ムニエルの意味 9月の料理基礎講座にて | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

塚本有紀のおいしいもの大好き!

フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

塚本有紀のおいしいもの大好き!

9月の料理基礎講座にて
9月19日


前菜に、牛肉とレンズ豆のサラダ Salade de boeuf aux lentilles
塚本有紀のおいしいもの大好き!

牛肉のすね肉とテールをコトコト煮て、熱いうちにシェリーヴィネガーのドレッシングを絡めます。下にはレンズ豆を敷いて。
大好きな料理の一つで、ずっと作り続けています。


どかんとお家盛りのほうが、じつはおいしかったりします。
塚本有紀のおいしいもの大好き!




さて主菜と今月の主題は「舌平目」です。

塚本有紀のおいしいもの大好き!


舌平目の黒い皮をべりんとめくり、3枚におろします。
そのまま粉をふって、バターで焼いて舌平目のムニエルにしたいところですが、今更ムニエルでもないでしょう・・。でもあのおいしさ、捨てがたい。

というわけで、最近は少し手を加え、でもそのままの舌平目とバターとレモンのソースのふくよかなおいしさも知っていただきたく、こんな風にしています。

松の実とピスタチオとバジルなどでファルスを作り、
塚本有紀のおいしいもの大好き!


身にファルスをおいてくるくると巻き上げ、
塚本有紀のおいしいもの大好き!

でも半分はそのままで。
塚本有紀のおいしいもの大好き!

じゅっとヘーゼルナッツ色に焦がしたバターにレモンをきゅっと搾り、ケッパーを散らした、「舌平目のムニエル」のソースで。
塚本有紀のおいしいもの大好き!



ムニエルmeuniereというのは、「粉屋」という意味です。舌平目が女性形のため、引っ張られて粉屋ムニエmeunierが女性系のムニエルmeuniereになります。
粉屋風というのは、小麦粉を振って、バターで焼くスタイルの料理のこと。

ところでフランスのパン屋さんには、名字がムニエさんという方がいらっしゃいます。
粉屋という名前のパン職人って、なんてぴったりなのだろう! と思います。代々パン屋さんなのでしょうか。でも粉屋とパン屋は別の職業なので、ちょっと惜しい気も。

日本ならさしずめ、矢作さんとか犬飼さん、かも。
そういえば今度いらっしゃるテリアンシェフのテリアンTerrienとは、terre大地から来ていて、意味は「地主」!


塚本有紀のおいしいもの大好き!

添えは「ジロール茸」のソテー

手打ちのタリアテレを、しばし乾かし・・
塚本有紀のおいしいもの大好き!


バジルで作ったピストゥソースで和えて。
塚本有紀のおいしいもの大好き!
塚本有紀のおいしいもの大好き!

本日のワイン(前菜用)はボルドーのサン・テステフ、チーズはプロバンスのカベクーです。
カベクーはとろとろ(過ぎ)で、食べ頃をちょっとだけ超えたあたりでした。でもやっぱりそれでもとろとろはおいしいものです。

デザートはぶりんとした、昔ながらのプリン。
ずっととろとろスタイルで作ってきましたが、「そろそろもういいかなあ・・」の気分。
今年は昔ながらスタイルに戻しました。
パリには「プリンがおいしいことで有名」なビストロがあり、その味を思い出しながら作りました。