読売新聞(電子版)に、最近、就職活動を苦にして自殺する若者が増えているという記事が載っていました。
以下、引用します。
就職活動を苦にした若者の自殺が急増する中、
学生が悩みなどを打ち明けやすいようにメール相談を開設したり、
就活に行き詰まり自宅に引きこもる学生を訪問するソーシャルワーカーを配置したりするなど、
各地の大学が新たな対策に乗り出している。
「就職できず、死にたい」
「面接が怖い」。
就活や人間関係に疲れた学生の心の声を聞き取り、自殺を防ぐための取り組みが広まりつつある。
警察庁によると、昨年の就活を原因とする自殺者は10~20歳代が150人に上り、
2007年の2・5倍に急増。
特に大学生は41人(07年比28人増)と3・2倍に増えた。
さて、これをどうとらえるべきでしょう。
それを考える前に、一つ別のお話をさせてください。
以前、女優の高木美保さんが、「正論」という雑誌に書いたエッセーです。
高木さんは那須高原で暮らしており、ある日、庭のシジュウカラの巣箱のヒナをヘビが狙っているのを発見しました。
家の人がヘビを追い出そうとすると、高木さんは、自然界のバランスを考え、そのままにしておこうと提案したそうです。
それを読んで私は思ったものです。
「もともと巣箱を人間が設置したのなら、最後まで面倒を見てやればいいのに」と。
野生のシジュウカラが自分で巣をを作ったなら、ヘビに狙われない位置を選んだかもしれません。
しかし、高木さんは、ヘビの危険も良く考えずに、庭に巣箱を設置したのでしょう。
そして、シジュウカラはそこに住みついた。
その時点で、もうそれは、自然界の話ではなくなってしまっているのです。
それなのに、「そのままにしておこう」というのは、何とも冷たい話だと私は思いました。
そして、就職活動苦による自殺者増の記事を読んだとき、この話を思い出したのです。
子どもたちはこのシジュウカラと似ていると。
今の子どもの多くは、これでもかというくらい親の庇護をうけて育ちます。
つらいことはすべて親が取り除いてあげます。
そして、我が子が大学を卒業して就職したとき、親は、
「これで親の仕事は終わった」
と思うのです。
「あなたももう子どもじゃないんだから、あとは自分で頑張りなさい」
と。
私は思います。
そんなに甘やかしたのだったら、就職できなくても、仕事が辛くて会社をやめても、ニートになっても、ひきこもりになっても、ずっと面倒見てあげれば良いのにと。
みなさん、甘やかすにはそれだけの覚悟が必要だと思いませんか。
私はそう思います。
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