制作前から人やら何やらが動き出すという大きなプレッシャーを感じながら、
曲作りを始めることになるのだけど、まずその前に気仙沼市唐桑町へ行って来た。
何故かというと、僕は海なし県に生まれ育ったから、海の事を全く知らないようなもので、
じぃちゃんの海は漁師の歌だから、まずその漁師さんたちに話をもっと聞いておきたかった。
この時僕は3ヶ月ぶりに被災地に行った。
初回のように胸が苦しくて頭の中が混乱するような事はなかったし、
ガレキは随分片付き始めていたけど、破壊の跡を実際この目で見たら、
やっぱり何とも言えない気分になった。
3月末に出会った人達は、あれからもう随分月日が経っているのに、
僕の事をほとんどの人が覚えていた。嬉しかった。
ボランティアもほとんど入ってこない大変な時だったから覚えてるって。
「もう会えないかと思った」って言って泣いてくれた人だっていた。
あの時は正直、どう行動したら現地の人達のサポートになるのか困りながらやっていたけど、
はじめてあの時の行動は間違いじゃなかったんだと実感できた。
そうやって初回出会った人達を探し回っていったんだけど、
僕の今回の目的を知った人達は、すぐさまあちこちに連絡を取って協力してくれた。
牡蠣の養殖再開の現場も見させてもらったし、なんとあの津波を乗り越えた船にまで乗せてもらった。
それでマンボー漁に連れて行ってもらった。（マンボー出会わず収穫はなし）
まさか漁船に乗れるなんてね、もちろん僕は人生初体験、最高だったな。
3日間の2度目の唐桑町。
また沢山の人に出会い、話をして帰って来た。
そしてその数日後から僕はいよいよ作詞作曲を始める。
つづく
