今日深夜まで原稿が終わらず、
カタカタカタカタカタカタカタカタ･･･とパソコンに向かっていた。
あ「あ～疲れた」
そう呟いて、伸びをしたその時だった…。
？「おい」
誰もいるはずのない背後から聴こえる声。
あ「ん？」
声の方へ振り返るも誰もいない。
疲れてるのかな？
まぁ実際疲れてるしな。
そう思って、再びパソコンに向き合う。
？「おい」
今度はさっきよりも大きい声で、
もう一度聴こえてくる声。
え？まじ何？キモいんだけど。
振り返ってもやっぱり誰もいない。
あーやだやだ。
幽霊とかマジ無理。
マジキモ。マジウザ。
てか、信じてないし。
俺、今忙しいんだよ。
そう思って、イヤフォンを付けて、
続きを書こうとした、その時…。
？「おい！！」
ビクゥッ！！
ちょ！？なになに！？！？！？！？！？
もう錯覚じゃなかった。
確実になにかいる。
僕の部屋になにかいる。
いるはずないのになにかいる！！
やばいやばいやばいやばい…。
そ～～～～～～っと、
部屋全体を見回してみた。
そこに、いた。
マジで、いた。
汚らしい見た目のヒゲ面の２ｍ級の大男…。
こんなん。
マジ？
マジで。
え？あんた誰？？？？？？？
大男は言う。
？「お前、ええ加減にせいよ、コラ」
…はい？
あ「え、えっと、なんのことでしょう？」
？「ええ加減にせいよ、って」
あ「いや、マジで、なんのことでしょう？ってか、あんた誰？」
男は僕の問いには答えず言う。
？「お前今日、俺、俺、俺の素戔雄（すさのお）神社来たんちゃうんかい」
あ「あ…」
？「しかもお前、言うたやろ。『俺の人生、何とかしてください』って、何とかしに来たったぞ、コラ」
その言葉と同時に脳裏に思い起こされる、
昼間の映像。
そして横目に見えるのは、
帰り際に頂いたお札に書かれた、
『素戔雄神社』の文字…。
？「スサノオや。
お前よぅ好き勝手言うてくれたのぉ」
あ「てててて、て、ていうかかか、なぜ、ああああなた、ぼぼ、ぼ、僕の家に、い、い、いいいるの？」
突然の訳が分からない出来事の連続に、
ガクガク震えが止まらない僕に、
スサノオと名乗る神が言う。
スサノオ（以下：ス）「あれ見てみぃ」
言われた先を見てみると先ほどの札･･･。
あ「あ…」
ス「そこの神社の札授かったら、その神が、お前の家おるぐらい普通やろ。てか、お前そのために授かったんちゃうんかい」
あ「あ、あっ、あっ、あっ…」
そう言うと、スサノオを名乗る大男はドカッと僕の部屋にあぐらをかいて座った。
ス「まぁ座れや」
そう言うと、僕はスサノオ…？の前に座らされた。
ス「正座や！正座！！」
あ「は、は、はい！！すいません！！」
勢いに気圧されて、正座をさせられると、スサノオは僕に思いきり顔を近付けながら言う。
ス「どう責任取ってもらおかな～？」
あ「せ、責任…？」
ス「お前、神さまバカにしたら、どうなるか分かってるやろなぁ？っていうか、お前、俺、俺、俺がどれぐらい有名か知ってるん？」
そこから、怪物ヤマタノオロチを倒しただの、今の日本を作ったのは実は俺だの、いかに自分が凄いのか、いかに自分が有名な神なのか、同じことを延々と２時間…。
深夜の３時に…。
そして、
ようやく終わった話の結論は…。
ス「ワシ、これからここに棲むから」
あ「はぁ！？！？
いやいやいやいやいや！！！！何言ってるんすか！？！？！？ダメです！ダメです！！」
ス「何がダメや！お前の人生ががダメじゃ！！！！」
あ「ぐっ、確かにそうだけど、いやだ！！」
ス「お前の顔がいやじゃ！！」
あ「帰れ！！」
ス「帰らん！！」
そんなすったもんだを繰り返して、３０分…。突如としてスサノオが言い放った。
ス「お前の人生変えたるから！！」
あ「…マジ？」
ス「マジ」
あ「どうやって？」
ス「まぁ任せろや。俺、俺、俺は、伝説、伝説、伝説の神スサノオやぞ」
ス「ていうかな、まずお前に言いたいことがある。お前は、な～～～～～～～～～～～んにも神のこと分かっとらん」
あ「だって正直神さま、嫌いですもん」
ス「その捻くれた根性も、１から叩き直したる」
…こうして、伝説の神を名乗る神？と僕の共同生活が始まった。
あ「棲むのは分かりました。けど、一回写真撮ってもいいですか？」
ス「えぇよ。どうせ映らんけど」
そう言ってスサノオさんのいるところに、
カメラを向けてみると…。
あ「本当に、映らないですね」
ス「まぁ神さまやからな。映ったらロマンないやん？」
ということで、
今横にいるスサノオさんのイメージだけ上げておきます。
こうして、
僕とスサノオさんの奇妙な共同生活が始まった。
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