★『ドリアン・グレイ』★ | vivienne sato
マシュー・ボーン『ドリアン・グレイ』。残すところあと4回。

踊りはさる事ながら、舞台上には様々なイコンやアートへのオマージュも散りばめられております。

フランシス・ベーコンの絵画が二枚登場してあったり、ダミアン・ハースト、ヘルンバイン、マンテーニャの死せるキリスト、そしてケン・ラッセルの映画『サロメ』など。。。

『ドリアン・グレイ』では中盤から主人公は自身のドッペルゲンガーに悩まされだします。そもそもバレエとはダンサーは自分の肉体を極度に客観視し、観客は その肉体に自己を投影します。ダンサーは一種の「依り代」(よりしろ)の様なものになるのではないでしょうか。主人公の影の様なドッペルゲンガーが現われ ることにより、主人公は完全に分裂してしまいますが、同時に見ている側はそのどちらを「依り代」として捉えるのか、もしくはダンサーを「依り代」として初 めて意識する瞬間とも言えるかも知れません。

ケン・ラッセルの『サロメ』のサロメが踊るシーンでは最後にサロメは分裂して一瞬2人になります。
最近のヒット映画『ブラック・スワン』も同じですが、バレエと自己分裂は興味深く普遍的なテーマなのかも知れません。

http://www.youtube.com/watch?v=DaCYkxeRu0E