今日は、「スーパー・チューズデー 正義を売った日」の試写会に行ってきました。日本での最初の披露試写だったようで、マスコミの方がたくさん観に来ていたようです。
ストーリーは、
マイク・モリス知事(ジョージ・クルーニー)の大統領選挙キャンペーンチームで戦略担当を務めるスティーヴン(ライアン・ゴズリング)は、決戦のキーポイントとなるオハイオ州予備選討論会の後、ライバル陣営から密会の依頼を受ける。その後、インターンとして働く女性と仲良くなった彼は、選挙戦を揺るがす重大な秘密を知ってしまう。やがて彼はし烈な情報操作戦の渦中へと巻き込まれていく。
というお話です。
この映画、政治の駆け引きとか、色々な情勢を知っている人ほど、面白いと思えると思います。今、ちょうど、アメリカも大統領選を迎えていて、予備選のニュースが、結構流れてくるでしょ。それと並べて観てみると、本当に面白いと思います。相手のゴシップを流したり、とにかく、子供じみた、イジメ作戦を展開していくんです。くだらない事、やりあってるなぁって思うけど、本当のことなんですよ。
えげつない選挙戦を戦っていく中で、スティーブン(ライアン・ゴズリング)は、その才能を発揮していきます。ポール(フィリップ・シーモア・ホフマン)という選挙請負人の部下として、順調に選挙を戦っていくのですが、ある事件によって、その歩みが止まります。それは、観てのお楽しみです。
元々、スティーブンは、正しい政治をして欲しくて、モリス知事(ジョージ・クルーニー)を応援するスタッフになったのですが、それが、段々と、変わって行きます。ただ、正義を振り回していても、何も始まらないということが判ってくるのだと思います。それは、政治だけではなく、社会に生きていれば、誰もが感じる事ですよね。学生の頃は、正しい事を言っていれば、とりあえず、先に進めたのですが、社会では、そんな事通じません。
相手を陥れても、だましても、信念を曲げたとしても、人でなしと言われようとも、最後に勝つものが正義になるんです。負ければ、すべての意味が無くなります。勝った者が、成功した者が、すべてを手に入れるのです。今の日本の政治も同じですよね。選挙の時は、偉そうにマニフェスト通りにやりますとか言っておいて、勝ったら、そんな物無かったかのように、消費税を上げるとか、子供手当ては止めるとか、やりたい放題。勝ったから、もう、好き勝手なことをやってしまうのです。
どこの国も、どの世界でも、勝者のやりたい放題。勝ってしまえばこっちの物。だからこそ、何をしてでも、どんな手を使ってでも、勝つことが目標となるんです。そんな汚い手段を使ってでもという人々を描いているこの映画は、見方によっては、本当に面白い作品となります。
私は、この映画、とてもお薦めしたい映画です。申し訳ないけど、たくさんの知識がある人ほど、面白いと感じると思います。物事を知らない人には、この映画の面白さは分かりません。新聞、ニュースを読み、社会情勢に目を向け、真実を見る目を養うことが、この映画が訴えていることだと私は思いました。楽しいだけの映画も大好きだけど、たまには、色々考える映画も、必要だと思いますよ。
・スーパー・チューズデー ~正義を売った日~@ぴあ映画生活