「あなた、そこにいてくれますか」タイムパラドックスしてるけど、でもファンタジーだね。

「あなた、そこにいてくれますか」の試写会に行ってきました。

ストーリーは、

医療ボランティアでカンボジアを訪れた医師スヒョンは、子どもの手術をしたお礼として、願いをかなえてくれるという10錠の薬をもらう。スヒョンの願いは、30年前に亡くなった恋人ヨナにもう一度会うこと。半信半疑で薬を飲んだスヒョンだったが、本当に1985年にタイムスリップし、過去の自分と出会う。ヨナの死を知った若きスヒョンはヨナを助けたいと願うが、ヨナとの未来を選べば、彼女の死から10年後に誕生するはずの娘が存在しないことになってしまう。

というお話です。

医師のスヒョンは、カンボジアへボランティアとして訪れていました。帰還する時になって、病気の子供を連れて来た老人を残して行けず、自分だけカンボジアの村に残ったスヒョン。子供を治療し、一息ついていると、老人がスヒョンにお礼だと言って、ある薬を託します。その薬は、願いを叶えてくれるらしいんです。

韓国へ戻り、病院勤務をしているスヒョンは、実は、病気を患っており、余命が短いらしい。カンボジアで貰った”願いが叶う薬”を手に取り、30年前に亡くなった恋人のヨナにもう一度会いたいなと思ったスヒョンは、薬をバカにしながらも飲んでみます。すると、何故か、1985年に戻っており、その目の前には、若い頃の自分の姿があります。夢でも見ているのかと確認するのですが、本当の事の様。自分と言い合いをして、あれ？と気が付くと、現代に戻っています。

薬を飲むと、過去に戻れる事が解ったスヒョンは、30年前に死んだヨナを、死なないように導くことが出来ないかと考え、再度、過去に戻り、若いスヒョンに事情を話して、ヨナを危険から遠ざけようとするのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

フランスのベストセラー小説を映画化したものです。タイムスリップもので、過去の出来事を変えようと苦戦するお話です。ま、良くあると言ってしまえばそうですが、これ、過去の自分と会って、話していても全然問題が無いんですよ。おいおい、タイムパラドックスになってるって。ま、大丈夫なんだろうけど、普通のＳＦの常識から言うと、同じ物質が同じ所に存在するとまずいから（等価交換的な感じですね。）、触れ合ったりしてはいけないし、話してもダメっていう掟らしきものがあるけど、そんなものお構いなし。だけど、あまりにも必死で面白いんです。

バックトゥザフューチャーっぽい感じで、何度も過去に行って、ヨナの死を止めようとするんだけど、彼女が好きな訳だから、別れるなんて出来ないんですよね。彼女だってスヒョンが好きだし、どうしても一緒に居たいんだけど、スヒョンとヨナが一緒に居ると、どうしても彼女の死を止める事が出来ないんです。彼女と別れて彼女が生きる道を選ぶか、彼女を愛しているから一緒に居て死を受容れるか、どちらもスヒョンには、死ぬほど辛い事なんですけど、どちらかを選ばなければいけないという、究極の選択ですよね。ううーん、可哀想でした。

これ、彼女が死んじゃうのはイヤだけど、別れて、彼女が他の男性と生きているのを見るものイヤじゃないですか。生きていてくれればなんて、キレイ事を言うのは小説の中だけで、現実だったらどうですか？自分と一緒に居ないなら、死んでたって同じじゃんと思うのは、私のエゴですか。もし、本当に好きなら、どこかで生きているかも知れないと思ったら、会いに行きたくなっちゃいますよね。で、会いに行くと、死んじゃうって、もー、どーしようもないループというか、ギャーってなりそう。私は、エゴが強いから、好きな人から離れるなんて無理かも知れません。たとえ、相手が死ぬと解っていてもね。死んじゃったら、相手を思って生きて行くからいいもん。

そんなスヒョンを、警察官の友人・テホがとっても温かく見守り、助けます。このテホ役の人、良く出ている俳優さんなんですけど、上手いんですよ。なんか、アホっぽい事をやりながらも、凄く温かく見えて良い味をだす人なんです。彼が出ているだけで、映画が柔らかくなります。

主演は「チェイサー」で印象を残したキム・ユンソクさん。若い頃のスヒョンは、ピョン・ヨハンさん。初めて見たピョンさんですが、横顔が、ちょっとだけ福士蒼汰くんに似ているかなぁ。年齢は福士くんよりもだいぶ上みたいですが。でも、可愛かったですね。

私はあまり良い印象の無い韓国映画ですが、この映画は面白かったと思います。相変わらず、映画中に携帯を開いてメールを見ているオヤジとか女がいましたが、もう韓国映画ではあまりに多いので諦めました。何故にマナー違反が多いんじゃ！韓国映画観てる奴！

あ、スミマセン。また怒りが出てしまいました。映画が悪い訳ではありません。

私は、この映画、超！お薦めしたいと思います。パラドックスしてるけど、私は、十分に楽しめました。観ながら、本当に考えてしまいました。自分の手に入らないけど存在しているのと、手に入るけど消えてしまうのと、どちらが良いんでしょ。観ながら考えてみて下さい。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。

・あなた、そこにいてくれますか|映画情報のぴあ映画生活

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