ナイチンゲールの沈黙  [海堂尊] | 花火屑

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本当に良いものはいつになっても色褪せない

ナイチンゲールの沈黙/
海堂 尊

¥1,680 Amazon.co.jp

★★★☆☆

結局黙らなかったんじゃないのか?
結構分厚い本だったんですが、すらすらと読了しちゃいました。

前作「チーム・バチスタの栄光 」の続編というか。同じ大学病院の小児科が舞台です。
昨今小児科や産婦人科を始め、医療についての問題が噴出しているわけで、私たちにとっても人ごとじゃないんですが…。
いかんせんフィクションですので。さらっと読んじゃいました。

どうあらすじを説明したらいいんでしょうね。
眼球にできる癌で治療は眼球の摘出しかない5歳と14歳の少年が、大学病院の小児科に入院しておりました。
5歳の少年・アツシは特撮ヒーローの大ファンで、優しいお母さんと一緒。でも眼球摘出の必要があることは知りません。
14歳の少年・瑞人に母はなく、飲んだくれで無職の父がいるのみ。子を顧みず病状を聞きに病院にやってくることもない。

小児科の浜田小夜は父親に教えてもらった歌声が自慢の真面目な看護師だ。
彼女は忘年会の後街を歩いているところで男と知り合い、あるバーへ入る。そこには迦陵頻伽と呼ばれる歌姫・水落冴子がいた。


誰かも書いていましたが、子供の病気は読んでてつらいです。
年を取るごとにそう言う気持ちが大きくなるのは、やっぱり子育て適齢期にさしかかってきたからなのかなぁ。

はっきり言ってこの巻は評判芳しくないです。
なぜって、やはりちょっと現実味がないからでしょうかね。ロジカルモンスターの異名を持つほど論理的な思考の白鳥を登場させるのに、そんな能力ミュータントでしょう!X-MEN好きです。

大人びた性格と思考の持ち主・瑞人も、大人が作った子供って感じ。あまりにも完全無欠で嫌でした。あまりにもはかない由紀も嫌でした。
作られてて。

とはいえ、新たな人物も次々登場。
白鳥の腐れ縁・加納警視正とその舎弟・玉村警部補。田口の昔のポン友・ジェネラル速水とガンガン魔人島津。
千里眼の猫田看護師長が好きですねぇ。

つながりのある人物が出てきたことで、これからに広がりを感じさせました。そこら辺の絡みが一番面白いところだったかな。
「スタンド・プレーから生じるチームワーク」を意識させられたような。攻機も好き♪

ミステリとしてよりキャラクター寄りに読んでしまいました。
続きが作中時間で同時期の軸らしいので、忘れないうちに読みたいと思います。

最後に、田口先生。好きなのに今回影薄い…。そんなに音楽の才能があるのね、意外でした。


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