「アラビアの女王」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
20世紀初頭、イギリス鉄鋼王の家庭に生まれ、オックスフォード大学を卒業したガートルード・ベル。イギリスの上流階級の生活を捨て、アラビアへと渡った彼女は、イラン、ヨルダン、シリアなど約2500キロにもおよぶ旅を続け、各地の部族と交流。やがてイラク建国の立役者として尽力した。
というお話です。
ガートルード・ベルは、20世紀初頭のイギリス鉄鋼王の裕福な家庭に生まれ、オックスフォード大学を首席で卒業。社交界にデビューするのですが、女性は男性の付属品としてしか扱われず、両親からも結婚を促されるようになる。しかしガートルードは広い世界へ出て行く事を望み、結婚など見向きもしません。娘を溺愛する父親は、テヘラン駐在公使である叔父がいるペルシャへ旅をさせれば、少しは落ち着くかもと思い、彼女を送り出すのだが、ガートルードの情熱はアラビアの砂漠へと移り、もっと奔放となっていく。
やがてイランと呼ばれるペルシャの公使館でガートルードは、三等書記官のヘンリー・カドガンと出会い、恋に落ちてしまう。しかし、ヘンリーはガートルードとは身分も違い、ガートルードの父親は、その結婚を許す事は無かった。彼女は、父親を説得しようと一時帰国をするのですが許しは貰えず、そんな事をしている内に、ヘンリーは絶望し、自殺してしまいます。
ヘンリーを失った傷は、彼女をますますアラビアの砂漠にのめり込ませます。アンマンの英国領事館で、ベドウィンの研究の為にアラビア半島の砂漠への旅を申請しますが、治安の悪さから女性の旅は危険だと言う事で許可を貰えません。それでも行くと決めて、優秀なガイドのファトゥーフを伴ってアラビアの砂漠へ旅に出ます。
旅の途中で、世界遺産となるペトラの採掘現場でT・E・ロレンスという男性と出会い、意見交換を行う。彼は、のちに”アラビアのロレンス”と呼ばれる人物だった。
ダマスカスの英国領事館の副領事であるリチャード・ダウティ=ワイリーは、彼女を気に掛け、段々と彼女との距離が近づいていく。しかしワイリーは妻帯者であり、ガートルードは、まだヘンリーの事を忘れられてはいなかった。
それから時間が経ち再会した二人は、お互いの気持ちに気が付き、惹かれあうのですが、ワイリーの妻が不安定になり、ガートルードへの思いと妻への責任から逃れるように、ワイリーは第一次世界大戦のガリポリ上陸作戦に参加してしまいます。ワイリーを思うガートルードは・・・。後は、映画を観て下さいね。
この時代には珍しく、自立した女性の半生を描いています。最初は、上品で生意気な金持ちの女性という感じなのですが、アラビアに渡ってからは、とても自由で奔放というような女性になって行きます。そして、ヘンリーとの出会いによって、女性としての豊かさのようなものを供えて、大人の女性に変化して行きます。
それなのに、ヘンリーとの結婚が許されず、ましてヘンリーが亡くなってしまうので、”やってらんねーよっ!”っていう気持ちにでもなったのか分かりませんが、一人で砂漠に出て行く気持ちになってしまうんですよね。そこら辺の気持ちを、もう少し描いて欲しかったけど、ヘンリーが死んで、なんだか、あっと言う間に砂漠に行くってなっていたから、イマイチ、共感は出来ませんでした。
その後、砂漠を旅しながら、色々な部族と出会い、その動向を探りながら、アラビアの未来を見据えて、その地の建国の為にチャーチルなどと会談をしたりしていたらしいです。まず、オックスフォードを首席で卒業、それも20歳(飛び級ですね。)でって、どんなに頭が良かったんだろう。素晴らしい女性ですよね。でも、写真を見ると、それ程、美しい女性では無かった観たいだから、映画でニコール・キッドマンが演じるというのは、ちょっと違い過ぎるかな。それに、もっと強そうな女性っぽいので、眼力の強い女優さんの方が合っていたかも。ニコールさんは、砂漠に立っていると美しいし、見栄えは良いけどね。
私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかなと思います。確かに美しいし、素晴らしい女性が居たんだなっていう事は分かるので良いのですけど、映画の進め方が、イマイチ、歴史的な事が解りにくくて、この時代は、どうなっていて、アラビアがどうなって行くのかと言う事を、もう少し、解り易く伝えてくれていたら、もっと面白かったかもと思います。砂漠の風景が素晴らしく美しいので、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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