←前回
その日の夕方、ペンタゴン住建の石川さん(仮名)と別れた後、嘉は一旦家に帰り、しばらくしてからまた物件に向かった。
そしてそこでラクヲと会った。
嘉 「ラクヲ、来たか?」
ラクヲ 「嘉が紹介したい物件ってコレ?」
嘉 「そう」
ラクヲ 「スッゲーオンボロ小屋じゃん!!w」
嘉 「そう」
ラクヲ 「家の中は・・・?」
嘉 「うん、見ても見なくてもいいよ、どうせフルリフォームする必要あるから」
ラクヲ「しっかし、スゲー・・・バラックじゃん!w」
嘉「そう」
嘉 「柱もシロアリに食われまくってるから、もはやご臨終です。」
ラクヲ 「でもスゲー駅のそばじゃん!」
嘉 「そう」
ラクヲ 「周りには学校も、スーパーもコンビニも銀行も風俗店もあってスゲー騒がしいのに、ここだけ超昭和じゃん!!」
嘉 「そう」
ラクヲ 「え!?しかも目の前に線路通ってるの!?」
嘉 「そう」
僕の友達であり、不動産投資仲間でもあるラクヲは、僕より背は低いが、見た目はいい感じに痩せていて程よく日焼けしている。
一言で表すと、野生的な男で、なぜかものすごく勘が鋭い。
そして狼みたいな目で隈なく物件や周りの状況を観察しだした。
そして物件や周囲をなめ回すように睨み見たあと、僕の方へ戻ってきた。
ラクヲ 「で、いくらこの物件?」
嘉 「70まん」
嘉 「・・・(´・ω・)」
ラクヲ 「(・c・`) 」
ラクヲ 「・・・ワァッツ!? Σ(*゚ロ゚)ハッ!!」
ラクヲ「ガチで?」
嘉 「ガチ」
ラクヲ 「で、でかしたよ嘉!!! お前スゲーいい仕事してくれたよ!! 本当にこの物件、俺が買っていいの?」
嘉「いいよ」
ラクヲ 「おっしゃぁぁぁ(喜び) 後で、お前にたっぷりしゃぶしゃぶ食わせてやる!!」
嘉 「ワーイ、牛しゃぶ、豚しゃぶ、しゃーぶしゃぶー♪」
無類のしゃぶしゃぶ好き嘉は、嬉しさのあまり、ボロ物件の目の前でしゃぶしゃぶの舞を踊った。
そして後日、ラクヲはペンタゴン住建石川さん(仮名)経由でみごとこの超オンボロ物件を3万円さらに値切って67万円でゲッツした。
しかし物件の評価額を見積もってもらったら実際には470万の価値のある物件であることが分かった。
買値の7倍弱の価値が既にある。
これを手直ししたら間違いなく10倍以上の価値になる。
石川さんの言ったことは本当だった、と思った。
そして後日しゃぶしゃぶはうまかった。 つづく