昨日書いた「3つの本能(自己保存的・性的・社会的)」の内、
社会的本能に関係する話です。

エニアグラムの考え方では、誰もがこの「3つの本能」をもっていますが、
社会的本能がもっとも発達している人は、
自分と社会との接点を意識する傾向が強いです。

一般的には、周囲に気を遣い、自分と社会が調和的でいられるようにします。
メールや手紙の返事をすぐ書かなければとマナーなどが気になったり、
どこかの会合に出て行くと、誰に挨拶したらいいか、そして
その場での自分の役割が何かが気になったりします。

職場では、個人と個人をとりまとめる潤滑油のような役割も果たします。

社会的本能が発達している人は、世間で起きていることや
社会問題に関心をもつ人も多いです。

また、人と人とをつなぐハブのような役割を果たしたり、
ネットワークを広げます。

社会的本能が強くても、必ずしも社交的とは限りませんが、
社会との関わりがよきにつけ、悪しきにつけ、気になるのです。

自分の地域や世界で起きていることを知らずにはいられません。

社会的本能が強いと、対人関係は、ひとりひとりの相手との密度の濃い関係というよりも、
自分と「友達」、自分と「あの人たち」というように、抽象度が高くなります。
(広く薄く意識します。)

人と人との関係を生々しいリアルなつながりとして感じるよりも、
あえていうなら、「人間関係」という言葉で表されるような感覚です。

この社会的本能が発達している人でも、不健全になると、
反社会的になり、社会に対して批判的になることもあります。

社会的本能がそれほど発達していない人からすると、
社会的本能が強い人というのは、なぜそんなに人と関わったり、
社会的なことにエネルギーを注いだりするのだろう、
もっと自分自身のケアや足下のことをすべきじゃないの?と感じます。

社会的本能が強い人からすると、その本能があまり発達していない人は、
自分のことばかり考えていて、周囲や社会に協力したり、
貢献する気持ちがあまりないように感じてしまうことがあります。

優勢する本能の違いによる無意識の感じ方により、
人間関係がギクシャクしてしまうことがあるのです。