仕事柄、いつも書類の山に埋もれています。
露木行政書士事務所・露木幸彦と申します。
書類は時として凶器になります。
昨日、その凶器に身体を傷つけられてしまいました。
手を切ってしまったのです。
紙で切り傷を作るなんて、何十年振りでしょう。結構、危険な仕事なんです(苦笑)
さて前回までは、「子供の親権」を最後の最後まで争った場合、どうなるのかについて
お話してきました。今回はその続きからです。
親権を決める場面では、どちらが優れているか、劣っているか、
収入、住まい、生活環境、両親や親戚、職場の協力など・・・
お互いに意見を言い合います。
「どちらが優れているのか」は、まだ前向きな話ですが
「どちらが劣っているのか」は、なんとも醜い話です。
相手の欠点や不備、至らないところを
挙げていくわけですが、そこに攻撃、批判、揚げ足をとる、
という要素までプラスされます。
これが協議離婚で終われば良いですが、
調停、審判、裁判(訴訟)と進めば、その場面場面で
同じことが繰り返されるのです。
訴訟まで進めば、回数は30回、期間は2年が標準です。
もちろん、その結果、親権を持つことができれば良いですが、上記のように
それは「宝くじが当たるような確率」です。
このように親権を失うだけなら良いですが、そこに至るまでに行われる
「攻撃」「批判」「批判」の雨嵐によって、
あなたは今まで以上に、相手から嫌われ
「とんでもない人」というレッテルを貼られます。
そこまで人間関係が悪化してしまうと、離婚した後、子供との面会を申し出ても
上手くいくことはありません。
結局、親権の奪い合いをした時点で、面会実現への道も
絶たれてしまうのです。
太平洋戦争を例に出すまでもなく、
日本人はどうやら、負け戦をするのが好きなようです。
始めから「負ける」ことが分かっているのに、戦に突っ込んでしまう・・・
むしろ、状況が悪ければ悪いほど「燃える」「やる気が出る」「覚悟を決める」
往生際が悪いと言ってしまえば、それまでですが、「負けた場合のリスク」を
考えずに、突入してしまう。
でも、負けてからでは、手遅れなのです。
「玉砕」という言葉は、格好いいかもしれませんが、
それは単なる無謀な作戦です。
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人生は遊びではありません。
「取り返しのつかないリスク」をわざわざ背負う必要はありません。
「取り返しのつかないリスク」とは、親権も、面会の権利も失うことです。
どんな場合でも、
物事に白黒をつけなければならないわけではありません。
白黒とは、白は「親権を持つこと」、そして黒は「親権も、面会の権利も失うこと」です。
ときには曖昧だけれど、灰色の決着も、褒められるべきですし、立派なことです。
灰色というのは「親権は失うけれど、面会の権利を確保すること」です。
それはベストではなく、ベターな選択ですが、それがリスクを最小限におされた
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このように「ラッキーが起きたらいいな」と運任せ、
神頼みのやり方がどのくらい危険なのか
身に染みて、お分かりいただけたと思います。
残り数パーセントに賭けて、すべて(親権と面会)を失うよりも、
せめて面会だけは確保したい。
そう思われたのなら、はじめから親権を譲って、
早く簡単に話をまとめた方が得策です。
余計な妬みや恨みを買ってしまう前に。
それが遠回りのようですが、
実は「離婚後の面会」を実現できる近道だからです。
この考え方はあくまで消去法です。
最悪の事態さえ、避けられれば、後は何とかなります。
「親権を失い、子供と面会できず、親子関係が断絶」それさえ、避けられれば。
同じように考える人は、勇気をもって、この方法にチャレンジすることです。