夏目漱石(1867~1916年)といえば、近代の日本文学の牽引者として名高い。

漱石の小説の愛読者という方も多かろうと思う。

この漱石、正岡子規と知り合うことによって俳句もかなり詠んでいる。実はその生涯に約2500句を残しているという。

         いず

風に聞け何れか先に散る木の葉


なん  ゆえ             なまこ かな

何の故の恐縮したる海鼠哉



善か悪か風呂吹を喰って合点せよ   夏目漱石



冬の季題の句を挙げてみた。

漱石ならではのちょっとした風刺のようなものが効いている。


この漱石、子規と出会い句作を始めたことで、後に俳句雑誌「ホトトギス」に「吾輩は猫である」「坊ちゃん」などを発表することとなり、一躍文壇を駆け上がることになる。人の縁というものの妙を感じる。


人生には幾千もの出会いがある。ただの通りすがりくらいの出会いもあれば、その出会いを「縁」に結びつけることも出来る。

ブログを通して知り合った方々…、その中にも通りすがりで終わってしまう方もいれば、コメントを付け合ったりして会話し、暮らしのヒントをあげたりもらったり…、そうして縁という結びつきが生まれる。


先日、しばらくブログを休もうと思っていたときのこと、「有縁を度す」という親鸞さんの言葉を教えて下さった方がいた。

「いつまでも待ってるよ」という言葉に随分と励まされた。

人がいて、自分が生かされていると感じた。


ぽんぽ子さん、ありがとう。

ぽんぽ子さんのブログはこちら→URL:http://ameblo.jp/fruitjam/



すみれほど            うま

 菫程な小さき人に生まれたし   夏目漱石


掲句、上五(頭の5文字のこと)が字余りとなっているのだが、この「菫程な…」と呼びかけをすることで、柔らかな気持ちが伝わってくる。文豪漱石ですら、「菫のような小さい人間として生きたい」というのである。

より小さく謙虚な者として生きたいと思った。



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