生薬数と即効性 | 漢方1日1歩のブログ

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1日生きるとは1歩進む人生でありたい(by湯川秀樹)の言葉のように、傷寒論や類聚方広義、勿誤薬室方函を参考に1日1歩づつ漢方医として成長していきたいと思っています。(実際に患者に処方するにあたっては添付文書を参照され、自らの診断と責任でご処方ください。)

 生薬数が少ないほど切れ味が良いと教科書には書いている。確かに芍薬甘草湯や大黄甘草湯は効果発現が早いかもしれない。しかし多味だからと言って効果発現が遅いとは限らない。龍胆瀉肝湯(一貫堂)などは16味と多味だが即効性がある。龍胆瀉肝湯(一貫堂)は、


龍胆瀉肝湯(薛氏医案)(黄芩・山梔子・当帰・地黄・甘草・竜胆・木通・車前子・沢瀉)に

黄連・黄柏・川芎・芍薬(温清飲の方意)と連翹・薄荷・防風を加えたものである。


もちろん一貫堂処方としての解毒症体質改善にも寄与するが、膀胱炎や膣炎および泌尿生殖器の炎症に即効性がある。膀胱炎は確かに抗生物質が効くが、若い女性への抗生剤投与は常に膣カンジダの危険をはらむ。かといって猪苓湯単独では抗炎症作用が弱い。そんな時龍胆瀉肝湯(薛氏医案又は一貫堂)は選択肢の一つとして重要である。そして漢方は長く飲まないと効かないというのは迷信である。もともと傷寒論の方剤(龍胆瀉肝湯は傷寒論の方剤ではないが)は感染症で1~2日が勝負の世界でサバイバルしてきた方剤達である。即効性があって当たり前なのである。


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