成長ホルモンとミトコンドリア | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 成長ホルモンは文字通り、成長に関するホルモンで骨や筋肉の発達に関わっているホルモンです。
 しかし成長ホルモンにはもう一つ、とても重要な働きがあります。
 それは「代謝」と呼ばれる、人間の体にある物質をエネルギーに変える働きです。
 代謝は、食べ物をエネルギーに変えて体を動かしたリ、古くなった細胞を排出して新しい細胞を作り出したリ、人間が生きていくうえで必要なすべての活動のことです。
 成長期の子供に成長ホルモンが必要なのはもちろんですが、このように代謝をつかさどるホルモンなので成人した大人にも必要不可欠なものです。

 
・成長ホルモンが出なくなるとどうなるでしょうか?
 

 成長ホルモンは代謝にかかわるホルモンであり、代謝は人間のあらゆる健康にかかわっています。
 

 成長ホルモンが十分に分泌されていないと、次のような症状になって現れてきます。


   コレステロール値の上昇
   心疾患(心筋梗塞や狭心症)
   動脈硬化
   糖尿病

  
 成長ホルモンは、脂肪の分解をしたり、血中コレステロールを下げたりする働きがあります。
 このような健康被害は、成長ホルモンが十分に分泌されていないことでリスクが高まる可能性があるとされているものです。
 

 病気もそうですが、成長ホルモン不足は見た目の老化にも影響します。
 

  肥満
  筋骨量の低下
  肌荒れ

 
 体脂肪、とくに内臓脂肪が増えるためお腹周りが大きくなります。
 俗にいう、メタボリックシンドロームですね。
 また、骨は一度できたら一生モノではなく、日々代謝で生まれ変わっています。
 成長ホルモンが足りないと、骨が弱くなり、骨粗鬆症や骨折しやすくなったり、また背が縮んでしまったりします。
 筋肉が衰えてくると、運動能力が低下して動きが鈍くなったり、姿勢が悪くなったりしていきます。
 さらに、肌荒れや肌老化にも成長ホルモンが大きくかかわっています。
 皮膚の汗腺というところに成長ホルモンの受け皿があるのですが、成長ホルモンが少ないと汗腺までたどり着けず、発汗量が減ることによって皮膚がカサカサに乾燥してしまいます。
 それに、皮膚はターンオーバーといって約28日サイクルで生まれ変わっていますが、ターンオーバーも成長ホルモンなくしてはできません。
 成長ホルモンが少ないとターンオーバーの周期が長くなり、古くなった角質がいつまでも残ってしまうので見た目にはシワやくすみとなって現れ、「老けている」印象を与えてしまうのです。
 
 成長ホルモンが不足すると、病気になりやすく、見た目的にも老化してしまうことになります。

 成長ホルモンの分泌を促すためには「グレリン」を増やすことです。

 グレリンは、空腹時に分泌されるホルモンです。
 お腹がグゥ~っと鳴ったらグレリンが分泌されているサインです。
 お腹が鳴ったからといってすぐに何か食べるのではなく、しばらくガマンしてグレリンをたくさん分泌させることが重要になってきます。


 私たちの体は約60兆個もの細胞が集まってできていますが、その細胞一つ一つにミトコンドリアというものが存在しています。
 ミトコンドリアは細胞の中でエネルギーを作り出し、若さや元気の源になるものです。
 ミトコンドリアは、エネルギーが不足している時や、もっとエネルギーが必要な時に活性化して増殖します。
 ですから空腹時というのは、ミトコンドリアが増殖するうえ、グレリン分泌も活発になるため、細胞から若返るのには最適な環境といえるわけです。


