11/07/25 忙しいあなたの代わりに新聞読みます 月曜コラム
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リアルタイム配信は、毎週月曜日です。こちらは、2011年の夏に書いたぶんです。
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11/07/25 Vol.1780 まぐまぐ、melma!、めろんぱん 合計読者数35000人
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[9] 月曜コラム「ON THE STREET CORNER」
松本由歌子:音楽フォトグラファー
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7月中旬の、海の日連休をはさんで一週間は、金沢市へ旅行に行っていました。
お目当ては、現代アート好きなら一度は行ってみたい、「金沢21世紀美術館」
ですが、関東からはかなり遠くて、気軽に訪れられる場所とは言えません。し
かし、いくつかの条件が重なり、「行ってみようかな」と、思い切って決断し
ました。金沢は観光名所も多いので、行くからにはある程度のんびりした日程
にと計画しました。
九州出身で大学からはずっと関東に住んでいる私にとって、北陸地方は縁が薄
く、何もかもが新鮮でした。電車の窓から日本海を見たのも生まれて初めてで
す。関東では震災や原発事故など、重苦しい話題から逃れられないのですが、
北陸は節電ムードも希薄でまるで別天地、いい気分転換になりました。
北陸電力はエリアが小さくて、関西へ電力を融通もしているので、節電をして
いない訳ではありません。しかし、元々の消費人口も少ないせいか、切迫した
雰囲気は全然感じられませんでした。「余ったものを分けてあげる方と、足り
なくて貰う方では、きっと市民の意識が違うだろう」との私の予測はバッチリ
当たりました。例えば関東では、大多数のトイレでエアタオルと呼ばれる手を
乾かす送風機のスイッチが切られていますが、北陸ではそんなことはありませ
んでした。夜間の照明も全く通常通り点けられていたし、どこに行ってもエア
コンが効いていて涼しく過ごしました。つまり北陸の節電は、「無駄遣いをや
めよう」程度であって、「我慢」はしていないレベルでした。
スタンダードな金沢旅行の醍醐味は、日本三名園の偕楽園の雪景色と、日本海
の海産物なので、そのどちらも堪能できない真夏は完全にオフシーズンですか
ら、どこに行っても空いていてのんびりできました。
あちこち歩いてみて、「金沢の黄金時代は江戸時代なのだなあ」と感じました。
「加賀百万石」で栄えた時に、貴族趣味の芸能や工芸品などの文化が花開き、
それを今日に至るまで継続している印象です。大きな震災や大空襲などで破壊
されなかったことも大きいですよね。観光名所もお土産も、江戸がらみのもの
ばかり。
それだけに、「金沢21世紀美術館」の新奇性は際立っていました。
2004年にオープンしたこの地方の現代美術館は、収蔵品も企画展示も、新しい
ものばかりが集められています。つまり作家でいうと「大御所」や故人の作品
はとても少ないのです。しかし、「今をときめく」若手の人気作家はむしろ、
他のどの美術館よりも熱心にアプローチしているようです。
オークションにおける美術品の値打ちは、古いほど高くなっていきますから、
金沢21世紀美術館の予算は、同レベルの他館よりもかなり低いのではないかと
予想されますが、作家の人気が出て値段がつり上がってから買い求めるよりも、
「これから」の若い芽に注目するのは素晴らしいことだと思います。
地方に現代アート施設を導入するのは簡単な事ではないらしいです。「訳のわ
からない変な物」への憎悪に似た感情は、東京都心ですら根強いものがありま
す。私の出身地鹿児島県にも、「霧島アートの森」という現代美術館が建設さ
れましたが、地元の年寄りは「美しい国立公園の中に気持ち悪いものができて
不快」という意見も多いようです。地方の年配者は変化を嫌うものです。
ですから、江戸文化を誇る金沢の、兼六園の隣にできた現代美術館が、これだ
け「大繁盛」しているのは、本当にまれなことだと言えるでしょう。
その理由のひとつは、妹島和世と西沢立衛(SANAA)による設計にあると思いま
す。とても開放的で美しいのに、親しみやすいフォルムをしています。妹島さ
んは、「建築界のノーベル賞」と言われるプリツカー賞を、日本人で四番目に
受賞し、ヴェネチア芸術祭のディレクターも勤めた、「現在、最も世界から注
目されている日本女性」のひとりです。世界の頂点に立った妹島さんが設計し
た建物は、威圧感がなく人々を引き寄せる親しみやすさにあふれています。
美術館の建物自体の主張が強いと、時には中に展示される美術品のオーラを消
してしまうことすらあります。しかし金沢21世紀美術館には、どんな作品も受
け入れて包み込む優しさがあります。
男性優位の建築の世界で、しかも名門学閥出身でもない妹島さんが、世界一の
栄冠を勝ち取った理由は、きっと女性の美徳を活かした、しなやかで気配りに
あふれた、しかし打たれ強くたくましい精神にあるのではと思いました。
一週間の滞在中、私は何回もこの美術館に足を運んだわけですが、偶然にもこ
の旅行日程のど真ん中で、女子サッカーワールドカップの試合があったのです
ね。日本国内で優遇されずにいた「なでしこJAPAN」チームが、見事世界一に
なった感動的な試合を、金沢でテレビ観戦したのは私にとって意義深かったで
す。それはこの日本女子サッカー代表チームと、妹島さんとに、共通点を見出
したからであり、同じく日本女性である自分も卑屈にならずに頑張りたいと、
勇気が沸いてきたからでもあります。
新しい時代を切り開くのは女性のパワーなのかもと、痛感した金沢旅行でした。
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補足コラム
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週に一回書くだけで、結構あるものですね。
積み重ねって大事だと思いました!
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ロックミュージシャンのステージ写真ほかをお楽しみくださいね
ブログネタ:年越しの瞬間なにしてた?
参加中
今年はカウントダウンライブに行かずに自宅で過ごしていたので、東急ジルベスタを見てました。
金聖響さん、4.5秒早かったですね・・・