こんにちは。
今日は不登校を考えてみたいと思います。
まずはデータから。
平成21年度文部科学省調査(グラフも)によりますと、まず気になるのが、
【全児童生徒数に占める不登校児童生徒数の割合】
小学校:0.32%(316人に1人)
中学校:2.77%(36人に1人)
という事実です。
中学生の方が圧倒的に多いのですね。
それでは、学年が上になるほど、不登校は多くなるのでしょうか?
【学年別不登校児童生徒数】
【小学校】
1年生:1,080人
2年生:1,612人
3年生:2,561人
4年生:3,765人
5年生:5,769人
6年生:7,540人
【中学校】
1年生:22,384人
2年生:35,502人
3年生:42,219人
という結果。
やはり、学年が上になるほど不登校が増えているのですね。
では、不登校の原因は何でしょう?
皆さん、「いじめ」だと思われませんか?
違うんですね。
【不登校になったきっかけと考えられる状況(上位3つ:「その他」、「不明」を除く)】
【小学校】
①その他本人に関わる問題 9,829人(44.0%)
②親子関係をめぐる問題 4,303人(19.3%)
③いじめを除く友人関係をめぐる問題 2,640人(11.8%)
【中学校】
①その他本人に関わる問題 43,001人(43.0%)
②いじめを除く友人関係をめぐる問題 19,084人(19.1%)
③学業の不振 11,041人(11.0%)
もちろん、いじめもあるのですが、1位は小学生中学生とも、
「その他本人に関わる問題」
なのです。
中学生3位の「学業の不振」も気になりますね。
では、昔と比べて不登校は増えているのでしょうか?
中学生では特に増加が顕著ですね。
この結果について私なりに考えてみました。
1、何故学年が上になる程不登校が多くなるのか。
これは、本人が、「行きたくなければいかなくても良い」と思えるようになるからだと思います。
小さい頃は、「学校は絶対に行かないといけない」と思っているはずですが、
親が休むことを許すことによって、
「休もうと思えば休めるんだ」
というふうに意識が変わってくるのだと思います。
もちろん、中学生では、
「自分が絶対に行かないと言えば、最終的には行かなくて済む」
と思うようになるのは当然です。
また、子どもが社会性を学べなくなったということもその原因と考えられます。
前にもお話ししましたが、子どもが近所の子ども達の遊びに混ぜてもらうなど、
集団で行動する機会が減少したことによって、
「集団生活の中では、何事も自分の思い通りにはならない」
ということを学ぶ機会が減ったのではないかと思います。
子どもは自分の思い通りの行動をする。
親はそれを容認する。
先生も低学年のうちは容認する。
しかし、学年が上がるごとに、我慢しなければならなかったり、人に合わせなければならないことが出てくる。
それが受け入れられない。
だから、もう行きたくない。
そういうことではないでしょうか。
2、ではなぜ不登校が起きるのか。
これは、調査にもある通り、様々な原因が考えられます。
しかし、時代と共に不登校が増えている事実から考えると、やはり、親の教育・子どもを取り巻く社会の変化の問題が大きいのではないかと思います。
子どもを取り巻く社会の変化については、先程お話しました。
もう一つは親の教育です。
昔に比べて、明らかに親の教育は変わっています。
つまり、「有無も言わせず、これはこうすべきことだから!」といって、子どもに何かを強いるということが減ったのです。
常に選択権を持ち、自分の心地よいものを親に対して要求することができるのが今の子どもです。
それを身につけた子はどうなると思います?
学校に行きたくなかったら行かない。
仕事をしたくなかったらしない。
そんなふうに育っていくとは思いませんか?
「学業の不振」もそうです。
勉強を嫌がる子どもに対して、
「まだ、ウチの子には早かったんだ。もう少し成長すれば何とかなるだろう。だから今は好きなことをさせてやろう」
その結果がここにつながっているのではないでしょうか。
どんな親だって子どもが楽しそうにしているのを見るのは嬉しいものです。
子どもが辛そうにしている姿は見たくありません。
しかし、それによって、子どもの社会性や粘り強さを低めてはいないでしょうか?
さて、ここで一つ忘れてはいけないことがあります。
それは、学習障害についてです。
何らかの学習障害のある子は不登校になりやすいのではないかと思います。
この点につきましては次回お話ししたいと思います。
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