おはようございます。
昨日、子供に勉強をする意味や目的を伝える必要性について書きました。
何のために勉強するのか、考えてみられたでしょうか?
ここでまず、目標と目的の違いを明確にしておきたいと思います。
例えばお子さんが中学受験をするとします。
○○中学に入ることは目標。そして「何のために受験をするか」が目的ということになるでしょう。
では、何のために受験をしますか?
いろいろな答えがありますね。公立中学は荒れていて・・・高校進学のため・・・中学受験をする理由がそれぞれあるはず。
でも、「何のために勉強するか」をもっと本質的に考えてみましょう。
「何のために?」という自問を繰り返して、次に出た答えに対して何度も「何のために?」を繰り返してみます。そうすると本質的な答えが出てくるはずです。
例えば、
「いい高校に入るため」←「何のために?」
「いい大学に入るため」←「何のためにいい大学?」
「いい就職歳を得るため」←「何のためにいい就職?」
「[給料もいいし、世間体もあるから」←「何のために?」
「人並みの生活をするため」←「それは何のため?」
このように質問を繰り返していくと・・・
結局、子どもに幸せになって欲しいんだと思いますがいかがでしょう?
では、幸せな人生ってどんな人生でしょう?
健康で、お金があって人からも信頼され、家族にも恵まれ・・・
実は、自分の幸せを追求する生き方は、人に決して幸福感を感じさせることはありません。
これが自分の幸福を求めすぎると幸福になれないという幸福のパラドックスです。
それは多くの哲学者たちが頭を悩ましてきた問題でもあるのです。
では、どうすれば子供たちは幸せと感じる生き方をできるでしょうか?
アドラー心理学がその答えを持っていると私は思っています。「幸せ」というものを考えた時に、アドラー心理学は貢献感が関係していることを示しています。
他の人に対して自分は貢献できる、そんな感覚を持つことができれば、人は自分が幸せだと感じられる可能性が高くなるというのです。だから、そんな貢献感を持った子に育ててあげることが、子供の幸福感を満たすはずです。
その点で何回かご紹介している喜多川泰さんの本から引用させていただきます。
わが子の幸せを願うのは、悪いことではありません。でも、子どもが幸せを手に入れる方法は「自分のために頑張ること」ではなく、「人のために生きることなのです」・・・人間は人のためにこそ、より強い意思を持って行動できるようにできています。あなたが勉強しなければ困るのは、あなたではなく、将来あなたと共に生きる人なんです。
いかがでしょう?
誰かのため、人のために生きて貢献することが、勉強の目的であり、それがあればこそ、人は強い意思を持って行動できる。
多くの事例を見るとそれが、確かであることを証明しています。
それと共に子供さんが勉強しないと将来、困る人さえいる!
そう考えると子供も何かをしないとと思うことでしょう。
さて、話を戻しましょう。
中学受験で狙う中学は目標。その中学に入る理由が目的でした。
目的にはビジョンともいえる長期的なものとその場その場のものがありそうです。
長期的な意味での目的(ビジョン)は最終的に行きつくところであり、その人のあるべき姿、また存在意義など。
では、その行きつくところは、何でしょう?
それは喜多川さんも述べるように、子どもが他の人に貢献できる人になって、幸福感を感じて生きることだと私は思います!
そして勉強の大きな目的の中で、要所、要所に、どの高校に行くか、どの大学に行くかといった通過点としての目標も生じてくるわけです。
勉強の大目的(ビジョン)があって、要所、要所にそれぞれの目標と目的。
それを理解していると大学に入って五月病になるなんてこともないでしょうね。
その意味で最終的な目的を意識することは重要だと思います。
そんな目的について伝えることができますか?
それが、子供さんに意味深い生き方をさせる秘訣なのかもしれません。
またまた、長文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
参考文書
とってもいい本ですよ。
手紙屋 蛍雪篇~私の受験勉強を変えた十通の手紙~/喜多川 泰