2年前東京高裁判決が出たときに取り上げたNHKの受信料の時効期間ですが,最高裁もやはり5年との判断を示したそうです。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/446/084446_hanrei.pdf
民法上の債権の消滅時効は原則10年です。
ただし,色々と例外があります。
その一つとして,民法169条は、「年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する」としています
1年以下の短い期間で定期的に支払いがされる債権は,5年で時効になるわけです。
典型的なのは家賃で,普通,家賃は毎月いくらで払いますよね。
だから,家賃は5年で時効にかかるわけです。
NHKの受信料も、2ヶ月ごとか、半年ごとか、1年ごとかに定期的に払うので,5年で時効にかかるというのが自然です。
ただ,NHKとしては,色々と理由をつけて争っていました。
今回の最高裁判決には上告理由の記載がありませんが,東京高裁平成24年2月29日判決高裁の判決には,以下の記載がありますので,今回も基本的にこのような主張をしたのではないかと思われます(この敗訴判決を受けて,主張を変えてきた部分はあるかもしれませんが)
被上告人(NHK)は、その公的目的をいい、また、債権の法的性質の特殊性(対価性のない特殊な負担金)を主張し、さらにその特殊性を前提に、放送受信契約が受信機設置の時から成立し、受信料債権も受信機設置の時から発生するから、受信料債権は受信機設置の事実に起因するものであり、基本権である定期金債権が存在せず、又は基本権には除斥期間の適用はなく、民法一六八条の定期金債権ではないとして、同法一六九条の適用を否定し、一〇年の時効期間を主張する
受信料は,受信の対価じゃなく,特殊な負担金と主張しているわけですが,通常の感覚としては,受信ができることの対価として受信料を払ってますよね。
また,168条の適用がないと169条の適用がないとすると,家賃も5年の時効にかからないってことになっちゃいますよね。
こうした主張は,かなり無理矢理だと思うので,最高裁判決も実にあっさりしています。
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