今日は結婚50周年記念日 | アジアの季節風

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 今から丁度50年前の今日私と妻は結婚した。つまり今日は我々夫婦の結婚50周年の記念日だ。

 

 ただ今日はちょっと都合が悪かったので、昨日息子と娘の家族を招待して、何かあるといつも利用するホテルのビュッフェで食事会を開いた。

 

 思えばそれまで全く他人だった2人が、よく50年間も一緒に連れ添ったものだなあ、と感慨深いものがある。

 

 まずはこんな私みたいな駄目男に見切りも付けず、ここまで一緒に生きてくれた妻に感謝しなければいけないだろう。

 

 私は播州の田舎で、妻は京都という古都で生まれ、全く環境も文化も違う処で育った2人が、一つの屋根の下で50年も一緒に生活してきたというのはやはり凄い事だった。

 

 そんな2人が出逢ったのは、そもそも私が京都にある同志社という大学の法学部を選んだことからだった。

 

 私は大学受験では同志社の法学部以外に、関学と立命の法学部、早稲田の法学部と文学部も受験し、その内の同志社の法学部と早稲田の文学部に受かった。

 

 私の第一希望はずっと早稲田の法学部だったが、そこはスベってしまったので、その当時はどうしようかと随分と悩んだものだ。

 

 ちなみにその時早稲田の文学部に行っていたら、村上春樹や三田誠広と同級生だった。それがなんやという話も一部にはあるが・・・(笑)。

 

 まあそれは兎も角、早稲田は東京なので遠いが、京都なら近いし、3歳上の兄が同志社の文学部にいたので、それも心強いという事もあった。

 

 また先に同志社の入学金を払っていたという事もあり、早稲田を選ぶとそれを捨てることになるので、親の事を考えると忍びなかったのもある。

 

 更に授業料自体も早稲田の方が高かったし、文学部より法学部の方が就職に有利だという高校の担任のアドバイス等もあった。

 

 でさんざん悩んだ末に同志社に決めた訳だが、もしあの時早稲田を選んでいたら、当然妻にも出逢ってなかったし、今の子供達もこの世には存在していない。

 

 また彼女の方も同じ法学部の同級生ではあったが、学生番号が離れていたのでクラスは別だったから、もし同じ絵画クラブに入ってなかったら多分知らないままだっただろう。

 

 そういうことを考えると、人と人の出逢いというのは「もしも」の連続であり、それがひとつでも欠けると成り立たなくなってしまう。勿論後から考えると、だが。

 

 そういう事で私と妻は同じ大学の同じ絵画クラブで出逢って親しくなり、2人が24歳の時に結婚した。当時でも比較的早い結婚だった。

 

 何時だったか忘れたが、私が田舎に帰って父と2人で飲んでいた時、俺には今付き合っている彼女がいると話をしたら父は、だったら早く結婚しろと勧めた。

 

 何故父がそれ程我々の結婚を急いだのか未だに疑問だが、父は京都の女に憧れがあったような処は、その会話の中でも確かに感じられた。

 

 兄が結婚した後で、父はその嫁をあまり気に入ってなかったようで、私の話を聞いて私の彼女はエラく気に入ったようで、その話は急に進んだ。

 

 勿論その後彼女を田舎に連れて行って、両親にも会わせたりもしたが。

 

 我々が結婚した時には私の父もまだ生きていたが、それから2年足らずの間に肝硬変で死んでしまい、その父と入れ替わるようにして長男が生まれた。

 

 今考えると、父は自分の寿命を分かっていて、自分が生きている間に我々が結婚する姿を見届けたかったのかも知れない。

 

 それから50年。

 

 生まれ育った環境が違った上に(謂わば文明の衝突(笑))、同級生という事もありお互い競争心もあったのか、二人の間には喧嘩も絶えなかったが何とかこれ迄やって来れた。

 

 それはまあ私の好い加減な性格(私は包容力と呼んでいるが)と、妻の我慢強い性格のお陰だろうとは思っている(笑)。

 

 ただ50年と言っても、私はタイのバンコクにトータルすれば約4年半、中国でも珠海と上海でトータル4年半住んでいたのでその間は別々に暮らしてきた。

 

 また国内でも東京に長期出張と単身赴任を合わせれば5、6年位いたし、福岡も数カ月単位の長期出張を数回したので、それも合わせると2年くらいになる。

 

 という事を考えると私と妻が一緒に生活したのは30数年位かも知れない。またそういう生活だったから逆に長持ちしたのかも知れない。

 

 これから先どれ位生きられるのか分からないが、まあせいぜい長く生きても10年くらいだろう。

 

 どちらが先に行くのか分からないが、これからは生きている間は出来るだけ喧嘩等はしないで仲良く穏やかに行きたいものだ。