イタリアのコンクール体験記②当日、結果発表 | Someday in the music

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②コンクール前日〜当日、結果発表

翌日、早朝ホールに向かうとまだドアが閉まっていました。練習も出来ないので町を散策する事に。

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(奥に見えるのが町)

再びホールに戻ってくるとドアが開いていたので、中に入って見ました。丁度主催者の一番偉い方が居て、英語が話せる方だったので練習できるか交渉した所、ホールで弾いていいよと言ってくださりました。丁度誰も居なかったので、後から他の参加者が来るまで一人で練習させて貰いました。

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(コンクール会場)

練習場所は3ヶ所あり、その内2ヶ所は室内楽やソロ楽器用の伴奏者のために使われていました。ピアノソロが使えるのは1ヶ所で、30分毎の予約でした。
夜に予約して、それまでホテルで休もうかと考えていると、送迎車内で一緒だったオペラ部門に参加する方達に声を掛けられました。これから車でビーチに行くそうで、一緒に行かないかと誘ってくださり、1人では行けない場所なので、せっかくの機会だと思い連れて行ってもらう事にしました。

彼らは中国人で、歌の先生ご夫妻とその小さい娘さん、案内役のとしてイタリアに留学中の大学生と一緒にこのコンクールまで来たようでした。彼らは全く英語が話せないので、スマホの翻訳機能を使ってたどたどしいコミュニケーションを取っていました。でもとても気さくな人達で、一緒に観光できてとても楽しかったです。

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(フロリダのビーチとはまた違った美しさのエメラルドの海)

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(面白い模様の崖)

送迎の都合で4時間ほどビーチに居なければなりませんでしたが、崖の上に続く坂を登りジェラートを食べ、そこで現地の人と沢山お話をして良いリフレッシュになりました。何より美しい風景を見てイタリアの空気を目一杯感じる事が出来て、コンクール前日でしたが、たくさんのインスピレーションが湧いて良かったです。

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(崖の上から見る海)

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(崖の上の街並み)


そしてコンクール当日。
このコンクールはピアノだけではなく、アコーディオン、ハープ、ギター、ピアノ、弦楽器、管楽器、歌、室内楽と沢山の部門に分かれていて、更に年齢ごとにカテゴリー分けされています。
私のカテゴリーは本番が夕方で、それまでに30分の練習を2回予約していたので、ゆっくり準備が出来ました。

受付や会場案内や雑務はこの町の学生のボランティア達が務めていましたが、彼らも英語が話せる訳ではないので様々な行き違いが発生していました。
運営もきっちりとはしていなくて、時間がその都度変更になっていたので、私も本番前に演奏開始時間のことを確認しようとしたのですが、聞きたい事がうまく伝わらず。困っていたら、逆に何を言っているのかわからないというような理不尽な対応を受けてしまい…。まあ仕方ない、なんとかなるだろうし無視しようと思ってその後は自分の演奏の事だけに集中しました。

本番はせっかくイタリアまで来たのだから悔いの残らないように楽しもうと、ハイドンのピアノソナタとヒナステラのピアノソナタを審査員の方々に紹介するつもりで演奏しました。
評価はわからないけど、その時の自分を発揮する事が出来たのではないかと感じました。

終わってから嬉しかったのは、さっき受付で対応されたあの学生たちがホールで私の演奏を聴いてくれていたようで、「すごい、びっくりした」「カッコ良かった」と褒めてくれた事です。一気に心が繋がったような気がしました。

全員の演奏が終わった後は、他の参加者と仲良くなり、話していました。ドイツに留学中のアジア系の子は日本の知り合いも多く、懐かしい人達の話題で盛り上がりました。他にはポーランドから来ていたピアニスト達とヴァイオリニスト。その内の一人はなんとモンゴル人ピアニストで、とても気が強く、そして楽しい子で、完璧なポーランド語と英語を話していました。シマノフスキアカデミーから来た彼女達とはすぐ仲良くなって、ずっと話していました。

そして結果ですが…なんと1位Premio Assolutoをいただきました!✨初めての国際コンクールで、このような結果をいただけてびっくりしましたが、同時にとても嬉しかったです。
結果発表では点数付きの賞状を頂きましたが、その時あの受付の子達も拍手をくれて一緒に喜んでくれて、とても心に残る瞬間となりました🍀

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(彼もポーランド人ピアニスト)

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(夕日に照らされる広場)

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(美味しいジェラート。1.5€)

結果発表後はシマノフスキアカデミーの子達と外でジェラートを食べながら話していました。
モンゴル人のピアニストとヴァイオリニストは弦楽器部門と室内楽部門を一緒に出場するようで、次の日からのコンクールが楽しみになりました。