言の葉の庭 | ヒネくれヨッシーの何気ない日常

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かなーり以前=2年前のブログ記事で触れた、アニメ映画「言の葉の庭」
少し前にmixiのニュースで「美しいアニメ10」の1位として紹介されてました。
mixiニュース「最も美しいアニメ映画TOP10」


今更ながらですがようやくレビューをアップします (;^_^A
劇場アニメーション『言の葉の庭』 DVD/入野自由,花澤香菜

¥3,456
Amazon.co.jp


あらすじ
靴職人を志す15歳の高校生タカオは、雨が降るといつも1時間目の授業をさぼって新宿の公園で靴のスケッチに熱中していた。
ある日、彼はチョコレートをつまみに缶ビールを飲むOL風の女性と出会い、雨の日だけの再会を繰り返しながらお互いに少しずつ打ち解けていく。
タカオは心のよりどころを失ってしまった彼女のために、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作ろうと決心する。

キャスト
タカオ:入野自由、ヒロイン:花澤香菜、タカオの母:平野文、ほか

監督は「秒速5センチメートル」の新海誠。


ストーリーはいたって普通の、よくある「名前も何も知らない者同士が出会いを繰り返すうちに安らぎを感じ癒され、いつしか惹かれ合って…」というラブストーリー。
その“普通”をいかに魅せるかが監督の演出手腕が問われるところ…

合間に梅雨の風景を挟みつつセリフはBGMで消して、二人が段々近づいていく様子を演出。
公開されてから2年以上たっているにもかかわらず美しい作品として絶賛されてますが、私はセルアニメを見て育ったからなのか、単なるデジタルアニメ嫌いだからなのか分からないけれど逆にリアルに近づきすぎる描写、特に水の描写に違和感を感じました。

若干、音楽もあんまり効果的に使われてないように感じました。
特に合間に梅雨の風景を挟みつつセリフはBGMで消して、二人が段々近づいていくシーンでのピアノはビミョーで、耳障りにさえ思えて残念。

だけど、人物描写は素晴らしかったです。
以前のブログ記事でもも触れた、タカオがヒロインに会社は休みなのかと問うと、「またサボっちゃった…」と彼女は力無さげに答え、それを見たタカオの、予想外の答えが返ってきたという驚きと戸惑いの表情や、
心に傷を抱えて無気力な表情だったヒロインがタカオに打ち溶けていく描写と、タカオのヒロインに対する複雑な想いの描写と入野自由さんのモノローグは秀逸

最も息を飲んだのは、ヒロインの靴を作りたいと申し出たタカオが彼女の足の採寸をするシーン
雨で霞みがかった風景の中の二人が、遠くて近い、近くて遠い危うい関係を象徴するかのように描かれていてかつ、とってもエロティックに見えて…

前半はデジタル美術の違和感を差し引いても人物描写の素晴らしさに画面に引き込まれました。
が、ヒロインの正体が分かってからの後半は迷走しはじめ、頭の中を???がグルグル。。。

ネタバレになるんであえて言いませんが、ヒロインのその事情とタカオの乱闘、必要ですか??
私はイラんかったと思います。

ラストシーンは、それまでは静かに歩み寄っていった二人の感情が一気に爆発してようやく本音を語ることができた、感動的なシーン。。。
と感じたのは最初の、タカオが泣きながらヒロインに対して怒りをぶつけたシーンだけ…

入野さんの声をちゃんと聞いたのは今回が初めてだったんですが、失礼ながら最近の流行りの人気若手声優さん⇒偏見かもしれないけど、個性がなくて誰が誰だか区別がつかない声だと思ってて、こんな上手い人だとは思ってませんでした。
そんな入野さんの熱演も相まってスクリーンに釘付けになってたんだけど。。。。。

それに引き換えヒロイン役の花澤香菜さんのなんとも抑揚のない声だこと。。。。。
頑張ってヒロインの心の本音を叫んでいるんだろうけど、全然伝わってこない。。。
この人、今(私がこの映画を見た2年前も)一番人気の女性声優さんだよね??

これならタカオの母役の平野文さんの方がもっと上手くできるよ。
回想シーンでの、家族からの誕生日プレゼントをワクワクしながら箱を開けるときの、「何を選んでくれたのかな~?」の声がなんと可愛らしかったことか!(///∇//)

それに、それに、。。。。。。。
ああああああーーーーーーー
やっぱりあの涙の描写はダメですーーーーーー
どう頑張って見ても人工的に作られた涙のように浮いてるように見えてしまって、まるでロボットが泣いてるようにも見えてしまって、ドン引いていく感情=拒否反応がむくむくと上がってくる…

あれならまだ漫画の紙面に描かれた涙の方がましだよー
折角の入野さんの熱演が台無しだよー

ボーセンとしているとエンディングテロップが流れだし、「ええええええ、これで終わりですかあ???」とさらに打ちのめされていましたが、エンディング曲「Rain」(大江千里さんの名曲を秦基博さんがカバー)の懐かしさに少し救われました。
※テロップの後にエピローグあり

実は本編上映前におまけとして新海さんのショートフィルム「だれかのまなざし」も上演されて、こちらはとても良かったので、結構期待したんですよ。
なのでデジタルアニメに加えてこれでハードルも上がっちゃったのかもしれないけど、新海さんは中長編よりもショートフィルムの方が合ってるような気がします。

それにしても平野文さん。
「だれかの~」でもナレーションをされたましたが、彼女の凄さを改めて実感できたので、良しとしますか!(;^_^A