テニプリ 逆ハー連載 Vol.1 | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

肝っ玉かあちゃんのひとり言

妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言

*原作完全無視です。

年齢設定は中学2年の9月頃です。(赤也は1年)

その辺注意しておよみください。



七転び八起き  -Vol.1-



「どうしよう・・・」


騒然としていた廊下が少しづつ静かになり

私以外の人影は見えなくなったが

あまりのショックに私はそのまま動けずにいた。


立ち尽くす私が手にする1枚の紙。

何度見直してもそこに書かれた数字が変わることはない。


『報道部 今期 部費額   ¥1000-』


え・・・・?1000円?

ありえなくない!?

1000円でどうやって部活運営していくの!?

なにこれ!?どういう事!?


2学期にになり3年の先輩が引退。

やっと私達の天下がきたと思ったのに部費1000円って!?

なんだろ・・・・先輩達が引退した後の第1号「立海誌」に

フケ顔特集なんかしたのが悪かったのだろうか?

結構ウケたと思ったんだけどな・・・。

それとも校長室にあった最新型のプリンターを

勝手に使ったのがばバレたとか!?

いや・・・あの時の見張りは完璧だったし痕跡も残していないはず。

ならなんで~!?


裏返してみても振ってみても『0』が増えるわけでもなく

気持ちはどんどん沈んでいく・・・・。

こりゃ「立海誌」の値段を上げるしかないか!?

顧問の荻ちゃんはお金持ってなさそうだし・・・。


「はぁ・・・どうしたもんかね・・・・。」

「なにが「どうしたもん」なんだい?」

「へ?」


突然肩を叩かれて振り返るとなんとそこには

微笑みの貴公子と呼ばれるあの幸村君が立っていた。


おぉ~こんな間近で見たの初めてだよ!!

う、美しい~!!その微笑み輝いてますから!!


キラキラと素敵な笑みを浮かべる幸村君が

あまりに眩しくてクラクラしてきてしまった。


「泣きそうな顔で立っていたから

思わず声をかけちゃったんだけど・・・」

「そ、そそそそそそそうでしたか!?それはお気遣いどうもです!!」

「ふふ。面白いな・・・原さんは。」

「ほへ?私の事ご存知でありますか!?」

「報道部新部長さんでしょ?さっきの予算委員会で挨拶してたから。」

「なるほど・・・。ゆ、幸村君も新部長さんなんだね。おめでとう。」

「クス。ありがとう。」


そう言って笑う幸村君は本当に眩しすぎて直視できない。

こりゃ女子が騒ぐわけだわ!!うん。

こうやって話してるだけでドキドキするもん!!


「で?なにか困ってたみたいだけど?」

「あぁ・・・そうですね・・・困ってましたね・・・。」

「俺でよかったら相談に乗るけど?」

「お、おおおおおお恐れ多い!!とんでもない!!

大した事じゃないですから!!」

「なるほど・・・部費が1000円しかもらえなかったんだ・・。」

「え・・・?」


全力で首をブンブン振っていたら

手にしていた紙がいつの間にか抜き取られいた。

あれ?いつの間に・・・・?


「1000円じゃ運営苦しいよね?」

「そうなんですよね・・・。なんでこうなったのか・・・。」

「・・・・そうだ!よかったら部費を稼ぐの協力しようか?」

「稼ぐ・・・・?」


なにを思いついたの小首を傾げて微笑む幸村君。

だから眩しすぎるんだってばよぉぉぉぉぉぉ!!

可愛いぞコノヤロー!!


