雨の中、来ていただいた方、ありがとうございました。“「楽園」炎上”などとワイドショーが喜びそうなニュースになることもなく、消火スプレーも出番なく終わって幸せです。


今回の演目は

UFOの話にからめて電子レンジでプラズマ

同じプラズマが基本原理の備長炭ライトセーバーと光るピクルス

食べ物つながりで緑のやきそば

食べ物と化学反応で髪の毛醤油

激烈な化学反応の例としてポテトキャノン

というしりとりのような流れで構成したのでした。なので何となく見やすかったと思います。


電子レンジがやはり難物、家ではうまくいったプラズマ発生がなかなかうまくはいかず、温かく見てもらって助かりました。この場にて再度、お礼申し上げます。


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子どもの観察(ピカピカの1年生編)

ポテトキャノン捨てなくてよかったな。ガラクタも取っておくと出番がある。マイコミで連載時に購入した実験機材は、ほとんど捨ててしまっていて、ああもったいない。助手くんである土肥くんに手伝ってもらったが、「エアバズーカ、もったいなかったすね」と残念がっていた。連載の1回目にドラム缶で煙を打ち出すエアバズーカというのを作ったのだ。


少年探偵スバルこと佐藤歩さんの髪で、髪の毛醤油を作り、会場にいた人のほとんど、40人ぐらいは舐めたと思う、その味が醤油になるということをわかってもらえて良かった。何でも体験してみるといい。面白いとは常識が揺らぐ瞬間のことなのだ。


白い煙を吹いて泡立ち、目が痛いガスが広がり咳き込む、そんなビーカーの中身が醤油に変わる。髪の毛から醤油よりもそっちが面白かった人も多かったのではないか。この中和の過程はぜひ見せたかった。これぞ科学の力。肉を溶かす塩酸が中和されて塩水に変わるという、中2の教科書にさんざん載って常識となっていることを、来た方は肌身でわかっていただけたと思う。


知ることとわかることは違う。そこが伝わり、先生はとてもうれしいぞ。


お子様がいっぱい来てくれたのはとてもよかった。科学というかすべての勉強は、国語も社会も数学もみんないかがわしくてあやふやでトライ&エラーの積み重ね、世の中が平和で落ち着いて見えるのは、陰でマッドでデンジャラスな連中が退屈な未来をドブ掃除のようにこそぎ取っているからだ。


来た方に理系離れが言われているので、こういうことをもっとやってくださいと言われた。私が思うに、理系離れを止めるには理系の勉強はあぶなくてとんがってて世の中をひっくり返してしまうから、やっちゃダメと言うのが一番。鉄は打って強くなる、適度な弾圧が才能を育てる。親が勉強しちゃダメと言うジャンルにしたら、理系は元気になる。漫画もロックもそうだった。子どもは未来、未来はいつも反社会的だ。


実は世間は無意識にそういう方向に進んでいて、今回も塩酸を買うのにえらく苦労した。警察が厳しくなっているらしい。いい仕事してるじゃないか、官憲も。


実験ライブが成立することがわかったし、今、日本でこれをやれるのは自分だけとわかるのはじんわりと気持ちがいい。でんじろう先生もガリレオも教育畑だし、三才ブックスチームは完全なアングラ・ハッキングで子どもは呼べない。隙間にうまく立っているなと自分の位置を確認できた。



子どもの観察(ピカピカの1年生編)

唐沢俊一さんと座長の橋沢さん、佐藤歩さん、助手くんこと土肥の助けで何とか無事に終わった。やってみるといろんなアイデアが出る。新しいことは何にも代えがたい体験だ。


来年もやりましょう、と言われ、ふと来年がまったく見えないことに気がついた。去年もおととしもその前も、生まれてから今までずっとかもしれない、来年の今頃、本当に自分がどうなっているのか、想像できた、いや想像する必要がなかった。想像したって大した意味はなかったのだ。今の私は来年の自分、来月の自分が想像できない。


みんな、こんな感覚で生きていたのかと悔しい。知らなかったというよりは、盗まれてきたような気がする。そんなわけないんだけども。


うちのバカ息子は劇団員に遊んでもらって大満足、ポテトキャノンの標的にした座長の顔写真にボールをバカスカ投げつけてキャーキャー喜んでいた。


私の聞きたいとうちゃんのやっていたことは面白かったのか何なのか、だが、今朝は100%忘れていた宿題をやるのに嫁に怒られ、それどころではなかった。そして顔を合わせるなり、

「昨日、ポケモン見たかった」

と昨日見れなかったポケモンのことを真っ先になじられた。


ま、親子だな、と思う。