韓国映画史上最狂ホラー "무서운 집" ーもしくは「パンドラの箱を開けたのは誰なのか」ー | ゆうきの韓国スケッチブログ

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ソウルに住んで16年目の日韓夫婦。韓国の日常をつれづれなるままに文字や写真やイラストでスケッチしていきます。

今、韓国の映画ファンの間でひそかに話題となっている映画があります。
韓国映画史上最(あるいは最の問題作
その名も


"무서운 집"


うむ...



ポスターからしてただごとではないC級感が漂ってきますね...。
そしてタイトル...

「怖い家」って...
ひねりも何もあったものじゃありません...
今どき小学生でももうちょっと気の利いたタイトルをつけそうなものです...


この映画、もともと7月30日の一日限りの上映だったのですが、
そのあまりにもアレな内容に映画ファンの間で口コミが広がり
正式に堂々のリバイバルを勝ち取ったといういわく付きの作品。
しかも上映しているのが、光化門の「ミロスペース」と狎鴎亭の「ジョイ&シネマ」という、まあわかる人にはわかるソウル代表「マニアック系シアター」の2館だけというプレミアぐあい。

主演はこの方...

この映画で初出演にしていきなりヒロインの座を獲得した奇才の新人”구윤희”さん!

俳優離れしたリアルでナチュラルな演技が特徴...!


って


ただのド素人のアジュンマです。



ではあらすじをチェックしてみましょう

사진작가 부부는 새로 장만한 4층 집에 스튜디오를 꾸미고 이벤트에 사용할 마네킹들을 조립하며 행복한 시간을 보낸다. 그러던 중 남편이 출장을 가게 되어 큰 집에 홀로 남게 된 아내. 새 집에서의 생활을 기대하며 한껏 기분이 들뜬 아내는 노래를 부르며 혼자만의 즐거운 시간을 보내지만 즐거움도 잠시, 자신의 눈 앞으로 다가와 쳐다보는 마네킹의 모습에 놀라 도망치지만 이사 준비로 예민해진 탓에 헛것을 보았을 거라고 생각하며 무심히 넘겨버린다. 집안 구석구석을 정리하며 시간을 보내지만 곳곳에서 들려오는 괴이한 소리와 자신을 따라다니기라도 하는 듯 쉬지 않고 나타나는 정체 불명의 형체들이 아내를 쫓아다니며 괴롭히는데..

写真作家夫婦が新しく購入した4階建ての家にスタジオを併設し、イベントに使うマネキンたちを組み立てて幸せな時間を過ごす。そんな中夫が出張に出かけ広い家に一人とりのこされた妻。新居での生活への期待に気分を良くした妻は歌を口ずさみながら一人っきりの楽しい時間を過ごすが、自分の目の前に迫って来たマネキンの姿に驚き逃げ出す。しかし、引っ越しの準備で過敏になっているせいで幻覚を見たのだろうと自分を納得させる。新居をあれこれ整理して時間を過ごすが、あちこちから聞こえてくる奇怪な音と自分に付きまとうようにひっきりなしに現れる正体不明のモノが妻を追いつめ苦しめる...
(出処:ネイバー映画  訳:ゆうき)


いろいろ書いてはありますが...ひとことで言うと

広い家の中で韓国の素人アジュンマがひたすら悪霊に追いかけられるだけの
です。


これだけだとただのゲテモノ作品かと思ってしまいそうなものですが、
問題は...

異常に高いレビュー点...


9.64って...普通に出る数字じゃありません...。
今話題の「暗殺」(9.1点)や「ベテラン」(9.25点)よりも高いって一体...。


レビューにざっと目を通してみても

「本当のホラーを目撃した」
「韓国映画は『무서운 집』の前後で二つに大きく分けられる」
「この映画のおかげでが治りました」



なんかもう、いろいろまともじゃない!



....で

はい、ワタクシ誘惑に負けて観てきました。

きっと後悔するんだろうと思って1万ウォン払って観てきました。



結果ですが。




「うん。見てよかった(遠い目)」





まず、中途半端なホラーよりよっぽど怖かった
そして、中途半端なコメディよりよっぽど笑えた
なにより、見ていて腹が減るホラーは初めてでした


なんかこう
全開オープンのパンドラの箱に90分間無理矢理首を突っ込まされていた感じで、

今まで僕が見たどの韓国映画にもない迫力と、そしてなぜか奇妙な説得力がありました。

とりあえず
韓国アジュンマと悪霊が本気で戦ったら...という仮定においては
これはこれでものすごくリアルです。

悪霊ともみ合いになったあげく、ひっくり返って
"아이고 아이고 허리야(アイゴアイゴ腰が)..."
と呻くホラーヒロインは後にも先にも彼女ひとりでしょう。



絶対に
絶対に
日本公開されることはない
だろうし、
DVD化もおそらくありえないでしょうし、
ひょっとしたらこのまま
「幻の映画」となるかもしれない匂いがプンプンしますので、
気になる人は今のうちに映画館に足を運んでみてください。


では最後に、パンドラの箱、チラ開け(略してパンチラ)です