今日は、「借りぐらしのアリエッティ」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
古い家の台所の下に住み、暮らしに必要なものはすべて床の上の人間から借りてくる借りぐらしの小人たち。そんな小人一家の14歳、アリエッティは、好奇心と伸びやかな感性を持つ少女。だが、人間に見られないよう、目立たないよう、つつましさと用心深さを求められる毎日を送っていた。そんなある日、心臓病を患った少年”翔”が現れる。彼に姿を見られてしまったアリエッティは、掟どおり、両親と共に引越しをしなければいけなくなるのだが・・・。
というお話です。
まず、絵が素晴らしいですね。自然がとても美しく描かれていて、惹きつけられます。ジブリの作品を見る度に関心するのが、細かい所をすごく観察しているということです。今回は、床下に借りぐらしをしている小人なので、床下の風景が描かれているのですが、そこに住むコオロギやダンゴムシなど、良く観察しているんだなぁと関心するような描き方がされています。外の自然も、風が吹いた時の葉の揺れ方など、強い風と弱い風の違いがキチンと描き分けてあって、本当に驚きますね。
今回のお話は、小人と人間のお話です。大きさの違いがとても良く解って、小人だとこんな風に見えるんだなって言う感じで床下や壁裏などが描かれています。この映画を観て、小人の友達がいたら、建築物の細かい所をチェックしてもらえていいなぁって思ってしまった私は、職業病なんでしょうね。コンセントの裏とかに入って行くのですが、感電したら大変だよっ!って心配してしまいました。
でもね、自分の家でも、あれっ?ここに置かなかったっけ?とか、どうしてこんなところに穴があるのかな?とか、思うことってありませんか?この映画を観ると、なんだか、もしかして、小人っているのかもしれないって思ってしまいます。本当に居てくれたら、会えないとしても幸せだよなぁ・・・。
CMで公開されているセリフで、少年が「君達は、滅び行く種族なんだよ。」っていうセリフがあるのですが、このセリフ、心にグサッときました。アリエッティに向けて発せられる言葉なんですが、アリエッティは、必死で生きているし、生きて行きたいのに、こんな言葉を向けられたら、なんて返して良いのか解らないですよね。もし、自分がそんな種族だったら、絶望してしまうと思います。子供だからこその残酷な言葉なのですが、こういう滅び行く種族を作ってしまっているのは人間だし、自然を壊しているのも人間、すべて人間が便利になるために、環境を壊してしまっている。そんな自分勝手な人間の仕打ちを、彼らは仕方なく受け入れているということを、改めて考えさせられました。
今回の声の配役は、とても合っていた様な気がしました。みなさん、上手いですね。樹木さんのお手伝いさん役、とっても面白くて、合っていました。もちろん、他の配役もピッタリでしたよ。
ネコちゃんが出てくるのですが、このネコちゃん、ふてくされていて性格悪そうな態度なんだけど、すごく良い子なの。実写でやるなら、御子神さん(ねこタクシー)がやってくれたらピッタリだろうなぁ。ネコって、人から言われてやるのはイヤだけど、頼まれたり、助けてやらなきゃなぁっていう時は、ちゃんとやってくれますよね。しょうがねーなーって感じで、面倒を見てくれる、ちょっと保護者タイプの動物って感じが、この映画でも良く描かれていました。
この映画、私は、とてもお勧めしたいと思います。この映画では、滅び行く種族だけど必死で生きているアリエッティと、人間だけど病気で明日が見えない絶望している少年とが出会い、生きることがどれほど大切か、どんなに素晴らしいことかということを教えてくれます。
どちらかと言うと、大人向けの内容かなと思えました。感情がとても静かに動いて、ジーンと染みて来る、そんな感じです。大泣きするとかではなく、涙が頬をつたってくるという感じです。
この夏、”ヒックとドラゴン””トイ・ストーリー3”と並んで、必ず観たいアニメですね。他の2作とは違う、日本的な感動を与えてくれる作品だと思います。
・借りぐらしのアリエッティ@ぴあ映画生活
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