリアに来ようと思っている方々も、少なからず何かを犠牲にしながら前に進んでいくことになると思います。決して楽な道のりではないですが、何が正解で、何が間違えってことはなく、それを楽しみながら、苦しみながら進んでいくと、ふっと振り返ったときに自分の歩んできた道が自分をどこまで運んできてくれたのかが見えてくるんじゃないかなって感じました。

日本にいるPTのみなさんは、やっぱり勉強熱心で自分もまだまだ沢山勉強しないといけないなぁと感じる帰国になりました。今後も自分は自分のペースで色々な情報発信をしていければなと思います。今日も読んでくださりありがとうございました。

江戸英明
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久しぶりの更新です!

最近の自分は大学院の一年目が終わり

色々なことがあった一年だったなぁと振り返りながら

日々の仕事と適度な運動を楽しんでいます

今日は当たり前の作り方って題名

当たり前ってなんだろうって思うかもしれないですが

当たり前の反対はありがとうとかそういった話ではないです


僕らが今当たり前に行ってることは

ずっと最初っからできたことでしょうか

車を運転すること

言葉を話すということ

5km 止まらずに走れるようになること

聞き取れなかった英語が聞き取れるようになること


きっと数えたらキリがないくらいの当たり前を

僕らは1日を過ごす中でこなしていると思います


ただそれができるようになるまでは

何十回、何百回、何千回といった失敗を重ねて

そこにたどり着いたんだと思います


じゃあそれが突然当たり前になるのか

きっとそんなことはなく

何度も繰り返していくうちに

あれ、なんかできるようになってるって感じるんだと思います

そしたらそれが今度は苦労ではなく

当たり前にできるようになってくる


でもそこのレベルに達するまでに

多くの場合やめちゃうんじゃないかなって思う

やっぱり僕もそんなに気持ちが強い方じゃないから

本当に続けることを意識しながら

そうしないと当たり前にたどり着く前に終わっちゃう


今こうやってオーストラリアで働くことも

始めたばっかりの頃は全くできなくて

失敗だらけだったけど

意識しながら続けていくことで

今働けるようになった

それが当たり前ってのはおかしな話だけど

だけど最初ほど言語とか

コミュニケーションって意味で苦労しないようになった


当たり前にできるようになるために

僕らは一体後どれくらいの時間が残ってるのだろう

生きているうちにあと何回失敗する機会があるのだろう

一体どれくらいの人が自分がやろうとしてることに

向かい風を吹かしてくるんだろう


一体いくつの当たり前を自分の人生に作ってけるんだろう

そしてそれがいつかはみんなの当たり前になるように。。。


そう考えると今やってることで当たり前になって欲しいこと

限られた時間の中でそれを続けていくこと

それが一つの人生の楽しみ方なのかなって思ってます


人生有限



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