今日は、1本だけ。”シングルマン”を観てきました。あの有名なデザイナーのトム・フォードが初監督した映画です。
ストーリーは、
キューバのミサイル危機真っ只中の1962年。人々は、その危機など気にせず、近代化する世界を楽しんでいた。ロサンゼルスを舞台に、長年のパートナーだったジムの死後、生きる価値を見出そうと苦悩する英国人大学教授ジョージ(コリン・ファース)と、同じく将来について自問し苦悩している親友のチャーリー(ジュリアン・ムーア)に、ジョージは慰められる。自分の本性を受け入れているジョージの生徒、ケニーはジョージのことを気心が合う人間だと感じ、彼にゆっくりと近づいていく。本作は、マイノリティによるロマンティックな愛の物語であり、人間は本来孤独を抱えているが、究極的にはそれは人生においてちっぽけなことだと思うことは大切だと伝えている。
というお話です。

この作品、本当に初監督作品ですか?と疑いたくなるほど、素晴らしい出来でした。原作も良いのかも知れませんが、その色彩の使い方、映像の撮り方、舞台美術など、全てにおいて、本当に完璧というほどに完成されていて、驚きました。
愛人ジムが亡くなり、その悲しみのあまり、生きている感覚が無いほどになってしまうジョージの生活が、どんどんモノクロになっていき、時々、美しい女性や男性に触れて生きている感覚を取り戻す色彩のある生活、そのコントラストが、彼の感情を表していて、セリフなど無くても伝わってくるところがステキでした。
男女の愛は、いつしか生活観が出てきてしまうと思いますが、男性同士の愛って、なんとなくいつまでも変わらない感じで、ステキだなぁって思ってしまいました。女性としては、ちょっと悔しいけど・・・。
愛人のジムが建築家という設定なので、建築物が素晴らしいです。建築やインテリアをやっている方は、映画の中の舞台を見るだけでも、十分勉強になると思いますよ。建物もステキだし、インテリアも素晴らしい物を使っています。もー、そのドレッサーだけで、幾らするのよ~って言うくらい、高価なものばかりです。1960年代のモダンな雰囲気を美しく表現しています。
そして、社会背景も、キューバ危機やソ連との冷戦時代なので、いつ戦争が起きてもおかしくないような暗い政治情勢の中、普通に暮らしている家族たちのギャップも、すごいなぁって思いました。

なんか、褒め言葉しか出てきません。私、本当にこの作品、気に入りました。
日本で公開してくれることを祈っています。もし、公開してくれないなら、DVDを海外から取り寄せちゃおうと思います。インテリアとして、この映像、ずーっと流したい感じですもん。
もし、公開されたら、ぜひ、観に行ってください。デザイン関係をやっている方は、必見です!!
明日は、一日、映画祭に行ってしまい、夜遅くまで観ますので、アップが遅くなると思います~
