「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」子供にとっての戦争は大好きな人を奪う恐ろしい怪物。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」の試写会に連れて行って貰いました。


ストーリーは、

アメリカ西海岸の小さな町に暮らす8歳のペッパーは町の誰よりも背が低く「リトル・ボーイ」とからかわれていた。ペッパーは大好きな父親との楽しい日々がいつまでも続くと思っていたが、徴兵検査に引っかかった兄の代わりに父親が戦場へ借り出されてしまう。父親をなんとかして戦場から呼び戻すことを固く決意したペッパーは、すべて達成することができれば願いがかなうリストを司祭から授けられ、父親奪還大作戦に向けて動き出す。

というお話です。


リトルボーイ

第二次世界大戦下のアメリカ・カリフォルニア州の小さな漁村に生まれたペッパー。産まれた時から小さくて、8歳になった今も、ペッパー・バズビーは町の誰よりも背が小さく、”リトル・ボーイ”と呼ばれていました。父親は、そんなペッパーを”相棒”として可愛がり、いつも一緒に、映画を観に行ったり、奇術師ベン・イーグルのマジックを観に行ったりしていました。

リトルボーイ

そんな平穏な日々が終わる日がやってきます。ペッパーの兄・ロンドンが徴兵され、戦争に行く為に、軍の検査を受けると、偏平足の為に検査に落ちてしまい、その変わりに父親が戦争に行く事になってしまいます。一家に働き手は1人いれば良いので、兄が残るなら父親が行かなければなりません。”相棒”を失って悲しむペッパーですが、戦争が終われば帰って来ると言われ、戦争が終わる事を祈っています。

ある日、強制収容されていた日本人のハシモトが町に戻ってきます。アメリカに忠誠を誓えば日本人でも解放されたんです。ペッパーは、自分から父親を奪った戦争を起こした国の日本人が、同じ町で暮らしている事にガマンが出来ず、ハシモトの家に石を投げて、ガラスを割ってしまいます。ペッパーは、教会の司祭に呼び出され、罪を償う為にハシモトに親切にすることを約束させられ、そのリストを受取ります。

リトルボーイ

ペッパーは、翌日からリストに書かれた事柄を行う為に、ハシモトと交流を始め、敵国の国民であると言う事を忘れ、打ち解けて行きます。しかし町では、ハシモトを良く思わない住民も多く、ペッパーの姿は奇異に写りますが、ある出来事でペッパーが奇跡の力を起こしたと勘違いされ、ペッパーは、一目置かれるようになります。

そして、戦争を終わらせて、父親を家に戻す為、もう一度、奇跡を起こそうとペッパーが、毎日、夕日に向かって念力を唱えていると、日本の広島に”リトル・ボーイ”が落ちて、戦争を終結する糸口となり、またもペッパーの奇跡が叶えられたことになってしまいます。大喜びするペッパーや町の人々。


リトルボーイ

しかし、広島の原爆のフィルムを町の映画館で上映すると、その悲惨さに誰もが息を飲み、ペッパーは、自分がしてしまった事に恐怖を覚えます。そして、悲しい知らせが届きます。知らせを聞いたペッパーは・・・。後は、映画を観て下さいね。

この映画、凄いです。終戦記念日の前日に観たのですが、これは、もう少し早く公開して、原爆の日や終戦の日に、考えて欲しい内容でした。可愛くて、ちょっとコメディが入っていて、笑ってしまう場面が多いのに、本当は、凄い事を描いているんです。


リトルボーイ

戦争って、誰も幸せにはなりませんよね。敵を倒せば良いと思うけど、敵だって人間であり、家族が居て、生活が在るんです。この映画は、アメリカ側のお話だから、そりゃ、広島に原爆を落とせば、みんなで大喜びをして、敵を倒せたと思いますよね。当たり前です。でもね、その喜ぶ姿を見ている日本人は、辛いんです。だから、公開するなって言うんじゃないんですよ。同じ事を、日本はパールハーバーでやっているんですから。先制攻撃と言いながらも、相手から見れば、卑怯な手を使って攻めて来た日本軍なんですから。同じなんですよ。

リトルボーイ

この映画の凄い所は、そんなに喜んでいた彼らが、広島のフィルムを見て、愕然として無言になる所です。彼らも、自分たちがやった事を知って、驚くんです。同じ人間が、焼け爛れて死んでいるのを見て、恐ろしさに震えるんです。とても人間的でしょ。そこで気が付くんです。戦争って、人間をおかしくしてしまうんだって事を。


日本人にも、同じ事が言えるんです。だから、こういう映画を日本で公開して、ちゃんと、お互いが間違えたと言う事を考えなくちゃいけない。子供が苦しむような事をしてはいけないんです。そして、ハシモトという人物を通して、自分の産まれた国と生きている国に挟まれて、どうしようもない立場になってしまう悲しみも解ってあげないといけないと思うんです。戦争でも、戦争でなくても、国同士の争いに、個人が左右されてしまうのって、悲しいよね。


リトルボーイ

うーん、この映画、素晴らしかったです。私は、超!超!お薦めしたいと思います。もっと、色々な所で公開してくれれば良いのにぃ。シネコンでも、一日、1回でも良いので、公開して欲しい。若い人にも、年配の方にも、この映画は観て欲しいと思いました。これは、久々の一品だと思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




リトル・ボーイ 小さなボクと戦争|映画情報のぴあ映画生活


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