「ヒトラーへの285枚の葉書」を観てきました。
ストーリーは、
1940年6月、ベルリンで暮らす労働者階級の夫婦オットーとアンナのもとに、最愛の息子ハンスが戦死したとの報せが届く。夫婦で悲しみに暮れていたある日、オットーはヒトラーに対する批判を綴ったポストカードを、密かに街中に置く。ささやかな活動を続けることで魂が解放されていく2人だったが、やがてゲシュタポの捜査の手が迫る。
というお話です。
1940年、ベルリンで暮らす夫婦オットーとアンナに、息子・ハンスが戦士したとの知らせが届く。ハンスは一人息子であり、夫婦にとって、命に代えても守りたかった子なんです。簡単に手紙で死んだと聞かされただけで、納得など出来るはずもありません。
どんどん統制を強くするヒトラー政権は、ユダヤ人の虐殺だけでなく、同族のドイツ人に対しても厳しい統制を引き、その妄信的な政治を進めていく。そんな中、悲しみに暮れていたオットーは、ある日、ポストカードに、ヒトラーの政治に対する批判を書き込み、街中の目につく所に置いてきてしまう。誰にも見られずに、街にヒトラーの批判の種を蒔いたことで、息子の仇を少しでも返したような気持になったオットーだった。
その日から、オットーは、息子を死に追いやったヒトラー政権を仇として、葉書に批判を書き込み、街の色々なところにコッソリ置くことにします。妻のアンナもオットーに協力し、葉書を作り、街に撒くために、ゲシュタポの目を欺き、葉書が出来るだけたくさんの人の目に触れるよう、活動し始めるのでした。
しかし、そんな事がいつまでも続く訳がありません。ゲシュタポは、ドイツの警察官・エッシャリヒ警部に捜査を依頼し、エッシャリヒは頭が良く、プロファイリング的な捜査を進め、段々とオットーの人物像を固めていく。しかし、ゲシュタポは短時間で犯人を捕まえて見せしめにする必要があり、適当な男を犯人として逮捕してしまう。間違った犯人を生贄にすることを拒否したエッシャリヒ警部は、その立場が危うくなり、ゲシュタポに犯人を捕まえろと最後通告を受けてしまう。
そんな時、葉書に書かれた言葉から機械関係の仕事をしている男だろうと推理したエッシャリヒは、ある工場に捜査に入り、臨時で機械修理に入っている男に目を付けるのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。
こんな実話があったんですね。驚きました。ドイツの戦争映画というとユダヤ人が虐められている事しか描いていなかったので、ドイツの方々は、皆さん、ヒトラーに妄信していたのかと思っていたのですが、そうではなかったんですね。
でも、当たり前だと思いました。大切な一人息子を戦争に奪われ、亡くなっても、手紙一つで済まされて、俺の息子をどうしてくれるんだと思うのは当たり前ですよね。俺の息子を殺しておいて、良く、そんな偉そうな顔をしていられるなって思うと思う。きっと、私だって、同じ立場になったら、同じように、何か反抗をしようと思うでしょう。
こんな小さな葉書1枚と思うけど、されど1枚。285枚の葉書を配って、エッシャリヒが回収出来たのは、たしか267枚で、18枚は人々の中で手から手へ周されたのではないかと希望を持ちました。廃棄されてしまったものもあったと思いますが、もしかしたら、その葉書がドイツ人の中で周り、ヒトラー政権を追い詰めるのに、少しでも役にたったかも知れないと思うと、オットーとアンナの行動も無駄ではなかったと思えると思います。
映画を観ると、エッシャリヒは、頭が良い人なので、捜査をしながらも、ヒトラー政権がそれ程長続きはしないことを解っていたのだと思います。そして、ドイツが酷い状態になって行くことも解ったのでしょう。とても可哀想な人でした。オットーとアンナは、自分たちの信念を曲げずに、たとえどんな結果になろうとも納得をしていたのだと思いますが、エッシャリヒは、無念だったと思います。もし、彼が、ドイツ敗戦後も生きていたなら、ドイツが復興する為の一翼になっていたのではないかと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。とても良い映画なのですが、やはり戦争映画で、ちょっと暗い内容ですので、超!お薦めとは言えませんが、映画としてだったら、超お薦めしたいかな。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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