11/04/25 忙しいあなたの代わりに新聞読みます 月曜コラム
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リアルタイム配信は、毎週月曜日です。こちらは、今年の春に書いたぶんです。
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11/04/25 Vol.1706 まぐまぐ、melma!、めろんぱん 合計読者数35000人
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[9] 月曜コラム「ON THE STREET CORNER」
松本由歌子:音楽フォトグラファー
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震災後40日を過ぎ、本来ならば、復興に向けて日常を取り戻す頃合なのでしょ
うが、逆に不安が増してくるような気さえします。
もちろん、原発事故問題がちっとも収束しないことが、イライラの最たる原因
です。ビートたけしさんは、昨年雑誌に「原子力発電所は、地震が起きても大
丈夫なように、他の施設以上に気を使っているはず」と書きましたが、同じよ
うに考えた人は多かったと思います。私も近い考えを持っていました。なぜな
らば、日本は昔から、地震が繰り返して起きている。だから当然、万全の対策
を取っているであろう、そうでなければ、あんなに危険な施設を建てるなどと
いう、恐ろしいことをできるはずがない、と。
しかしありえないことが、現実に起こってしまいました。しかも、事故の後処
理も、うまく行っているとは言えない状況です。毎日、原子炉を冷やす為に、
注水が行われていますが、その水は放射性物質に汚染されてしまいます。一日
分の冷却汚染水を処理するのに、1000億円近くの費用がかかるそうです。既に
今まで溜まっている分だけでも、10兆円を超えています。それは日本人の誰か
が支払わなければなりません。震災前から不景気だったのに、今後経済はどう
なるのか、気が滅入る一方です。街に失業者があふれるのは夏ごろでしょうか。
東京のあちこちで、防災グッズが売られています。それも、携帯LEDライトが
書店に並んでいたりなど、専門店以外でも品揃えをしているのです。ホイッス
ルも売れています。瓦礫に埋まった時に助けを呼ぶためのものでしょう。毎日
余震があるので、誰も彼もが、関東大震災がいつ来てもおかしくないと、備え
ているのです。報道される東北地方の状況を、「明日は我が身」との視点で捉
えているのは、私だけではないと思います。首都圏は人口も多く、国の中枢機
能が集中しているので、「本部がやられる」状況になるわけですから、地方の
被災とは異なる大きな被害があるでしょう。
そんな心配で落ち着かない中、あちこちに、「がんばろう日本」というスロー
ガンが目に付きます。私は、だんだんと聞き飽きてしまい、最近はちょっとう
んざり気味ですらあるのですが、他の方はどうなのでしょうか。
自分よりも恵まれた立場の有名人に励ましの言葉を掛けられると、少し卑屈な
気分になってしまう。東京の自分ですらそうなので、もっと深刻な状況の方々
は、励ましのメッセージが重く感じて不快なのではないでしょうか。
これが、自分よりも辛い立場の人が、困難に負けず、ひたむきに努力している
姿になら、自分も甘えていられないと素直に思えます。テレビで流すメッセー
ジを、東北でたくましくがんばる子供たちのバージョンに変えていただけたら、
もっとやる気も出るのにと考えることがあります。はつらつとした子供の笑顔
は何よりの希望です。
4月23日のテレビニュースで、東京タワー前の広場にて福島産野菜を売るイベ
ントを紹介しているのを見ました。空にはたくさんの小さなこいのぼりが泳い
でいます。これは、東京タワーが2009年から始めたもので、今年で3回目です。
タワーの高さ333メートルにちなんで333匹のミニこいのぼりが、こどもの日ま
での約1ヶ月間、青空で楽しそうにひるがえります。その映像を見ていて、失
いかけた元気がよみがえるような気がしました。
中国の歴史書である後漢書に、黄河の滝を鯉だけが登り切り、竜となったとい
う伝説が書かれています。激しい滝を逆に登るのはとても困難なことだけれど
も、それを成し遂げた者は幸運をつかむ事ができる。滝の最後にある水門が、
「竜門」で、ここを登ることがすなわち「登竜門」をくぐるということです。
こいのぼりは、この伝説にちなんで、こどもの成長を願って飾られます。子供
が試練に学び、成長をとげて、立派な人物になるようにとの祈りです。
震災前から不況に苦しんでいた経済を立て直すために、私たち日本人は、滝を
逆に登るほどの努力をしなければいけない。イメージが重なって、こいのぼり
がまるで、復興に向けてがんばる日本人のシンボルの様に見えてきました。
江戸時代の浮世絵にも描かれているこいのぼり。
橘かおる朝風に、高く泳ぐや、鯉のぼり。
人間は、こんな風に、くじけたり、また立ち上がったりしながら、少しずつ、
前へ進んでゆくものなのかもしれません。来週からは、私のコラムも以前の路
線に戻すつもりです。ゴールデンウィークも、すぐそこまで来ています。
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2011年分の「月曜コラム」バックナンバーのインデックスはこちらです。
http://ameblo.jp/yukko-i4r/entry-11096450496.html
補足コラム
年末モードになり、記事の整理をしています。
メールマガジンの転載漏れをフォローしたいのですが、
今年は本当にいろいろありましたね。
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ロックミュージシャンのステージ写真ほかをお楽しみくださいね