来年(2012年)1月末に閉店、撤退するJR八王子駅のそごう八王子店について、


11月26日(土)の読売新聞朝刊多摩版トップ記事に、八王子市政の失敗を厳しく指摘するタイトルと内容が並びました。



そごう八王子店後継

百貨店誘致できず

「まちづくり無計画」露呈




小林ひろゆきさんのブログ

読売新聞(11/26朝刊)


この記事を読み、正直私と同じ論調でとても厳しい見方、指摘をしており、読者のなかにはあの読売がなぜここまで?と感じた方も多かったと思います。本当に的を射た記事でした。


おそらく、下記のような3つの書かれ方をして、黒須市長や八王子市役所からも苦情の電話がいったのではないでしょうか。


・百貨店側は計画性のないまちづくりを批判

・そごうを含め百貨店側が共通して指摘したのが「八王子のまちづくりの失敗」

・「空き地に施設を建設する場当たり的なまちづくり」


また、いつも冷静沈着な田中正美副市長については、「そごう撤退の背景には百貨店業界を取り巻く厳しい現状があり、八王子のまちづくりが立川に比べ劣っているとは思わない」とらしからぬコメントしています。


市は、立川駅周辺の伊勢丹、高島屋などがひしめき、都内でも新宿に次ぐ乗降客を誇っている現状をどのように把握、研究しているのでしょう?


【新聞記事】

 JR八王子駅ビルを運営する「JR東京西駅ビル開発」は25日、取締役会を開き、そごう八王子店撤退後に直営のショッピングセンター(SC)を開設する計画を決定した。そごうの撤退後、地元関係者は、街のシンボルとして百貨店の誘致にこだわったが、百貨店側は計画のないまちづくりを批判し、出店を断った。そごうが閉店する来年1月、八王子は百貨店のない街になる。


 「これでは誘致できないのは当然なのかもしれない」。八王子商工会議所の田辺隆一郎会頭は、後継テナントに百貨店を誘致できなかったことを残念がった。

 そごうの撤退表明後、田辺会頭は商議所としてのネットワークを生かして、高島屋と大丸松坂屋百貨店に出店を打診した。しかし、いずれも色よい返事は得られなかった。そごうも含めた百貨店側が共通して指摘したのが、「八王子のまちづくりの失敗」だった。


 例えばそごう側は、閉鎖決定の撤回を求める地元関係者に対し、娯楽施設が集積している駅北口は、「百貨店の立地条件としてはふさわしくない」と指摘。「再開発が行われた駅南口より(表玄関である)北口をどうにかしてほしかった」と皮肉った。


 また、市役所や中央図書館などの市の施設が中心市街地から外れた場所に点在しており、中心街にも人が集まるような核となる施設が足りない。「空き地に施設を建設する場当たり的なまちづくり」と指摘する関係者は多い。


 八王子の場合、市域が広いのに、多摩モノレールのような南北交通が発達していないことや、八王子駅に行くより、都心まで出る方が近い地域もあり、市内から八王子駅に買い物客が集まらない事情がある。


 田辺会頭によると、こうした事情を踏まえ、百貨店側は「長期的な視野が欠けている」「今後の集客に期待できない」と出店を拒んだという。


 しかし、地元にとっては街の顔である「駅ビル」には、どうしても百貨店が必要だった。高級感のある百貨店は街のステータスを高める。そごうの撤退表明を受け、署名活動を始めると、「多摩最大の人口を抱える都市に百貨店がないなんて」 「贈答品の購入は百貨店でなければ困る」という約9万6000人の市民が「存続」を求め、署名した。


 そごうから「翻意できない」を言われると、地元は百貨店にこだわり、後継テナントを探したが、努力は報われなかった。1970年代以降、伊勢丹、大丸、西武など数々の百貨店が撤退する中、そごうは最後まで残った百貨店だった。


 八王子市の田中正美副市長は「そごうの撤退の背景には百貨店業界を取り巻く厳しい現状があり、八王子のまちづくりが立川に比べ劣っているとは思わない」を百貨店側の批判をかわした。