手加減のまなざし | ☆こどもココロの天井裏☆ こころカフェゆるの木別館

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かつてここには扉はなくて
ただ海が広がっていた
そういう
この世界

トランプ、すごろく、カルタ、オセロ、UNO・・・
親戚で集まったりするとたまにそんなゲームをしたりします。

少し前まで、その子は、まだあまりルールがのみこめなくて、
教えてもらったり、手加減してもらったりと、
お兄ちゃんや大人の見守りの中で遊んでいました。

ところがこの冬休みに遊んでみると、
彼もいつのまにかすっかりわかるようになって、
一人前にゲームを楽しめるようになっていました。

カルタ取りをしていたときのこと。

なんだか様子が変。

その子は、取り札をもう見つけているのに、
取らないことがあるのです。
どうしたのかな?と思っていると、
優しい目をして、
「ねえ、このあたりにありそうな気がするよ~」

私に手加減して、譲ってくれていたのです。

それは、去年までいつも私が彼にしていたこと。

驚きと嬉しさが湧き上がりました。

そうやってね、あなたはこれから自分より弱い人、
自分より幼い人を守り育ててあげなさい。

自分がひとつ階段を上がったら、
振り返って、後から来る人を助けてあげるんだよ。

そんなことを思いながら万感かみしめていると、
その子が真剣な目でこちらを見て言いました。

「ねえ、いつも本気でやってないでしょ。
本気でやってよ。俺も本気でやるから。」

はい。