「栄光のランナー 1936ベルリン」を観てきました。
ストーリーは、
貧しい家庭に生まれながら、陸上選手として中学時代から類いまれな才能を発揮していたジェシー・オーエンスは、オハイオ州立大学でコーチのラリー・スナイダーと出会い、オリンピックを目指して日々練習に励む。しかし、アメリカ国内では、ナチスに反対し、ベルリンオリンピックをボイコットする機運が高まっていた。そして黒人であるオーエンスにとって、ナチスによる人種差別政策は、当然容認できるものではなかった。
というお話です。
オハイオのい家庭に生まれたジェシー・オーエンスは、その走る才能を見出され、オハイオ州立大学に入学する事になります。入学して直ぐに、大学の陸上コーチであるラリー・スナイダーと出会い、ラリーはジェシーの才能を見抜き、オリンピックを目指す為に練習を始めます。
ジェシーは、国の大会で、ほとんど記録を塗り替え、順調にオリンピックの代表選手となる為の条件を満たしていきます。ベルリンオリンピックが迫ってきますが、既にドイツはナチス政権下にあり、ユダヤ人の迫害などが行われ始め、迫害に反対する為に、オリンピックをボイコットしようという動きが強まってきます。
せっかく練習をして、成績を上げてきたのに、オリンピックを国がボイコットしたのでは出場が出来ません。そして、ジェシーには、黒人人権団体から圧力がかかり、たとえオリンピックに出場する事になっても、ドイツの迫害に反対する為に、ジェシーはボイコットして欲しいと言ってきます。悩むジェシーですが、父親とラリーから、決めるのは君だから、周りを気にする事は無いと言われ、ギリギリまで悩んで、参加する事に決めます。
そして、ベルリンオリンピックが始まります。ナチスの力は大きく、素晴らしいオリンピックが開催されます。しかし、その中には、やはり暗い戦争の影が落ちていて、ユダヤ人は出場を嫌がられ、黒人もナチスからは疎まれていました。そんな中でも、選手同士の交流はあり、確実にスポーツマンシップは守られていました。
そんなオリンピックを撮影している映画監督のレニ・リーフェンシュタールは、ゲッペルスに嫌がらせを受けながらも、美しい選手たちの姿を映像に残し、ベルリンオリンピックの記録映画を作ります。その映像の中には、ジェシーが3つの金を取る姿も収められています。
無事、オリンピックを終え、アメリカにメダルを持って帰ってきたジェシーですが、アメリカでは、まだ人種差別が残っており・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、良かったなぁ。丁度、第二次世界大戦が始まる3年前になるのかな。既に、この頃、ナチスがすごい力を持っていて、ヒトラーの好き放題だったんですね。映画の中に、その独裁加減が、良く描かれていました。
ジェシーが、オリンピックの競技場に入ると、会場を埋め尽くす、凄い数の人々を見て、驚いている場面があるのですが、それくらいオリンピックというのは、世界の祭典であり、4年に一度、スポーツに光りが当たる部分なんだと思います。丁度、リオオリンピックが終わった後だったので、ちょっと感動的でした。
そんなスポーツの祭典が、戦争や人種差別によって、左右れていたというのが腹立たしいと思いました。政治がオリンピックに影響を及ぼしてはいけないハズなのに、この頃は、色々な力が動いていたんですね。驚いたのは、ユダヤ人選手を出場させないようにさせた事。表向きには、平等と言っておきながら、全く違ったんだなと思いました。ま、私がナチスだったら、そうさせただろうから、批判は出来ないけどね。
そういう時代だったとしか言いようが無いです。でも、ユダヤ人迫害と黒人迫害が、なんで一緒にされてたのかな。アメリカ人は、ユダヤ人迫害は悪い事だと言いながら、自分たちは黒人を迫害していた訳でしょ。とっても矛盾しているのに、気が付かないのかなと思いました。あれだけジェシーが頑張ってメダルを取って来ても、温かく迎えてあげないってどういう事なんだろう。さすがに、ムカつきましたが、近年、ちゃんとジェシーを認めるよう、アメリカ政府が動いたようですね。本当に良かったです。
ここに出てきたレニ・リーフェンシュタールって、有名な映画監督なのですが、先日読んだ”ジョーカー・ゲーム”の続編の”ラスト・ワルツ”に出て来ます。ヒトラーお抱えの映画監督として、結城中佐の部下に利用されたりしてましたよ。面白かったな。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも、やっぱり単館系だし、ジェシーの歴史を追って行くものなので、それほど大きな波も無いので、娯楽映画としては、ちょっと物足りないかも知れません。でも、感動するし面白いですよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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