「うちのテニス部の新レギュラーって知ってるかい?」

「一応顔と名前は一致します。」

「一部を覗いてヤツ等顔だけはいいんだよね。」

「そうですね・・・。」

「そして女子達からの人気も高い。俺を筆頭にね。」

「は、はぁ・・・。」

「だから俺達の取材記事を載せれば売り上げ上がるんじゃない?」

「売り上げ・・・・って立海誌の?」

「そう。それと、写真部とかには断ってるメンバーの写真も

特別に撮影許可するよ。」

「えぇ~いいの!?」


自分で人気あるとか言っちゃってるよ・・・とか、

なんとなく人相変わってきてない?とか、

ツッコミたい所はたくさんあったけど、

最後の「写真撮影許可」と言う言葉にそんな疑問も全てぶっ飛んだ。


テニス部はイケメン揃いと有名な部活だが写真撮影などは

一切許されていなかった。

隠し撮りなんかをする子もいたらしいけど、なぜか必ずバレるらしい。

そんなテニス部の写真を撮れるなんて、こんないい話はない!!


「それってもちろん売買OKだよね!?」

「販売前に事前チェックはさせてもらうけどね。」

「いいよ!!そんなの全然OK!!」

「なら交渉成立だ。」


おお~!!これで報道部存続の危機をまぬがれた!!

写真1枚100円で売ってもかなりの儲けになる。

幸村君の写真なんかはもっと高額な金額でも売れるはず!


「ありがとう!!幸村君!!」

「やっと笑ってくれた。うん。笑った顔のほうがカワイイ。」

「っ!!」


あなたの方がカワイイですからぁぁぁぁ!!!!

本当に心臓に悪い!!

顔が赤くなるのがわかって慌てて顔を逸らす。

美形な人に「カワイイ」とか言われても

嫌味にしか聞こえないと思ってたけど

こうもサラッと言われちゃうとドキッとしちゃうよ!


嬉しくて舞い上がってしまいそうな心を落ち着かせ、

1つだけ疑問に思う事を口にした。


「でも、どうしてそこまでしてくれるの?」


顔は知っていても幸村君とは初対面である。

幸村君はさっきの予算委員会の自己紹介で

私の名前を知ったと言っていたし、

それまではまったく存在さえも知らなかっただろう・・・。

なのにそんな私にどうしてそこまでしてくれるのか・・・?


そんな疑問をぶつけた私を見つめながら

幸村君は優しい微笑を更に濃くし、穏やかな口調でこう告げた。


「俺はお人好しでもいい人でもない。」

「でも・・・・。」

「自分にメリットのない事はしない。」

「じゃぁ・・・この話しに何のメリットがあるの・・・?」

「ふふ。それは秘密。」

「えぇ~!?」


報道部がテニス部を紹介する事でメリットが生まれるのだろうか?

それとも幸村君個人のメリットが何かあるとか・・・?

疑問が更に疑問を生んで、聞きたい事はたくさんあったけれど、

口元に人差し指を立てる仕草が可愛くて

それ以上突っ込んで聞くことが出来なかった。


「詳しい話は明日しよう。部員に紹介もしたいし。

放課後テニス部の部室まで来てくれるかい?」

「うん、わかった。」

「じゃ、明日・・・。」

「本当にありがとう!!部活頑張ってね!!」


なんだかよくわかんないけど、悪い話ではないし、

これで報道部も安泰。

初めて話した幸村君は素敵だったし、

これからそんな彼等を取材でき、写真まで撮らせてもらえる。

そんな浮かれた気分で、私は幸村君に大きく手を振りながら

報道部の部室で待つみんなのもとへと駆け出した。


走り去っていく私の背中を見つめながら、

幸村君がさっきまでとは違う

恐ろしい笑みを浮かべていたとも知らずに・・・。


「しっかり楽しませてくれよ・・・・原 悠奈・・・。」


                                              NEXT
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ついに始めてしまいました逆ハー連載。

今回はユッキーしか出てきませんでしたね・・・。

しかもホワイトユッキー!!最後だけブラック降臨ww


ヒロインは今回も「萌木 雪」でいきたかったんですが

ややこしくなるので名前変えました。

原 悠奈 (はら ゆうな) ちゃんです!

報道部の新部長さん。

これから棘の道を突っ走ってもらいたいと思います。


頑張れ!!悠奈!!頑張れ私!!←