睡眠中に分泌されるホルモンの役割


 寝入ってから2~3時間後に分泌されるのが成長ホルモンです。「これ以上身長が伸びるわけではないから、成長ホルモンが分泌されなくても関係ない」と思っていたら、大間違い。成長ホルモンは単に「成長」を促進させるだけでなく、「細胞の修復」や「疲労回復」に役立っています。肌=皮膚や内臓の細胞を新しいものに入れ替える「ターンオーバー」は、成長ホルモンによって行われるのです。そのため、成長ホルモンを「若返りホルモン」と呼ぶ専門家もいるほどです。
  このように、成長ホルモンは22時頃から活発になり2~3時頃にピークを迎えます。「寝る子は育つというように」、睡眠の深い子ども程たくさん分泌され、子どもの成長に重要なホルモンですが、大人にとっても体の修復に欠かせません。たんぱく質や骨などを合成する働きの促進、疲労回復、リンパ球の働きを活発にさせて傷の修復、お酒を飲んで代謝に使われた肝臓細胞の再生など、細胞を活性化させ、体全体のダメージを回復するホルモンです。
  女性にとってもこの4時間は、お肌のゴールデンタイムといわれ、肌の生まれ変わりが最も活発になり、熟睡によって皮膚の新陳代謝が促進され、肌がみずみずしく、つやつやしていきます。


「睡眠時間が短いと肥満になりやすい」


  「睡眠時間が短いと肥満になりやすい」ということが報告されています。
  確かに起きている時間が長くなると、ついつい食事や夜食の回数が増えてしまいがちです。
  ただ、その「つい食べてしまう」行動自体が睡眠不足によるものってご存知でしたか?
 

 睡眠不足が食欲増進につながるということを示したこんなデータがあります。健康成人男性1,024名を対象に、睡眠時間と食欲に関するホルモンの関連を調べた報告によれば、睡眠時間が短くなると、レプチン(食欲抑制ホルモン)の分泌が低下して、グレリン(食欲増進ホルモン)の分泌が増えることが示されています。
  つまり、睡眠時間が短いと食欲に関するホルモンのバランスが乱れて食欲が増進してしまい、肥満につながりやすいと考えられます。
 

 また、別の研究では、健康な20代男性12名を対象に、4時間睡眠で2晩過ごした後と10時間睡眠で2晩過ごした後で、食欲に関するホルモンの変化と食べ物の嗜好について調べています。
  その結果、4時間睡眠で2晩過ごした後は、10時間睡眠の後に比べ、レプチン(食欲抑制ホルモン)が低下して、グレリン(食欲増進ホルモン)が増えており、実際に空腹感や食欲も増えていました。
 

 さらに興味深いことに、4時間しか睡眠がとれなかった後は、10時間睡眠の後に比べ、ケーキやクッキー、アイスクリームなどのスイーツや、ポテトチップスやナッツなどの塩気の強いもの、パンやパスタなどの炭水化物が食べたくなるという傾向がみられました。
 
  睡眠不足で食欲増進、さらにスイーツや炭水化物が食べたくなる…睡眠不足は肥満の大敵といえそうです。
 

グレリンとは
 

 グレリンとは胃から分泌されるペプチドホルモンで、その働きは二つあります。
 

   1 食欲を増進させる
   2 成長ホルモンの分泌を促進する
 

 
 グレリンが分泌されるのは、お腹が空いたときです。
 
 
  お腹が減ると胃からグレリンが大量に分泌され、脳に「お腹が空いたから何か食べなさい」と指令を出します。
  同時に成長ホルモンの分泌も促すので、グレリンが分泌されている時は成長ホルモンの分泌も活発になっているのです。
 「たくさん食べると大きくなるよ」と言われているのは、グレリンが作用し食欲が増進することで、成長ホルモンの分泌が活発になることが関係しているためで、実に理にかなったことなのです。
 
 
  グレリンが老化防止のカギを握るというのは、食欲増進作用の方ではなく、成長ホルモンの分泌促進作用の方にあるのです。
 


 こういったことから、片頭痛治療上、睡眠が極めて重要にになっています。
 これらの詳しいことは、これまで以下で述べてきたことです。

 

 

     片頭痛とミトコンドリア その9 規則正しい生活
      
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12285583148.html


     睡眠と健康
       
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12282487084.html


     その8 睡眠の役割
      
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12258603600.html


     認知症予防のための生活習慣
       
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12275787146.html

    

     ”規則正しい”生活習慣を
        
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12168933690.html

 

     片頭痛治療と睡眠の重要性
        
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-11946225618.html

 

      片頭痛と睡眠
         
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-11951359688.html