台湾総統選挙 | 天川由記子Blog (アナウンサー&国際政治学者) Blog of Yukiko Amakawa

台湾総統選挙

来年2012年は、世界的にも選挙の年です。


台湾の総統選挙は、アメリカ大統領と同じ年で、4年に1度。オリンピックの年です。


台湾の総統選挙は、年明け1月14日が投票日。きのう25日が立候補の締め切り日。3人の候補者が立候補しました。


2008年の選挙で、総統に当選した国民党の馬英九氏。2選目を狙います。


そして、初の女性総統を狙う民進党の蔡英文女史。


それから、親民党の宋楚ユ氏。


選挙戦は、馬氏と蔡氏ふたりの事実上の一騎打ちとなります。世論調査でも、いまのところ、両者は、拮抗しています。まだ、いまの段階では、どちらに軍配があがるかは、予想できません。もう少し、情勢を見極める必要があります。


現役の馬総統には、台北の市長時代を含めて、何度かあったことがあります。香港生まれの61歳で、いわゆるイケメン・タイプ。ハーバード大学出身で、英語がとてもきれいな紳士だったことが鮮明に記憶に残っています。それと、とても優しい気遣いをしてくださる方でした。台湾と日本の関係について、30分くらい2人で話したことがあります。日本を大切に考えていることは、よくわかりました。しかし、国民党らしく、中国との距離を縮めようとする姿勢も、ありありとみえました。


一方の蔡女史とも、2人だけで1時間ほど会談したことがあります。派手なタイプではありませんが、芯が強い信念の政治家という印象です。馬氏との明確の違いは、中国との関係についてです。民進党は、中国に依存しすぎないようにすること。


民進党の陳水扁総統時代にあったとき、蔡女史は閣僚のひとりでしたが、陳氏が台湾独立をめざしていたため、中国が武力弾圧も辞さないとブッシュ大統領に宣言したため、ブッシュ政権は大慌てで、陳総統に、「独立は、いまはまだ早い。現状維持をしてもらいたい」と働きかけたことが何度もありました。


ブッシュ政権は、日米同盟のパートナーとして、日本にも、台湾に独立を思いとどませるよう働きかけて欲しいと依頼してきました。台湾の独立に永遠に反対ということではなくて、いまはまだ早すぎるということでした。


そとのき、蔡女史がいったことばを、私は忘れることができません。彼女は、非常に冷静沈着に、「台湾が独立して何が悪い?!」と言いました。その彼女が、今度は、総統候補。55歳で、もともとは法律学者です。


両者の明確な違いは、対中国政策です。


12月16日が公示なので、はたして、この2人が、どのような政策を掲げて総統選挙にのぞむのか、じっくりと取材をしてみたいと思っています。     ラブラブラブラブラブラブ







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