【F映画祭】「4月の涙」 フィンランド内戦時に生まれた儚い愛のものがたり  | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

フィンランド映画祭4作目は、「4月の涙}(仮題) を観ました。


ストーリーは、

1918年、フィンランド内戦末期、赤衛軍の女性兵士たちが白衛軍の男性兵士たちに捕えられる。その後、女性兵たちは乱暴され、逃亡兵として銃殺されてしまう。あまりにも理不尽で残酷な蛮行に衝撃を受けたドイツ帰還兵のアーロは、公正な裁きの場を求めてひとり生き残った女を連れボートに乗り込む。しかし女の反抗でふたりは荒涼とした島に遭難。やがて島で暮らすうちにふたりの関係に変化が生じはじめる。その後に判事のもとに辿り着いたふたりを待っていたのは、公正とは程遠い利己主義で冷酷無比な男の仕打ちだった。ふたりを待ち受ける過酷なまでに哀しく、切ない運命。内戦という異様な時代を背景に様々な愛の形が描かれる。

というお話です。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-4月2

フィンランドに内戦があったことも知らずに、この映画を観てしまいました。でも、すごい感動作でした。

白衛軍は、現フィンランドの元となる思想の人々、赤衛軍は、ロシアなど共産主義者です。


誇り高き女戦士のミーナは、何をされても従うことなく、自分の信念を貫き、兵士アーロは、狂った戦場で、ただ一人清い心を捨てず、正しい事を貫こうとする。そんな2人が、護送兵と捕虜という立場でありながら、段々と心を通わせていきます。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-4月1

あまりにも痛々しい2人で、本当に悲しくなりました。アーロは、彼女を助けるために、あらゆる手を尽くすのですが、ミーナは、その信念を曲げず、窮地に陥っていってしまう。こんなにも思い合っていながら、それを口に出す事ができない立場の2人。切なくて、かわいそうで、美しくて、本当に引き込まれました。


戦場では、狂っていることが当たり前になってしまっていて、教養のある誠実な人間にとって、地獄のような場所に思えるのでしょう。戦争裁判所の判事が出てくるのですが、彼は、元は作家で、教養人なので、戦場での裁判を取り仕切るなどというのは、非常に苦しいことだったのだと思います。アーロは、この判事なら、戦中でもまともな判断を下してくれると思い、捕虜のミーナを連れて行くのですが・・・。狂った戦火の中、この判事も、周りの人間の手前、自分だけ正しいことを貫くのは難しく、自分が汚れていくのに絶えられなくなっている状態でした。すべての負の要素が、彼らを追い詰めて、辛いクライマックスへ突入していきます。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-4月3

主演の二人は、イケメンと美女の、悲しいラブストーリー鉄板の二人です。特に、アーロ役の   さんは、本当に綺麗な顔をしています。これからもラブストーリーに出て欲しいような、そんな俳優さんです。


使われている音楽が、クラシックなど、とても印象的でした。教養のある人間が集まっている時に、ゲーテの詩を読んだり、ベートーベンの「魔笛」をかけたりしていて、判事が一人で今の状況を嘆いているような場面でエリック・サティの音楽が流れます。監督にこのことを伺ったら、意図している訳ではないけれども、エリック・サティのレコードが、この時代の遺品として、たくさん残っていたから使ったそうです。


とても感動する、良い映画でした。美しい主演の二人を見るだけでも、価値があると思います。まったく戦争の事を知らなくても、問題なく見れる作品なので、ぜひ、ご覧になってください。

2011年公開予定です。カメ


P.S  そうそう、腐女子の方が喜ぶ場面がありましたっ!!小さくて締まったオシリが好きっ!!(笑)


そういえば、邦題を募集していたので、
「美しき狼は傅かない」「魔笛に導かれし銃弾」「孤島での一夜」 とかどうでしょう。

私のイメージは、こんな映画でした。




ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-4月4



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