これから韓国留学を考えている人へのメッセージ①留学前の語学力について | ゆうきの韓国スケッチブログ

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ソウルに住んで16年目の日韓夫婦。韓国の日常をつれづれなるままに文字や写真やイラストでスケッチしていきます。

ここ10年で、韓国で学ぶ日本人留学生の数は飛躍的に増加しました。
これから韓国留学を考えている人も多いようで、TwitterなどのSNS上でも、「韓国留学を考えているのですが...」という相談や質問を受けることがよくあります。

僕が来韓した2001年当時と今では、いろんな事情が変わりすぎていて
なかなか的確なアドバイスができないのが、もどかしく、また申し訳なくもあるのですが、
中には時を経ても変わらない...というか、時を経たからこそ
言えることがあるものです。

これから韓国留学を考えている「同志」の皆さんへ、
僕が個人的に思っているメッセージを伝えて行きたいと思います。



「韓国留学をするために、どれぐらい韓国語ができたほうがいいですか?」

これは本当によく受ける質問です。
留学生の中には日本で独学して、空港に着いたときからある程度の日常会話は可能な人もいれば、
ハングルを読むこともままならないほどのゼロ初級の人もいます。

どちらのタイプも一長一短、メリットとデメリットがあると言えます。
ある程度できる状態で来た人は、部屋探しや身の回りの物を買いそろえる際に
はるかにストレスを感じずに済みます。そのかわり、日本で変な発音や表現に
変なクセをつけて来てしまった場合、その矯正に手こずることが考えられます。
ゼロ初級の人は、まっさらな状態で生の韓国語を吸収することができますが、
その分、右も左もわからない目隠し状態で街を歩かされるような
とてつもない不安感との闘いが待っています(それを楽しめる人もいますが)。


僕がこのような質問を受けた時に個人的に言っているのは
「予定の留学期間が短ければ短いほど、日本で勉強してきたほうがいい」
ということです。


理由は簡単です
「韓国の楽しみ方を知るためには、それなりの基礎語学力が必要だから」です。

ひたすら机に向かってする勉強とは異なり、
留学は生活の中で起こるイベントすべてが勉強であり、
限られた期間に出来るだけ多くのことを吸収するには、
自分からさまざまなことに積極的に関わり、チャレンジする必要があります。

でも、韓国語がゼロの状態で立ち向かっていっても
おそらく達成感よりも挫折感の方が大きい結果に終わってしまうのではないでしょうか。
それが一ヶ月未満の短期留学ならば、結局「できた」という手応えを
感じる間もなく帰国ということになってしまいます。

「できた」という感覚は、その言語を習得するための
なにより大きなモチベーションの源です。
それを得ることなく、ただ異文化に翻弄されて帰国するというのは
投資する金額や時間の大きさを考えるとすごく勿体ないと思うのです。

人によると思いますが、僕が
「韓国の楽しみ方がわかってきた」と実感したのは
語学堂の5級の終わりごろだったように記憶しています。
それまでひたすら与えられるものを受容するのに精一杯だった状態から、
自分なりの方法で韓国という社会にコネクトしていけるようになった頃です。

一般的にゼロから始めた場合、その状態になるまで
一年強の時間が必要となります。
十分に留学に時間をとれるのであれば、異文化の波に翻弄されつつ
少しずつ泳ぎ方を学んで行くのもいいと思いますが、
できればせっかくの現地生活を「能動的に楽しめる」時間を
持てるように計画を立ててくるのはどうだろうか、と思うわけです。