侑士 チョ~SS ② | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

肝っ玉かあちゃんのひとり言

妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言

机にうつぶせて眠るトモの髪に指を滑らせる。


さらさらと落ちていく髪が夕日に照らされてキラキラと光った。



今日は部活がないから一緒に帰ろう言うてたのに、突然担任に呼び出しくらって

しゃーないからトモを待たせとったんやけど、急いで戻ってくればトモは爆睡中。


叩き起こしたってもええけど、あまりにも気持ちそ誘うに寝てるから

あと少しだけ寝かしたろうと、俺は静かにトモの席の前に腰を下ろした。



トモの寝顔を見んのは初めてでもないけど、

夕日に照らされた寝顔はなんか綺麗に見えた。




「あんま綺麗になんなや。俺が妬いてまうやろ?」




最近綺麗になったと言われることが多くなったトモ。


それは間違いなく恋してるからやろう。


俺の為に綺麗になろうとしてくれてる。

それはそれで嬉しいことや。

それに自分の彼女褒められるのは嫌な気分じゃない。


やけどあまりに綺麗になられると、いつか手の届かん存在になってしまうようで怖い。


いつだってトモが俺を追いかけて、俺以上に俺の事を好きであって欲しいなんて、

そんなんただのわがまま。


やけどそれでも、俺はいつだってトモが傍におるという安心感を感じていたいんや。




「そんな寝顔も、アホみたいな笑顔も、俺だけに見せとったらええねん。」




そう言いながら前髪をかき上げて額にキスを落とした。



すると、トモの顔が段々と赤くなっていく・・・・・



なんやコイツ。

・・・・・・もしかして起きとる!?



独り言のつもりで言うた言葉を聞かれとったんかと思うと

恥ずかしくて俺まで顔が赤くなる。



叫びたくなるような羞恥を誤魔化すように

「起きとったなら目あけんかい!!」

と、トモの頭を叩いてやった。



トモはまだうつ伏せたままで、閉じていた瞼だけをゆっくり開き、

目の前で顔を赤くしながら怒る俺を見上げた。


恥ずかしくて顔を上げられへんねやろう。

その赤い顔を隠す為にうつ伏せたままなんやろう。


そやけどその体制で俺を見上げられると、自然と上目づかいになるわけで・・・



恥ずかしそうに瞳を潤ませた顔での上目づかいは

俺の心を破裂させるのには十分で過ぎた。



「お前可愛すぎやねん。そんな顔も俺限定やからな!」



お互いに今以上に赤くなった顔を隠すように、顔を近づけ唇を合わせた。






上目づかいの君




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よし!←