ワークライフ「アン」バランスの正体
~なぜデキる人は結婚した途端「デキない人」に成り下がるのか~
【 家庭の成功と、仕事の成功は、ぴったり比例しているのでしょうか? 】
この企画は、結婚が仕事の「パフォーマンス」に与える影響について
200人の聞き取り調査をもとに解き明かすものです。
仕事の成果については、
どうしてもワークライフバランスという大義名分のせいで
「多少のマイナスは何とかなる」という『甘め』のバイアスがかかりやすい。
今回の目的は「仕事と家庭を両立できるかどうか」はさて置き、
「どんな影響があるのか」を素直に把握することです。
具体的には既婚男女に「家庭が仕事にどんな影響を与えたのか」を
『結婚当初』と『現在』という2つの時間軸で「どのくらいプラスか」「どのくらいマイナスか」を
『数値』で比較してもらいます。
ただし、数値化の対象は、金銭(給与や報酬など)に限らず、
感情(家族のおかげで仕事の難題を乗り切れた、
夫婦の不仲のせいで仕事に集中できない、など)も含まれます。
「どうしたら結婚しても仕事のパフォーマンスを維持できるのか」
「どうすれば、結婚を仕事に活かせるのか」
プラスの回答者の共通点、マイナスの回答者の共通点から、その答えを導き出します。
そして、得られた回答を年齢(20代、30代、40代)と結婚期間
(10年未満、20年未満、30年未満)で区切ります。
それぞれの年齢、結婚期間における「家庭が仕事のパフォーマンスを落とす」エピソードを挙げ
それを回避する方法を提示します。
「結婚って仕事にプラスなんですか?それともマイナス?」
もし、あなたが既婚者なら、仮に会社の同僚や後輩、
もしくは弟妹、友達に質問されたとき、どう答えますか?
もし、あなたが未婚者なら、自問自答をし、どんな答えを出しますか?
どちらにしても「結婚は仕事にマイナスでしょ」なんて口が裂けても言えないでしょう。
なぜなら、ワークライフバランスは2013年における「黄門様の印籠」のようなもので
絶対に逆らえないからです。
それもそのはず。ワークライフバランスは
少子化、晩婚化、男女共同参画、うつ病、自殺など
難題中の難題をいっぺんに解決できると見込まれているのだから。
しかし、政治家や大学教授、著名な経済学者が提案する理念が
本当に「ワークライフバランス」のすべてなのでしょうか?
「大事なことが抜けているのでは?」あなたは、うすうす、そう感じているのでは?
結婚し、家庭を持ち、子供を育てる。
それが「当たり前」に出来なくなった時代なのだから、そのために
勤務先、配偶者、両親、政府や自治体の協力は確かに
不可欠ですが、その有難い「協力」をすべて台無しにする
ボトルネックがあるのです。
それは『夫婦仲』です。夫婦が不仲だと、いくら周りの人の助けを得ようとも逆効果。
ワークライフ「アン」バランスに変貌するのです。
例えば、夫婦が不仲だと、帰りたくない。
だから、重要な仕事がなくても長時間、サービス残業をする。
しかも、同僚や部下もそれに付き合わされ、帰宅時間が遅れ、家事や育児が疎かになる。
夫婦が不仲だと、待機児童を抱える家庭では、
両親(子の祖父母)に預けることができず、いつまでも職場復帰できない。
夫婦が不仲だと、せっかくの子供手当を自分の「おこずかい」にしてしまう。
このようにワークライフバランスが機能するためには、
夫婦や家族関係が良好であることが必須ですが
内閣府が公表している「ワークライフバランス憲章」に、そのことは全く触れられていません。
これだけ大事なことなのに、なぜなのでしょうか?
それは「痛いところを突いているから」です。
少子化や男女共同参画の政府会議の参加メンバーには、
複数回、離婚している人、メディアで不倫や別居の報道を
されている人などが含まれています。
つまり、「他人の事を偉そうに言うけれど、自分のことはどうなの?」を
指摘されると、何も言い返せないから、あえて「夫婦仲」について触れないのです。
賢明な人はワークライフバランスの醸し出す「空気を読んだ」のでしょうか?
なんとワークライフバランスのおかげで婚姻数は増えるところか、
むしろワークライフバランスのせいで減ってしまったのです
(平成21年→70万件 平成22年→70万件 平成23年→67万件 厚労省調べ)
せっかく今まで積み上げた
キャリアや地位、信用を結婚や家族のせいで失ってしまう・・・
これが『ワークライフ「アン」バランスの正体』ですが、
具体的には、営業トップセールスだった30代男性が結婚した途端、「並のセールス」に成り下がった
外資系に転職し、年収1,000万円を手にした女性が配偶者のせいで年収が半減した
家庭不和が原因で心の病を患い職場で降格の憂き目に遭った、などなど。
これは私が現場で見てきた、一握りの実例です。
仕事が忙しくて結婚に二の足を踏んでいる人、今のところ家庭が仕事の励みになっている人
すでに家庭に振り回され、仕事に悪影響が出ている人。
そんな人たちは本書を「消去法」的に活用し
是非、本当の意味でも「ワークライフバランス」実現して欲しい。