(本) 蒲公英草紙 | 軽井沢で美穂の時つむぎ

(本) 蒲公英草紙

恩田 陸
蒲公英草紙―常野物語

出版社 / 著者からの内容紹介
舞台は20世紀初頭の東北の農村。旧家のお嬢様の話し相手を務める少女・峰子の視点から語られる、不思議な一族の運命。時を超えて人々はめぐり合い、約束は果たされる。切なさと懐かしさが交錯する感動長編。


光の帝国を読んでから何年たつだろう。
恩田作品で初めて読んだのが光の帝国でした。
その数年後、NHKで春田さん一家を中心にドラマ化されたのを見たっけ・・
犬の言葉がわかるおとうさん役を小日向文世氏が、いい味出してた。
本を読んだ時の印象とはちょっと違うな・・とか思いながら見たけど、この蒲公英草紙光の帝国-常野物語の一作目、と思ったらいいのでしょうか・・・

常野一族:春田一家のご先祖さまが出てきます。


いつもこの手の超能力的なものとAI系の物を読むと悲しい気持ちになる。
光の帝国を読んだ時もそうだった。
人と違う特別な能力を持っていると、その力は隠さないとならなかったり、特別な能力の為に危険に巻き込まれたり利用されたり・・・力を持った者同士、戦ったり・・・


超能力モノは見つけると興味があるので読みますが、光の帝国一連の作品は、その特殊な能力に付随するネーミングが面白い。
遠くの声が聞ける『遠耳』遠くの出来ごとを見られる『遠目』なんでもかんでも記憶してしまうことを『しまう』と言うし、能力を使い過ぎて体力が消耗したりすると冬眠のように一週間とか寝てしまうのだけどそれを『虫干し』なんて言うし・・他にも未来を知る能力や、飛脚さながらの駿足、不死身を生かして常野一族の生き証人みたいな人やそんな人たちが全国に散らばってひっそりと生き続けているって・・・


蒲公英草紙は、日清戦争辺りの時代の話で、日本語がとても綺麗だし、内容は悲しいけど、読了後に清々しい気持ちになります。
人には、生まれながらの立場みたいなものがあり、それは運命なのか宿命なのか・・
たくさんの未来を繋げるとは言え、自分の命と引き換えにそれをするってのは潔いけど、それができるってだけで、私には超能力に思えます。


私にもしそんな力が具わっていたら・・・・・

どうしようかしらねぇ・・・・・


もう1作出ているエンドゲームは光の帝国の小編:オセロゲームのその後の長編です。
オセロゲームを再読しながら、ただいま読書中。乞う、ご期待(^_-)☆